2019年3月3日

マタイによる福音書　5章43〜48節

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜ 偉大なこと二つ ＞


　被害を受けた人を被害者と言います。被害者がもしかして、赦せることが出来ればそれは偉大なことです。赦せることが出来れば悔しさから救われ、被害から本当に救われることになります。

　害を与えた人を加害者と言います。加害者が罪を悔い改めることが出来るのであるなら、それは偉大なことです。自分自身が救われることになります。被害者は赦すことが偉大なことであり、加害者は悔い改めることが偉大なことです。二人ともイエス様の愛を知り、天国を受け入れたとき、可能なことです。

　イエス様のところに来ている人々の中には被害者が多いです。権力者に無視され、財産は奪われ、病気になり、悔しい思いをする人が多くいました。彼らは被害意識が強くて、それが悔しくて、復讐したくて、心が地獄でした。しかし、イエス様の御手によって癒され、愛のメッセージを聞いて、イエス様から愛を頂いて、心が変わりした。敵を赦せるようになり、敵のために祈れるようになりました。心が生まれ変わりましたので、彼らの心が天国に変わりました。不思議な変化です。

　イエス様が伝える天国のメッセージを聞いた人々の中には加害者も多くいました。ザアカイがその一人です。彼は税金とりなので、一般市民からお金を奪うかのように搾取しました。けれども、良心の呵責が強くて、心が地獄でした。しかし、イエス様の赦しと愛のメッセージを聞いて罪を悔い改め、生まれ変わりました。イエス様が下さる神の国は被害者も、加害者も、皆が生まれ変わるところです。


１．本能に反して敵を愛する生き方
　隣人を愛し、敵を憎むことは自然に誰でも出来ることです。反対に敵を愛することはとても不自然なことで、本能に反することであり、不可能です。不可能なのに、どうしても敵を愛しなさいと命じられたのでしょうか？　私たちはイエス様を信じているので、神の子どもです。神の子どもであることは神の国が心にあることを意味します。神の子どもでも心に憎んでいる敵がいると心から天国が消えます。敵を愛し、迫害する者のために祈ることは確かに難しくて、やりたくありませんが、しかし、心から天国が消えるよりはましではありませんか？　心から天国が無くなることは全部失うことです。神は私たちの本当の幸せを願っておられます。


２．敵を愛することは努力ではない
　４５節を見ると「敵を愛し、迫害する者のために祈れ。こうして、天にいますあなたがたの父の子となるためである」。文章の意味は神の子どもとなるためには「敵を愛し、迫害する者のために祈りなさい」ですが、その意味で考えると誰一人神の子どもにはなれません。イエス様のところに来た群れの中にも、誰一人「敵を愛し、迫害する者のために祈」ったので、天国に入った人はいません。逆にイエス様が彼らの心の中に神の国を下さいましたので、その愛の故に心が生まれ変わりました。心が生まれ変わりましたので、敵を愛し迫害する者のために祈れる」ようになりました。私たちも同じく、イエス様の愛が分かって、心が天国になると「敵を愛し、迫害する者のために祈る」ことが出来ます。


３．天の父と同じく完全なものとなる
　この世の中で偉大なことが多いですが、その中で一番偉大なことが敵を赦すことです。もう一つの偉大なことが自分の罪を悔い改めることです。赦すことも悔い改めることも神の国が心に望まれた時、可能です。私たちがもしかして赦すことが出来たらイエス様と同じく偉大な人になります。私たちはすでに偉大なことを一つしました。自分の罪を悔い改めたことです。私たちには偉大な仕事である赦しが出来るチャンスがまだ残っています。


結論
　神の願いは私たちが敵を恨み、憎しみの中、生涯を過ごすことではありません。逆にそこから救われ、幸せに暮らすことです。イエス様に愛されている人は最後まで敵を憎むことが難しいです。赦せる心を与えて下さいと祈ることこそ、神の国と神の義をまず求めることです。

　 救いを永遠の命と言います。永遠の命の意味は神のような生き方をする事です。神しか出来ない一番難しい生き方は何でしょうか。それが赦すことです。神の子ともしか出来ないことがあります。それが悔い改めることです。この二つがこの地において偉大な二つのことであり、神のように完全になる事です。



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