礼拝メッセ−ジ
2019年9月1日

ルカによる福音書　5章12〜16節

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜ イエス様による完全な癒し ＞


　私たちが幸せになるために必要とする基本条件をあげてみると大体四つくらいです。健康、財産、近所との付き合い、信仰者には何よりも神様との交わりなどです。私たちはこれらの中で一つでも欠けていると不幸だと感じます。もしかして、これらのものの中で一つもない人はどうなりますか？　世界で一番の不幸な者だと考えている人はどうすれば良いでしょうか？


12節
　登場人物はイエス様と病の人です。場所はある町です。出会いは病の人がイエス様を見て顔を地に伏せて、イエス様にお願いをする場面です。現代は重い皮膚病と訳しているところが多いです。旧約を見るとこの病気は神に近づくことが出来なく、家族と社会から隔離されました。お金も友達もいません。社会から隔離されている彼を救われるためにイエス様がおいでになったのではないかと思います。或いはこの人が町の近くまで来たので、イエス様が彼のところにおいでになったのではないかと思います。いずれにせよ、この人がイエス様の近くまで来ることは不可能です。イエス様が彼の近くまで近づかない限り、出会うことは不可能です。イエス様が彼のところに近づかれたことは心から彼を受け入れたことを意味します。イエス様以外の人は全員、彼らに近づくところか、出来る限り遠く離れるか、近づけないように追い出します。

　私たちの体には彼のような病はございませんが、それよりももっと深刻と言える罪があります。私たちは罪人であり、罪によって神様に近づく事すら出来ない者でした。イエス様に近づく事さえ不可能な私たちの所にイエス様が自ら、人間になっておいでになりました。イエス様が罪人である、私たちを心から受け入れて下さったので、救われました。


13節
　旧約のしきたりを見るユダヤ人は死体とか怪我をしている人、らい病の人を触りません。この人にとって社会から完全に隔離されている象徴的なことが握手出来ないことです。この人は病気になってから、初めて健康な人の手を触りました。それではイエス様はなぜ、わざと彼の手を触ったのでしょうか？　言葉だけで癒して下されば良いのに、なぜ、わざと手を触ったのでしょうか？　イエス様は触っても大丈夫です。人は汚れたものに触ると同じく汚れますが、神は汚れさえ、きよめられます。イエス様が罪の世界に来られるとイエス様が罪人になるのではなくて、罪人がきよめられます。イエス様が彼の手を触られたもう一つの理由は彼の心を回復させるためです。今まで傷ついた心をイエス様は手を触ることで心も癒して下さいました。病気は体だけ駄目にするのではなく、心も駄目にします。ですから、イエス様は体だけではなく、完全な癒しのために心も癒して下さいました。


14節
　この人が幸せになるためには体の病気だけの問題ではありません。病気だけ治れば幸せになるのではありません。

　体の病気、家族に帰ること、社会復帰、経済活動や仕事の再開、神様との関係回復、全部必要です。病気の人は病気が治る事しか考えていません。それが一番の問題だからです。しかし、病気が治っても幸せではありません。

　なぜなら、今まで二番だった人生の問題が今度は一番の問題になるからです。二番目の問題だったものが解決されると今度は三番だった問題が一番になります。このように考えると私たちの生活から一番目の問題は無くなりません。

　その理由は何でしょうか？　神よりは自分自身や他人を頼りにしているからです。信仰によって生きる生き方を知らないからです。信仰によって生きる生き方を知らないことが罪の中に生きている意味です。その罪をイエス様が取りのぞいて下さらない限り、問題が解決されても不幸です。イエス様は単にこの病気を癒されるために来られたのではありません。イエス様は癒しを通して、私たちに神の国を下さいました。神の国の中にすべてがあります。彼の救いは病が癒されることだけでなく、回復が必要です。家族に帰る、社会に復帰する、仕事できる、神様に礼拝できるためには社会が認めている回復のプロセスが必要です。


15-１6節
　この人はイエス様に言われた通りに誰にも言わなかったのかどうか、分かりませんが、イエス様のうわさはますます、広まりました。しかし、イエスは寂しい所に退いて祈っておられました。体の休みと霊の休みです。霊的な休みは祈りによってもう一度霊的な充電することです。今日の箇所の始まりは重い皮膚病にかかっている一人を救われるため、彼の所にわざわざ行かれたイエス様がいます。終わりは反対におびただしい群衆が集まってきたのに、群衆から離れて行かれるイエス様がいます。イエス様に出会う色々のパターンあります。イエス様が誰かの所に来られるパターン、誰かがイエス様に出て行くパターン。皆様はどちらのパターンでしたか？　ある方は人生の悩みがあってイエス様の所に来られた方。ある方は人生の苦しみの中、何も出来ない時、イエス様が来られた方。どちらにせよう、肝心なのはそこでイエス様と個人的に出会えるかどうかです。イエス様と人格的に出会い、イエス様を心に受け入れた人に神の国が心に訪れます。



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