2019年9月22日

ペテロの第一の手紙　1章10〜12節

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜ 私たちの長い救いの物語 ＞


　ペテロの手紙を読んでいる人たちは異邦人キリスト者なので、もともとはユダヤ人と関係ない人たちです。イエス様は信じていますが、ユダヤ人先祖の旧約の預言者と何の関係があるかということです。ユダヤ人キリスト者にとっては自分たちの先祖のことだから違和感がありませんが、異邦人キリスト者にとっては何の関心もない他民族の歴史になります。ペテロ時代の伝道者にはこの誤解をどうやって解決するかという課題がありました。ペテロは今日の箇所でそれを説明しようとしています。


１．預言者による調べがあった
　当時の異邦人とユダヤ人は最初、何の接点もありませんでした。何の接点もない人たちがイエス様を信じることにより、いきなり神の家族になりました。私達一人一人の救いのみわざもある日突然できたことではありません。私達一人一人の救いの物語は長い歴史があります。しかも、神秘的な物語です。預言者の預言がありましたので、神秘的であり、天使も登場するので、神秘的です。私たちの救いは旧約の預言者から始まります。預言者の活動は今考えてみるとユダヤ人だけでなく、すでに旧約の時から、私たちの救いを前提にして預言されたわけです。
１０節：「この救については、あなたがたに対する恵みのことを預言した預言者たち」
旧約の預言者たちは子孫のユダヤ人だけでなく、私たち異邦人のためにも救いの恵みを預言したとペテロは言っています。イエス様を信じている同じ接点ができると、これ以上、異邦人、ユダヤ人という区別、差別ではなく、同じ神の預言者たちによる預言の成就が私達です。ここに集まっている私たちは今考えてみると偶然、ここに集まったのではなく、昔からの神秘的な導きがありました。旧約の預言者たちはこの救いのために一生懸命研究しました。彼ら自身の救いではなく、未来の人たちのために熱心に研究しました。彼ら自身の現在よりは、未来の完成のために「たずね求め、つぶさに調べ」ました。


２．キリストの霊による預言者の活動があった
　預言者たちが「たずね求め、かつ、つぶさに調べて」いた主な関心事は「キリストがいつの時、どんな場合」来られるのかでした。預言者たちはキリストの霊により未来のことを預言しました。メシアの苦難と死、栄光を部分、部分預言しました。その内容は全体的なことではなくて、一部分です。一人の預言者に一部分、もう一人の預言者にまた、もう一部分だけの預言です。しかも、それがいつの時なのか、どういうことなのか、彼ら自身も詳しくは知りません。一人の預言者が一部分の預言を民に伝えると神はまたもう一部分のことを教えて下さる繰り返しでした。その繰り返しで、全体的なことがイエス様のところでやっと完成しました。救いの歴史は今も続いています。私の現在はこんなに辛いのに、いつ、どのように私の物語はハッピーエンドになるのでしょうか。その祈りに神が答えて下さいますが、全部ではありませんが、今日一日を過ごせるように、慰めて下さいます。イエス様に苦難がありましたので、私たちに栄光があります。イエス様の栄光を私たちに分け与えて下さいます。ある時はイエス様のように自分の十字架を背負うときもあります。しかし、しばらくの苦難が終わると栄光があります。私たちはイエス様に似ている人たちだから、しばらくの苦難に耐えられる人たちです。


３．御使たちも、うかがい見たいと願っている事である。
　旧約を見ると神の啓示を人に伝えたのは天使です。預言者は天使から聞いた神の預言を人々に伝えました。天使は神と人の間に入って神の預言を伝える使者の働きをしました。人間よりは天の啓示を多く知っている存在です。しかし、全部知っているのではありません。救いの長い歴史において、天使の役割は大きかったですが、それでも、天使は救いの歴史において、主人公ではありません。あくまでも主人公である神と人間の間に入って人の救いを手助けする働き者に過ぎません。天使も神秘的な存在ですが、天使から見れば私たちの救いがもっと神秘的なことです。

　 私たちの救いは神秘的な物語です。私たちの救いの物語はどのように終わるのか、楽しみにしましょう。歴史も長い私たちの物語、どのように終わるのでしょうか？



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