礼拝メッセ−ジ
2019年4月14日

マタイによる福音書　20章17〜28節

　　　　　　　　　　　　　　　　　＜ イエス様のような仕える生き方 ＞


　今週は受難週、来週はイスーターです。今までずっと神の国と神の義に関して、見てきましたので、受難週も同じ側面で考えたいと思います。イエス様の弟子たちは3年間、家族、仕事、すべてを捨ててイエス様に従いました。ヤコブとヨハネ兄弟も３年前、すべてを捨ててイエス様に従いました。マタイ４：２１−２２

　イエス様の弟子たちはひたすら、神の国と神の義のために働きました。それでも、彼らの心の中には依然として捨てられない悩みがありまして、どうやって生きていくかの悩みでした。１７−19節にイエス様は十字架で死ぬことをおっしゃいましたが、弟子たちの耳にはまったく聞こえないようです。１７−１９節に書いてあるイエス様の関心事と2０節からの弟子たちの関心事にはあまりにも天と地の差があります。その理由は何でしょうか？


１．神の国が先か、我が子が先か
　ゼベダイの子どもであるヤコブとヨハネの母がイエス様のところに来て何かをお願いしました。（２１節）子どもの成功のために母が出来ることは何でもすると言わんばかりです。親の愛は素晴らしいものですが、しかし、たまには怖い時もあります。子どものためなら何でもしますが、時によっては正しくないことまでします。二人兄弟の母がやっていることは世間ではそこまで間違ったことではありません。しかし、神の義に基づいて考えるとこれは大変な間違いです。なぜなら、愛する我が子ではありますが、実は神の子どもでもあるからです。

　神の子どもだから、神に属しているもの、父なる神のご計画があります。神様が一人一人の子どもたちをこの地に送られたのは深いご計画があり、やらせたい大事な役割があります。それなのに、親の歪んだ愛が神の導きを妨げることになりました。神の子どもなのに、親が勝手に干渉したことになります。


２．神の国先か、競争に勝つのが先か
ヤコブとヨハネ兄弟に１０人の弟子たちは怒っていました。
２４節：「十人の者はこれを聞いて、このふたりの兄弟たちのことで憤慨した」

　この世の価値観では12人が競争して勝ち抜いた人が生き残るのが当たり前ですが、神の国には競争そのものがありません。この地上では競争すると勝つ人と負ける人が出てきます。勝つ人は上に立って支配します。負けた人は下で従います。競争の結果は上下関係を作ります。しかし、神の国は誰でも入れるところ、上に立っている人が逆に仕えるところです。今日の箇所に出てくる、ヤコブとヨハネ兄弟も、彼らの母も、１０人の弟子たちも皆、同じく、生きるために精一杯頑張っています。生きるために精一杯頑張るのは決して間違いではありませんが、神の国は頑張って入るところではありません。神の国はイエス様の十字架のおかげで入るところです。イエス様はその十字架の恵みを与えようとしています。それなのに弟子たちは競争心に燃えています。イエス様にとって、彼らにとっても、とても大変な時間が、とても大事な時間が迫ってきているのに、生きるために、成功のために、競争心で何も見えない彼らです。


３．神の国のために命をささげるイエス様
　生きるために精一杯頑張っている弟子たちに比べるとイエス様は神の国と義のために死なれることに専念しています。父なる神から与えられた十字架の杯を飲もうとしています。仕えられるためではなく、仕えるため、また多くの人のあがないとして、自分の命を与えるために奮闘しています。弟子たちの救いのためにイエス様は死を覚悟しています。生きるため、激しい競争の中、争っている弟子たちのためにもイエス様は十字架を背負われました。私達も弟子たちと同じく、生きることで精一杯になっていますが、イエス様はこの私たちのためにも十字架を背負ってくださいました。私たちの生き方が仕えられるのではなく、仕える人となる事を期待して。


４．神の国のために精一杯頑張りましょう。
　弟子たちはあんなに生きることで精一杯頑張りましたが、何も手に入れたものはありません。しかし、イエス様は十字架の死により、すべてを失ったかのように見えましたが、最後は復活されました。父なる神によってすべてが与えられました。イエス様の復活後、弟子たちも変わりまして、これ以上、ただ生きるための生き方ではなく、神の国と神の義のために精一杯働きました。自分のためではなく、人々の救いのために精一杯頑張りました。

　イエス様に右の座と左の座を求めたヤコブとヨハネはその後、どうなったのでしょうか？　ヤコブは使徒たちの中で、最初の殉教者となりました。（使徒行伝１２：１−３）　弟のヨハネは伝説によりますと殉教したのではなく、長く生きていたようです。二人の兄弟は最初の殉教者と最後の生き残りとなりました。二人のお母さんの願い通り、右と左なのかどうか分かりませが、最初と最後を締めくぐりました。神は二人の兄弟を一番良い道に導いて下さいました。

　 父なる神は私たちもこの地に送られました。父なる神がせっかく私たちをこの地に送られたからには大事な何かがあるからです。ただ生きるために激しく競争するために生まれたのでしょうか？　神の国と神の義のために生きようとする人は隣人に仕えることになります。隣人に仕えるので、皆が喜びます。最後は私達に復活の栄光が与えられます。イエス様の栄光を私たちにも分け与えて下さいます。私たちはこの受難週を通して、生き方を変える必要があります。生き方を変える、これこそ、本当の悔い改めです。



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