2019年7月21日

使徒行伝　20章32〜35節

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜ 受ける人から与える人へ ＞


　イエス様の愛を伝えることは具体的に誰かを助けることです。誰かを助けるためにはまず、イエス様の愛の心が必要です。知恵と能力も同時に必要です。聖霊が知恵と能力を下さいます。神様からの健康も必要です。つまり、時間が必要です。お金も必要です。三位一体の神から何か頂いた分に応じて私たちは誰かを助けることが出来ます。さて、今日の箇所の金言は「受けるよりは与える方が、さいわいである」です。この言葉にはいくつかの疑問があります。


１．いくつかの疑問
（１）『受けるよりは与える方が、さいわいである』と言われた主イエスの言葉だと言っていますが、福音書に似ている意味はありますが、同じ表現はありません。

（２）今日の箇所はパウロの遺言と言っても過言ではありませんが、最後の遺言としてはちょっと物足りないのではありませんか？　遺言であるなら、もうちょっと重たいものが良いのではありませんか？　私たちも「受けるよりは与える方が、さいわいである」という意味を軽く見ています。人を助ける生き方が幸いだと理解して、この本当の意味を軽く考えています。35節の前半に縛られてしまったからです。

（３）この文章の中に目的語がありません。「何を」がないです。何を受けるよりは何を与える方が、さいわいです。今日のメッセージはこの「何を」を捜すことです。


２．（必要な）ものを受けるよりは（要らない）ものを与える方が、さいわいである。
　パウロは教会に迷惑かけないために、彼自身に必要なお金は彼自身が仕事をして解決しました。余っているお金は困っている兄弟のために使いました。お金はパウロにとって要らないものですが、或いはパウロにもお金は要りますが、まだ余裕があるから、必要としている人のために与えました。私にとって要らないものを必要としている人にあげるのが、そんなに幸いなことですか？　私には大事ではないものをあげるのに、何がそんなに神の祝福があるのでしょうか？　ですから、ここで言っている「受ける、与えるもの」はとても大事なものだと思います。パウロが遺言の代わりに言っていることだから、命のように大事なことです。


３．命を受けるよりは命を与える方が、さいわいである。
　パウロは異邦人の教会のために命を諦めました。パウロは異邦人を伝道したので、ユダヤ人に憎まれ、死の危機に直面しました。パウロが伝えたメッセージはいくら異邦人でもイエス様さえ信じれば救われることでした。割礼を受けなくても救われると伝えました。これはユダヤ人から見れば旧約聖書に反する教えです。アブラハムの契約に反する教えです。創世記１７：１４
ユダヤ人にとって神の民となる唯一の道は割礼を受けることなのに、パウロはイエス様を信じ、洗礼さえ受ければ割礼受けなくても神の民となると伝えました。旧約の聖書に明確に書いてある割礼をイエス様の十字架で拒否するのだから、ユダヤ人はパウロを生かしておくことは出来ませんでした。パウロは異邦人にイエス様の永遠の命を与えようとしているから、彼自身の命が危なくなりました。パウロは異邦人の教会であるエペソ教会の信徒たちにイエス様の命を与えるために彼自身の命を諦めています。隣人を生かせるために私の命を与えることはこの世の中で一番さいわいなことではありませんか？


４．福音を受けるよりは与える方が、さいわいである。
　パウロが与えたのは福音です。福音を受けることもさいわいですが、受けた福音を与えることはもっとさいわいなことです。パウロはイエス様から福音をうけて、受けた福音をエペソ教会に伝えました。パウロは惜しみなく福音を伝えました。エペソ教会に福音に関して深く説明するために2年間教えました。しかも、無料奉仕です。平日は働きながら、安息日だけ教えました。なぜなら、お金をもらうとイエス様の福音を商売する人に誤解されるからです。当時は哲学を教えることでお金をもらう宗教商売、哲学商売の人が多くいました。彼はそれが嫌だったので、仕事をしながら福音を伝えました。彼は福音を伝えたので、当たり前のようにもらっても良いお金はもらわないで、逆に福音を効果的に伝えるために仕事をしました。彼のきよい生活を見て、人々は多く救われました。これはさいわいなことではありませんか？

　私達もパウロのようにチャンスがあるたびに知り合いにイエス様の福音を伝えたいです。福音を受けた人の人生が変わります。
　「受けるより与える方が幸いである」
　 パウロが遺言として残せる一番価値あるみ言葉でした。私たちはこのみ言葉を実践することが出来るのでしょうか？　聖書が言っている愛は小さいものではありません。軽いものではありません。軽く言えることではありません。



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