礼拝メッセ−ジ
2019年10月13日

ペテロの第一の手紙　1章18〜21節

　　　　　　　　　　　　　　　　＜ きよい者とするためのキリストのお働き ＞


　人はなぜ、年を取るときよめを求めるのでしょうか？　個人的な結論ですが、生きてきた時間よりは、残っている時間が短いからだと思います。しかし、きよくなりたいと言いながら、実際はなかなかきよくなりません。昔のままの生き方は気に入らないのに、結局は昔のままの生活です。きよくなりたいと心の願いはありますが、実際はきよくなりません。きよくなりたい方は頑張っていますが、頑張った分、逆効果が現れる時もあります。きよくなってない自分にがっかりして、落ち込んでいます。もう一つの問題はきよくなっていない兄弟姉妹を見るとさばきます。きよくなりたいと思っている私たちに、今日の箇所は良き答えを下さいました。


１．贖われた（１８−１９節）
　キリストの尊い血はきよめの始まりであり、終わりです。私たちはイエス様の信じる瞬間、最初からすでに、きよくなりました。罪から贖われ、身分が変わりました。そして、今はきよくなりつつあります。

　運命が変わりました。方向が変わり、堕落からきよめに変わりました。運命とか、人生の方向を変えられるのはよっぽど価値あるものではないと出来ません。歴史において一番変わらない価値の代表が金だと思います。金と銀はこの世ではいつまでも変わらない価値あるものの象徴です。ペテロの時代も金と銀は価値あるもので、奴隷を贖うためにはお金を払いましたが、高額のお金になると金貨や銀貨です。

　18節にある「あがない出される」意味はローマの奴隷が自由人になる制度のことです。この制度はある恩人が一定の金額を神殿に寄託するとその神殿で礼拝される神がその奴隷を買い取り、贖い、新しい主人である神の者となる事です。その奴隷はその神の所有となり、社会的な身分は自由人になります。自由の身になりましたが、神に属しています。

　ペテロが２：１６で言っていることと似ています。「自由人にふさわしく行動しなさい。ただし、自由をば悪を行う口実として用いず、神の僕にふさわしく行動しなさい」。自由になりましたが、イエス様に属して、イエス様に従う人がキリスト者です。私たちが贖われたのは金とか銀みたいな物質によるものではありません。奴隷は金銀で贖われますが、先祖代々受け継いだ呪われた運命はイエス様の血潮によって贖われます。金銀のような物質では出来ません。私たちの呪われた運命はお金で解決できるものではありません。お金で解決できるのであるなら、お金持ちは子孫代々ハッピーになるはずです。お金持ちの家庭にも、貧しい家庭にも先祖代々、子孫に続く、悲劇の運命があります。

　私たちも悲劇の運命でしたが、しかし、イエス様の血潮によって変わりました。イエス様は私たちの代わりに十字架の上で呪われましたので、私たちの悲劇の運命をイエス様が代わりに、ご自身の死と共に持って行かれました。イエス様の死と共に、私たちの呪われた運命も一緒に終わりました。罪に呪われた運命から、きよめられた人に変わったことを信じることからきよめに関する見方が変わります。

　キリストの尊い血は同時に、私たちの尊い存在価値をも表しています。私たちの本来の存在価値はゼロです。しかし、キリストの尊い血によって贖われたので、私たちの存在価値は高いです。存在価値が高い神の子どもだというプライドを持ちましょう。そのプライドが私達を罪から遠ざける大事な役割をします。


２．終末を始められた（２０節）
　イエス様は天地創造の前から存在されたお方です。永遠の前から父なる神により、救い主として指名されました。

　最初から救い主が用意され、贖いの時のために備えられていました。そして、ペテロの手紙を受けている人たちの時代に実際にメシアが来られたわけです。ペテロはその時代を２０節で終わりの時と言っています。言わば終末です。メシアは終末に来られます。イエス様が来られてから終末はすでに始まっています。今も終末の時間です。終末はこれから未来ではなく、すでに始まっています。ペテロがここで言いたい終末の意味はこの方が終わりなので、他のメシアはいないことを意味します。新しいチャンスもないことを意味します。別の救い主、別のチャンスはないことです。イエス様を信じた後、堕落すると他のチャンスはありません。私たちは終末を生きている自覚が必要です。きよく生きようとする認識が必要です。イエス様が私たちに来られてから、新しい生き方を下さいました。それは目を覚ましていなさいです。あなたの主がいつ再び来るか分からないから目を覚まして生活しています。イエス様が来られてから、私たちにこの緊張感を下さいました。この緊張感が私たちのきよめにつながります。目を覚ましている人はきよさを保って生活します。


３．信仰と希望を下ささった（２１節）
　私たちのすべての希望はイエス・キリストです。キリストによって神を信じることが出来ました。キリストによって最初、きよくなりました。ですから、これからきよくなり続けることもキリストによって可能です。


　キリストの霊である聖霊様が私達をきよくなるように導いて下さいます。まず、私たちの心にきよくなりたい願いと希望を与えて下さいます。最初、イエス様を信じてきよくなったのも信仰のゆえですから、これからきよくなり続けることも信仰の故です。最初、きよい人になったのも、神の恵みです。これからきよくなることも、神の恵みです。私たちにきよくなりたい聖なる願いがあるので、聖霊様が助けて下さいます。今に至るまで何とか、恥ずかしいことなく、守られました。罪に陥る誘惑や危険がありましたが、聖霊の干渉により、罪を犯さずに守られました。これから、残りの時間、致命傷がないように、祈りながら生きていきたいです。三位一体の神が今まで通りに助けて下さいますから、大丈夫です。

　 三位一体の神が私たちにきよめの信仰と希望を下さいました。きよくない日も多くありますが、それでも、神の故にきよくなれる信仰を下さいます。きよくなりたい切なる希望も下さいます。三位一体の神が下さいましたきよめの信仰と希望がある限り、私たちのきよめは続けます。



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