2019年2月24日

マタイによる福音書　5章38〜42節

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜ 復讐本能とイエスの愛 ＞


『目には目を、歯には歯を』
　この世において当たり前の正義です。イエス様の時代、パリサイ人や律法学者も同じ生き方でした。この生き方は私たちの一番慣れている本能です。私たちの世界は復讐の悪循環の中に落ちています。どうすれば良いでしょうか？イエス様のところに来た群れの中には復讐したい人々がたくさんいました。けれども、彼らの心に神の国、イエス様が来られました。復讐したい気持ちがある人の心にイエス様の愛が与えられると人が変わります。３９−４２節のように変わりました。

　これを戒めとして受けると守ることは不可能です。一度打たれているのも悔しいのに、もう一度打たれるなんて、あり得ない。一つ奪われたのも悔しいのに、もう一つ奪われるなんて、あり得ない。一マイル行かされたのも悔しいのに、もう一マイル行かされるなんて、あり得ない。今まで貸してあげたのも返してもらってないのに、またあげるなんて、あり得ない。罪が溢れている世界でこのみ言葉は悪利用される可能性が高いです。ですから、私たちが単純に文字通り守ろうとすると事態はおかしくなるだけです。

　39節を文字通りに実行すると私たちは虐待を受けることになります。神の形である神の子どもが虐待を受けることが神の義ですか？　４０節を文字通りに実行すると搾取されることになります。神の形である神の子どもが搾取され、経済的に貧乏になる事が神の義ですか？　４１節を文字通りに実行すると奴隷になります。神の形である自由の神の子どもが奴隷になる事が神の義ですか？　４２節を文字通りに実行する愚かな人になります。神の形である神の子どもが愚かな人になる事を神が望んでいるのでしょうか？

　これらの四つ、虐待、搾取、奴隷、愚かなことは神の国にはないものです。逆にサタンの国にあるものです。人間の罪が作り出したものです。私たちがこれらのことをただ文字通りにだけ実行しようとするとますますエスカレートして、もっとひどくなるだけです。39-42節を文字通りに行うと、なぜひどくなるだけでしょうか？　それは人間の心に罪があって、この世は弱いものを踏みにじるからひどくなるだけです。私の善意を他人は悪利用するから、ひどくなるだけです。

　それでは、イエス様は罪の世界に住んでいる私たちになぜ、守れないことを実行しなさいと命じておられたのでしょうか？　なぜなら、神の国を心に受け入れた人は自然に出来るからです。神の国を心に受け入れた人は自然に出来ます。イエス様の愛があるから、イエス様の愛を自然に実行したくなるので、出来ます。イエス様の愛は私たちの心を変えます。今までの価値観を変えます。この世の価値観と違う人に変わります。ですから、喜んで犠牲を払います。

　私たちが本当に神の子どもであるなら、一人が救われるためなら、一人の命が助かるのであるなら、私たちは３９−４２節のことをやります。やりたくなります。人の役に立ちたい気持ちがあります。神の子どもであるアイデンティティがあると主のために、一人の救いのために惜しみなく犠牲を払います。やりたい時、やりたいことをやれば良いです。

　 悔しくて、やりたくないのであるなら、やらなくても良いです。全然やりたくないのに、無理して文字通りやろうとしても、つまづくだけです。３９−４２節はイエス様を信じて愛に満たされた時、自然に出てくる行動で、実行しようと決心したからと言って出来るものではありません。39-4２節の行いがこの世では愚かに見えますが、神の国を受け入れた私たちには自然に出来ることです。私の行動によって隣の人も問題が解決され、生きることになり、私も同じく幸せになります。



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