2018年9月2日

コリント人への第一の手紙　11章23〜29節

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜ コリント教会の聖餐 ＞


　聖餐にあずかることで二つの関係が回復することを期待します。一つはイエス様の赦しによる神との回復です。

　神と私の関係です。罪が赦された確信がないと聖餐に参加しづらいです。二つはイエス様の赦しを頂いた人たちとの回復です。私ととなりの兄弟、姉妹との関係です。互いに赦し合っていないと聖餐に参加しづらいです。

　さて、今日の箇所に出てくるコリント教会は神との回復も出来ていなければ、兄弟同士の回復も出来ていません。その理由はなぜでしょうか？　コリント教会の背景を見るとコリント教会に二種類の人がいます。自由人と僕です。僕と言っても主人の家に出勤出来る僕です。聖餐よりは夕食会の意味が強いです。自分の家からたくさんのパンとぶどう酒、果物を持ってきて、それを一緒に分けて食べ、飲みます。愛餐会のようなものです。

　自由人は時間的に余裕がありますが、僕は早めに集まることが出来ません。皆が集まる時間がバラバラなので、早めに集まった人はお腹が空いたので、我慢できず、早めに食べ、飲んでしまいました。ぶどう酒を飲みすぎて酔っぱらいました。しかし、僕クリスチャンは仕事を終えて、来るとすでに食べ物、飲み物がありません。躓きます。人は食べ物で躓きます。食べ物で躓くくらい人の心は弱いものです。食べ物で躓くくらい食べ物は重要な問題です。貧しいクリスチャン兄弟は社会でも、悔しい思いをしていたのに、主の聖餐の時まで、差別と恥ずかしさを感じました。主の十字架の愛を吟味するせっかくの聖餐なのに、恥ずかしさを感じる、感じさせることであるなら、なぜ、聖餐を行うのか？　せっかく集まって兄弟を躓かせるなら、集まらない方が良いのではないか？

　パウロがコリント教会を叱っている理由です。パウロはコリント教会にもう一度主の聖餐を教えました。二つに分かれている人々を一つに結び合わせる方法は聖餐の意味をもう一度確認し、共に聖餐にあずかることです。


１．聖餐の起源
　聖餐の始まりはイエス様からです。イエス様が命じられた聖餐をパウロがコリント教会に伝えました。イエス様が十字架にかかる前夜、弟子たちに分け与えたパンとぶどう酒を今も記念して行い続けています。キリスト教を正式に象徴する形が聖餐です。


２．聖餐の意味
　パンをとり、感謝してこれをさき、そして言われた、「これはあなたがたのための、わたしのからだである。わたしを記念するため、このように行いなさい」。
　食事ののち、杯をも同じようにして言われた、「この杯は、わたしの血による新しい契約である。飲むたびに、わたしの記念として、このように行いなさい」。

　パンはイエス様の体、ぶどう酒はイエス様の血を象徴します。聖餐のパンとぶどう酒はイエス様の体と血による新しい契約です。契約なので、信じる人は契約通り、罪が赦されます。記念なので、初代教会は集まるたびに聖餐式を行いました。カトリックは今も毎週行いますが、プロテスタントは年何回行います。カトリック教会は見る福音（聖餐）を強調していますが、プロテスタント教会は聞く福音（十字架のメッセージ）を強調します。


３．聖餐による伝道
　聖餐を通して究極には主の死を人々に伝えることです。あなたがたは、このパンを食し、この杯を飲むごとに、それによって、主がこられる時に至るまで、主の死を告げ知らせるのである。（26節）

　イエス様は私の罪のために、あなたの罪のために死なれました。ですから、私たちも隣の兄弟姉妹を赦すことが出来ます。聖餐を生活の中で実践するのが福音を伝えることになります。私たちは今まで聖餐と言えば自分の罪が赦されることばかり考えていました。しかし、主は聖餐と共に互いに赦し合う行動を求めました。聖餐と共に赦し合いがあるところに家族や友達の救いがあります。


４．聖餐に参加する姿勢
　 パンとぶどう酒には罪をきよめる成分はありません。イエス様の死を象徴するものに過ぎず、イエス様の約束を信じ、食べ、飲むとき、約束通り、罪が赦されます。パンとぶどう酒の中には罪の成分もありません。自分の欲望の象徴がパンとぶどう酒です。それを食べると自分の欲望を食べ、飲むことになります。私たちは聖餐に与かる前に二つのことを吟味したいです。一つは神との関係において罪を悔い改めてないことはないか？　二つ目は兄弟姉妹との関係において躓かせていること、躓いたことはないか？　赦してないことはないか？、赦されてないことはないか？



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