2018年9月30日

テサロニケ人への手紙　1章1〜6節

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜ テサロニケ教会と開拓者パウロ ＞


　パウロと宣教団はテサロニケに行って三週間伝道しましたが、ユダヤ人からの迫害があり、急に離れました。詳しい内容は使徒行伝１７章１−９節に書いてあります。生まれたばかりの教会が心配だったので、すぐ、テモテを送り出し、その後、テモテからテサロニケ教会の現状と知らせを聞いて、この手紙を書きました。


１．手紙の差出人（１節）
　この手紙を3人の名前で送りました。
1節：「パウロとシルワノとテモテ」
　テサロニケ教会を開拓した三人です。彼らは皆、紆余曲折の過去がありますが、異邦人伝道のために神が用意された器です。彼らには過去の傷がありましたが、神はその傷でさえ、用いてくださいましたので、彼らは素晴らしい働き人になりました。


２．手紙の受信者（１節）
　テサロニケにはユダヤ人が集まる会堂がありました。ユダヤ人の会堂をギリシャ語で「シナゴーグ」と言います。パウロはまず、会堂にいるユダヤ人と信心深いギリシヤ人にイエス様を伝えました。そこで、救われる人がその教会の基礎となりました。パウロが開拓した教会は大体、家庭から始まりました。ギリシャ語では「エクレシア」と呼びます。ユダヤ人はシナゴーグ（公式会堂）に集まり、キリスト者はエクレシア（非公式家庭）に集まることになりました。ユダヤ人のシナゴーグがキリスト者のエクレシアを迫害することになりました。ユダヤ人のシナゴーグとキリスト者のエクレシアはローマ人から見れば大体似ているものです。しかし、その中身は全然違います。キリスト者は「父なる神と主イエス・キリスト」を信じています。天地万物を造られた神を「父」と呼びます。私たちは神の養子になりました。イエス様を「主」、「キリスト、メシア」と呼んでいます。しかし、ユダヤ人は創造主を「父」と呼ばないし、イエス様を「主」と絶対呼びません。


３．テサロニケ教会への慰めのことば（２−３節）
　パウロがテサロニケ教会にとどまったのは3週間だけです。パウロは離れたくありませんでしたが、教会のために仕方ない事でした。しかし、生まれたばかりの教会員は、事情は分かっていても寂しいことは寂しいです。ですから、教会のために祈る時、「テサロニケ教会を覚えている、いつも神に感謝している、彼らの信仰の働き、愛の労苦、主イエス・キリストに対する望みの忍耐を絶えず思い起している」と慰めました。人数も少ないから毎日、彼らの顔を覚え、彼らのために祈りました。


４．テサロニケ信徒が神に選ばれた証拠（４−６節）
　テサロニケ教会は神に愛されている教会です。その理由はテサロニケ教会員が神に選ばれているからです。テサロニケ教会員が神に選ばれている証拠は何でしょうか？

(１)力と聖霊と強い確信（５節）
　パウロが伝えた福音は言葉だけではなく、力と聖霊と強い確信によって伝わりました。テサロニケ教会員がパウロの演説に感動してイエス様を信じたわけではありません。聖霊の力とみわざが人々の心を開き、聖霊が一人一人に確信を下さったからです。

(２) キリストと使徒たちに習う（6節）
　テサロニケ教会員がパウロとキリストに習う人となったことが選ばれた証拠です。テサロニケ教会員はパウロから習いました。パウロは他の１１人の使徒から習いました。11人の使徒たちはイエス様から習いました。テサロニケ教会はイエス様とパウロから何を具体的に習ったのでしょうか? 自分の有益ではなく、他人の有益を考えることです。

(３) 試練に耐え、喜んでいる（6節）
　パウロがテサロニケ教会員が神に選ばれた証拠は彼らが福音宣教のために受ける試練をとても喜んでいたことでした。福音のために試練を受ける、その試練を当たり前のように喜ぶことは救われている明確な証拠です。救われていない人は試練があるとイエス様から離れます。主のために受ける試練はイエス様の弟子としての正当な分け前です。


　 イエス様は自分の十字架を背負ってついて来なさいと教えられました。試練がクリスチャンには付き物であるなら、避けるよりは喜んで、自ら自分の十字架を背負いますと逆に良いことがたくさんあります。



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