2018年12月2日

テサロニケ人への第一の手紙　4章9〜12節

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜兄弟愛に関する勧め ＞


　これからはパウロがテサロニケ教会への三つの勧めです。兄弟愛に関して、先に地に葬られた兄弟に関して、再臨の時期に関する勧めです。最初は兄弟愛に関して勧めました。兄弟は基本的に、協力する時よりは競争する時が多いです。家庭内のトラブルの原因は競争関係だから起きています。実の兄弟も真心から愛することが難しいのに、他人はなおさらのことです。今日の箇所で言っている「兄弟」は血のつながりがない人です。同じ主を信じる信仰による兄弟です。何の利害関係もないのに、自分のことのように心配し、一緒に喜び、一緒に悲しむところは他にありません。パウロがテサロニケ教会に書き送った主にある兄弟愛は具体的に何かを見ましょう。


１．兄弟愛の見本であるイエス様（９節）
　兄弟が互いに愛し合うことは本能的に難しいことです。兄弟は分け前が少しでも差があるとすぐ、悔しさを感じます。出来れば弟よりは多く、兄よりは少しでも多くもらいたいのが本能です。兄弟の間で感じる本能は競争心です。兄弟争いを解決する方法は分け前を正確に分けることではなく、イエス様の犠牲の愛を小さい時から教えることです。直ぐは効果がなくても、み言葉には力があり、子どもたちの競争心を愛に変えます。人類は兄弟が愛し合うことは難しいと初めから分かっていました。だからこそ、親は最初から兄弟愛を強調しました。しかし、効果はありませんでした。なぜなら、兄弟愛を知らないからではなく、最初からやりたくないからです。

　それでは、聖書が兄弟愛を命じている根拠は何でしょうか？　それはイエス様の見本です。自分自身を犠牲にする兄弟愛をイエス様が見せて下さったので、その愛に感謝する人は兄弟を愛しようと努力します。本能はまだ出来ない部分もありますが、イエス様の十字架は強烈なものなので、兄弟を愛しようと努力します。テサロニケ教会は教えられた通り、イエス様の愛を実践していました。


２．兄弟愛を実践したテサロニケ教会（１０節）
　テサロニケ教会の兄弟愛は優れていました。9節を見ると兄弟愛ついては今さら書きおくる必要はないと言うくらい兄弟愛を実行していました。10節を見るとマケドニヤ全土にいるすべての兄弟に対して、それを実行していましたが、そこで満足することなく、ますます励んでほしいと勧めています。10節のパウロの願いはその通りになりました。IIテサロニケ１：３


３．兄弟愛の具体的な行動（１１−１２節）
　１１節は消極的な意味での愛です。
「つとめて落ち着いた生活をしなさい」
「自分の仕事に身をいれなさい」
「手ずから働きなさい」
　自分の仕事をすることがなぜ、兄弟愛につながるのか、すぐは理解できません。兄弟愛と言うと自己犠牲など大きなことを考えましたが、11節に書いてあるのは特別なことではなく、日常やっている自分自身の生活を熱心にやることです。11節は兄弟愛よりは終末論に関する教えのように聞こえます。パウロはここで、兄弟愛も兄弟愛ですが、これから終末に関する教えに入ろうとしていたので、終末と関連した兄弟愛を説明しました。一人前になって、教会に経済的な迷惑をかけないことが消極な意味で兄弟愛です。落ち着いた生活をしなさいは扇動する者になってはいけないことです。パウロが離れた後、テサロニケ教会に間違った終末論を教える人が入り込んだようです。彼らが扇動していた内容はそろそろ世の終わりだから、日常生活は意味がないということでした。間違った終末論に扇動されると一人は教会全体メンバーに悪影響を及ぼします。間違った終末論は落ち着いて働きながら、日常の幸せを楽しんでいる教会員を惑わすことになります。兄弟愛のためにはまず、私の健全な、誠実な生活習慣がベースになります。終末が近づいても日常生活は大事です。終末だからと言って、日常生活から離れ、仕事もしない、真面目に仕事している隣の兄弟を扇動するのはサタンの惑わしです。その意味で、パウロは終末に関しても、兄弟愛に関しても自ら率先しました。4章13節から本格的に主の再臨に関して教えていますが、彼自身は終末を教えながら、日常の仕事に励んでいました。彼の日常の仕事は天幕を作る仕事です。パウロ自身が「自分の仕事に身をいれ、手ずから働き」ました。今日、私に与えられている仕事をやることが終末の準備であり、具体的な兄弟愛です。

　自分の仕事をすることが兄弟愛につながります。自分の仕事をする人は自分の生活ができることです。自分の生活が出来るので、教会に負担をかけなくても良い人です。テサロニケ教会には本当に助けを必要とする人がいました。一人暮らしの人です。教会は本来、その人を助けなければならない義務があります。

　それなのに、若い人が自分の仕事もしないで、教会に助けを求めると本当に助けが必要な人を助けられなくなります。若い人は自分で働いて、自分の生活が出来ると教会はその代わりにもっと大変な人を助けることが出来ます。

　 私たちはまだ、敵を愛することは出来なくても、隣人を自分自身のように愛することは出来なくても、このような積極な愛は出来なくても、自分で働いて、自分の生活する消極な意味での兄弟愛は出来ます。


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