礼拝メッセ−ジ
2019年2月3日

マタイによる福音書　5章27〜30節

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜ 堕落した性とイエス様の救い ＞


　旧約聖書の十戒の中で、第七の戒めが「姦淫するな」です。イエス様の時代の人々は第七の戒めを文字通りにさえ守れば良いでしょうという感じでした。しかし、イエス様は彼らが第七の戒めの精神は無視して、形だけ守って、実際は姦淫出来る逃げ道をたくさん作っている罪を指摘されました。今日の箇所も前回と同じですが、目に見える表面的な姦淫ではなく、人間の心の奥底の罪を指摘されました。目によって性的な情欲を楽しんでいる人の罪をイエス様は明らかにされました。性的な罪はそれだけでも深刻ですが、その根源には男女差別があります。今日は性に関することを通して、私たちの心にある罪、そして、その罪があるのにも関わらず、私たちの心に来た神の国に関してみたいです。


１．神が造られた聖なる祝福である性
　神様は最初男性のアダムを造られた。その後、女性エバを造られました。その理由はアダムが寂しがっていたからです。寂しさの故に異性を考えるのは決して罪ではなく、自然なことです。性欲は食欲と同じく、神様が下さった自然なものです。自然なものを否定すると逆におかしくなります。性、そのものは神様が造られた祝福です。

　性と言うのは一番親密さの象徴です。夫婦は性を通してこの世の中で一番親密な関係になります。一番親密な関係の中に幸せと祝福があります。アダムとエバが創造された時、完全裸でしたが、全然恥ずかしくないくらい親密な関係でした。性的な機能は人間の生活において本当に大事な役割を担っています。ここまでは良いです。


２．罪によって堕落した性
　性と言うのは本来、聖なるきよいものでしたが、人間は性を罪と一つにして堕落の象徴にしてしまいました。性の誘惑までは罪ではありませんが、誘惑から具体的な罪を作り出します。28節の正確な意味はこう言えると思います。「情欲を満たす意思を抱いて女性を探し、それを楽しんで見る事」が心の中の姦淫です。女性を性的な情欲を満たすための道具にすることは女性の人格を無視することです。女性と言う神の形によって造られた人格を男性の性的な情欲を満たすための道具に過ぎないと思っている考えの中に女性への軽蔑と無視があります。イエス様が指摘された心の姦淫の根源に女性への軽蔑があります。性と関連する産業は全部女性を道具として、手段として使っています。神の形を単なる道具にする、手段にする価値観の中に深刻な罪があります。

　それにプラスして、性と言うのは食欲と違ってもっと、深刻な問題があります。夫婦関係の中にとどまっている時は祝福であり、幸せですが、その線を越えた瞬間、すぐ、堕落の象徴に変わります。性的なことは他のものと違いまして、一人だけを愛することは美しいことですが、あれこれ愛することは汚いものになります。

　夫婦関係は神との関係と非常に似ています。神だけを愛することは美しいですが、あの神、この神を愛することは霊的な姦淫であり、堕落です。なぜなら、性というものは親密さの代表的なものです。親密さと言うのは二人の魂が互いを自分の中に徐々に深く、受け入れ、一つになることです。二人とも人格があるから強要してもいけないし、受け身になってもいけません。一人しか入れないので、排他的なものであって、決して開放的なものではありません。その役割をするのが夫婦の性です。このような性格を持っているので、配偶者の裏切りは衝撃が大きいです。


３．律法化しやすい心の姦淫の避け道
　28節のイエス様の教えを真面目に守ろうとした人たちがいました。心の姦淫をしないように自分自身に厳しくしました。例えば女性を見るとどうしても情欲を満たそうとするから、最初から誘惑の道を遮断することにしました。これはイエス様の教えを変な形で新しい律法化した結果です。女性を問題の対象にしたり、悪にしたりする人がいます。これらの間違いは神の形によって造られた男性、女性を偏見の目で見ていた結果です。心の奥底に、女性への偏見と差別があるのが問題の根源なのに、女性と触れないように律法化すれば治る問題ではありません。２９−３０節を文字通りに実行しても、罪の根源は消えません。
　「右の目が罪を犯させるから（姦淫の罪の源）それを抜き出して捨てても消えない。」
　「右の手が罪を犯させるから（姦淫の罪を実行する手足）を切って捨てても消えない。」
　私たちの体を全部切り捨てても心にある情欲は消えません。姦淫の罪が出来ないように体を全部切り捨てても、逆に欲しがるだけです。

　姦淫するな、女性を見るなという律法は私たちを救うことが出来ません。しかし、神の国が性に関する私たちの偏見から救ってくださいました。女性は性の手段、道具ではなく、神の形によって造られた尊い神の子どもであること神の国が正しく教えて下さいました。その認識があれば性的な罪はある程度、無くなります。それでも、まだまだ残っています。そのくらい性的な欲求は恐ろしい誘惑です。神様の憐れみを求めるしかありません。性的な罪に負けて人生を駄目にすることがないように助けてくださいと祈るしかありません。今まで築き上げたすべてを一瞬にして壊してしまう破壊力あるものです。それでも、情欲に弱い人は弱いです。仮に情欲に負けて大変な罪を犯してしまったら主にもう一度チャンスを求めるしかありません。神の義に基づいて祈るしかありません。誰でも新しく生まれ変わるチャンスがあるから、神の国と義を信じて祈る道があります。

　 イエス様のところに性的に堕落していた女性たちも来ました。例えば、ルカ７章。イエス様は愛の心で彼らを受け入れて下さいました。彼らの友達になって下さり、清い人にしてくださいました。いくら堕落した人でも、悔い改め、主を信じるのであるなら、神の国を下さいます。



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