礼拝メッセ−ジ
2019年6月9日

マタイによる福音書　7章1〜5節

　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜ 人をさばく習慣からの解放 ＞


　今日の箇所はさばきに関する教えです。私たちは無意識の中、常に一番近くにいる人をさばきます。


１．さばいてはならない
　さばきと言うと難しい言葉なので、生活で慣れていることばを言いましょうか。批判で良いと思います。
「人をさばくな。自分がさばかれないためである」
「人を批判するな。自分が批判されないためである」
　この世も同じことを言っています。しかし、聖書はこの世の教えとはまったく違います。何が違うのでしょうか？この世の教えは私が子どもを批判すると子どもも私のことを批判するので、互いに批判するのをやめましょうです。しかし、聖書は私が子どもをさばくと神様が私のことをさばかれるので、人をさばくのをやめましょうです。自分がやったことに関して神様に報われます。私たちは神様を信じる人たちだから、人との関係よりは神様との関係が気になります。


（１）人はいつから批判を始めたのか？
　アダムとエバが罪を犯した瞬間から彼らは互いに批判しました。エバは蛇のせいです、アダムはエバのせいです、神のせいですと責任を転嫁しました。

（２）なぜ、批判するのか？
　私は正しくて、相手は間違っていると決めつけているからです。仮に自分も間違いはあるとしても、相手よりは多くないと思っています。相手の間違いを直してあげようとしているからです。自分ばかり正義の座に座っています。批判の中には怒りと蔑視の心があります。

（３）なぜ、批判するのが間違いなのか？
　Dallas Willardさんの本、THE Divine Conspiracyによりますと
（１）相手が間違っていると断定するのはまだ早いからです。
（２）仮に相手が間違っていると断定されても直せるのは父なる神しかいないからです。
（３）間違いを正すことは直すことではなく、回復のことです。
（４）間違いを直していくと私の過ちが現れます。


２．自分の目にある梁、兄弟の目にあるちり
　自分の目にある梁、兄弟の目にあるちり。梁とちりの違いです。大きさが全然違う極端な例えです。イエス様の例えは極端な例えが多いです。極端な例えを通して私たちがどれほど深刻な状態なのかが分かります。

（１）梁とちりは具体的に人の中にある間違いを意味するのであるなら、
　自分の中には梁のような大きな間違いが入っています。それでも気付いていません。兄弟の中にはちりのような小さい問題しか入っていません。それはすぐ気付きます。梁のような大きな間違いがあっても自ら認めることが出来ますか？
３節：「自分の目にある梁を認めないのか」
５節：「偽善者よ、まず自分の目から梁を取りのけるがよい」

　自らは認めたくないので、自分の目から梁を取りのぞくことも不可能です。不可能なのになぜ、自分の目から梁を取りのぞけなさいと命じられたのでしょうか？　その意味で、梁とちりは大きさの問題ではなく、批判と言う同じものであると考えてみましょう。

（２）梁とちりが他人への批判であるなら、
　例えは梁とちりになっているので、大きな差があるようにみえますが、しかし、現実では二人とも大体同じ大きさの間違いを持っています。二人とも梁の間違いがあり、二人とも同じちりの間違いを持っています。同じ間違いでも相手が持っていると梁のように大きく見えるだけで、私の間違いは小さいちりのように見えるだけです。ですから、梁とちりは実は同じものです。梁とちりが同じものである批判だと考えてみましょう。
　梁と言う批判を持っている（小さい間違いを大きく批判する人）
　ちりという批判を持っている（誰でも批判する本能を持っている）

　人間は皆、誰かを批判する習性を持っています。私たちの中には誰かを批判する、誰かをさばく歪んだ自我があります。その罪が互いを大きく傷つけています。特にSNSが発達している今の時代はその被害が大きいです。顔と顔が見えないネット上では顔が見えないから、関係ない人だからと言ってさばいたり、批判したりしています。

　イエス様は「自分の目に誰かをさばく梁があることを認めなさい」と教えています。「まず自分の目から梁を取りのけなさい」と教えています。自ら取りのけるのは不可能ですが、少なくとも、常に誰かを批判する自分を認め、主に祈りますと助けて下さいます。人を批判する習慣が無くなるとまさに天国を体験することになります。

　人をさばく、批判する梁さえ取りのぞけば、人に接するのが非常に楽になります。先入観もなく、偏見もないとリラックスして人に接することが出来ます。私たちはこの自由を一度、味わいたいです。


　 人をさばく姿勢が無くなると人々がわたしの所に助けを求めて集まります。批判する心がないと人々をもっと客観的に見ることが出来ます。ですから、もっと効果的に助けることが出来ます。間違いがない人は一人もいないです。しかし、その間違いをさばきによって直すのではなく、イエス様の愛によって回復に導くのであるなら、それは素晴らしい働きです。



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