2018年10月14日

テサロニケ人への手紙　2章1〜12節

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜ 地域に良き模範となった教会 ＞


　テサロニケ教会とパウロの関係は何でしょうか？　テサロニケ２章にはパウロとテサロニケ教会の関係が書いてあります。彼らは言わば牧師と信徒の関係です。彼らの交わりは三週間という短い時間でしたが、主にあって誰よりも深い関係になりました。


１．心身ともに傷だらけだったパウロとテサロニケの出会い（１−２）
　パウロはテサロニケに来る前に心身共に疲れていました。（2節）　ピリピで受けた影響で、心が折れそうでしたが、それでも神の助けにより何とか頑張ってテサロニケで福音を伝えることが出来ました。テサロニケでもピリピに似ている迫害がありましたが、それをパウロは「激しい苦闘」と表現しています。


２．パウロの自己弁護（３−６節）
　パウロは「神に勇気を与えられて、激しい苦闘のうち、神の福音を」熱心に伝えたので、テサロニケ教会に堂々と何でも言えるはずですが、3節から色々、自己弁護しています。（３−６節、９節）

　パウロがこのように自己弁護している理由は何でしょうか？　その理由はパウロに関する悪い噂があったからです。「パウロはイエス様の使徒でもないくせに、使徒のふりをしながら、経済的な利益のために働いている」という噂でした。教会の中からの噂だけでなく、当時、ギリシャ・ローマ世界において、多くの宗教詐欺師、哲学詐欺師がいました。救いを求める一般市民に偽りの教えや偽りの信仰を広め、お金をだまし取っていました。パウロがピリピで苦労した理由も女占い師から悪霊を追い出したのがきっかけです。占い師は3節に書いて表現通り、お金儲けのためにお客様が聞きたいことを預言します。「迷いや汚れた心から、だましごと」を言います。人々は未来のことを心配して霊的な何かを求めていました。需要があるところに様々な宗教の形をした商売がありました。

　テサロニケ教会でパウロ宣教団も最初、宗教商売人のように見えたかも知れません。福音がお金儲けのように見えてはいけないので、パウロは平日仕事をして、土曜日と日曜日は福音を伝えました。（９節）

　パウロはお金のために福音を伝えているという噂はテサロニケ教会にはまだ、なかったのですが、パウロが手紙を書いていたコリント教会でそのような噂があったので、事前に誤解を招かないためテサロニケ教会にも送りました。

　パウロからすれば悔しいことです。心身共に、傷だらけで、心が折れそうになるまで、ただ神の御国のために、救われる魂のためにひたすら頑張っているだけなのに。何とか、神から勇気が与えられ、激しい苦闘のうちに神の福音を伝えたのに。帰ってくるのはお金のためにやっているという噂でした。これは他の何よりもパウロを傷つけることでした。それでも、パウロは立ち直りました。自分は今まで、神の教会の迫害したものだ。ここまで用いられていることだけでも感謝だと気持ちを入れ替えました。


３．パウロの親心（７−１１節）
　パウロはお金のためではなく、教会を心から愛していました。まるで、子どもを愛する親のように愛しました。福音によって彼らを生みましたので、親と言えば親です。霊的な親です。パウロとテサロニケ教会は親子関係です。親子関係は一番、親密な関係です。パウロとテサロニケ教会の親子関係を次のように言い表しています。

7： 母がその子供を育てるようにやさしく。　育てる：卵を抱いて温めるイメージ
8： 自分のいのちまでもあなたがたに与えたいと願ったほど。
9： あなたがたのだれにも負担をかけまいと思って、日夜はたらきながら
10： あなたがた信者の前で、信心深く正しく責められるところがないように生活をした


結論
　パウロとテサロニケ教会はわずか三週間の交わりしか出来ませんでしたが、誰よりも親しい親子関係のように親密になりました。パウロは親として良き模範を示しましたし、テサロニケ教会はそれを学んで、神に従いました。



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