2018年7月29日

エレミヤ書　1章1〜10節

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜ 若い預言者エレミヤ ＞


　エレミヤは祭司の息子で、彼自身も祭司です。彼はヨシヤ王の13年からゼデキヤ王11年まで、その後もしばらく預言した預言者です。ゼデキヤは南ユダヤ王国の最後の王です。ユダヤはバビロンによって滅びました。その間、５名の王が変わりました。


１．若い時、神に出会う
　エレミヤが神に出会ったのは2節を見ると「ユダの王ヨシヤ治世の十三年」です。しかし、神はエレミヤのことを以前から知っておられました。5節を見ると「あなたをまだ母の胎につくらないさきに、あなたを知り、あなたがまだ生れないさきに、あなたを聖別し、あなたを立てて万国の預言者とした」
母の胎内に妊娠もされてない時から、神は知っておられ、祭司として聖別され、生まれる前から預言者として立てられました。

　これはエレミヤだけではなく、私たちにも言えることです。日本でイエス様を信じる確率が０．５％にもならないのに、私たちがイエス様を信じたことは不思議の中の不思議です。私たちがイエス様を知って、信じたのは奇跡の中の奇跡です。私たち一人一人が、お母さんの胎内に妊娠される前からすでに、神は私たちの存在を知っておられました。私たちは神に選ばれた者です。選民意識はとても重要なアイデンティティーです。神に選ばれ、愛されている、神が助けて下さることを確信している人は恐れがありません。選民意識は他人を差別する傲慢さえなければとても有益なものです。


２．重すぎる使命
　エレミヤは心の準備が全然出来ていません。いくら神はエレミヤが生まれる前から万国の預言者として立てられたとしても、本人は受け入れる準備が出来ていません。6節

　エレミヤに与えられた使命は想像を絶することでとても重いものでした。そして、とても預言したくない心痛い内容でした。なぜなら、エレミヤに与えられている預言の主な内容はユダヤが滅びることでした。自分の国の滅亡を預言しなければなりません。生きる道はただ一つだけ、異邦人のバビロンに降伏することだけでした。まず、エレミヤ自身がやりたくない預言です。いくら堕落していても彼自身が生まれ育った国です。エレミヤももちろん、同族を愛しています。彼の預言が神からの本物であることが証明されるためには国が滅びなければなりませんが、それは悲劇です。ですから、彼は人生そのものがジレンマに落ちていました。唇は国の滅亡を預言していますが、心は国を愛しています。彼はどうにもならない気持ちで、たくさんの涙を流しました。彼は「涙の預言者」です。

　もう一つは国の滅亡を預言すると全国民を敵に回すことになります。ですから、指導者から殺されるかも知れない危機がたくさんありました。

　神学的にも理解できません。エルサレムには神の神殿があります。神の神殿は神が民の中に共におられる象徴です。神が共におられるのに、それなのに、国が滅びるのか？　契約の箱が神殿の中にあります。神の約束にみことばがあるのに、それでも滅びるのか？　エルサレムが亡びると神の約束はどうなるのか？　神の民、イスラエルが滅びることは様々なナンセンスの問題を引き起こします。彼の預言は本当に正しいのか、実現されるまでほとんどの人は信じませんでした。


３．神の励ましと約束
　エレミヤは何の心の準備もできていません。まだ、若くて、誰も彼の預言に耳を貸してくれません。ですから、神に「自分は出来ません」と拒否するのは当たり前かもしれません。しかし、彼は主に従いました。

　神が選ばれる預言者はモーセのように８０歳の人もいれば、エレミヤのように２０歳の若者もいます。８０歳のモーセはこの年では出来ませんと言いました。２０歳のエレミヤもこの若さでは出来ませんと言います。８０歳もできなければ、２０歳も出来ない、それでは神のお働きは誰が、いつ出来ますか？　何歳だったら出来ますか？　人間の力では何歳になっても出来ません。反対に、神の助けがあれば歳は関係ありません。神の約束をもらった人は誰でも出来ます。
　7節前半：「あなたはただ若者にすぎないと言ってはならない」
　8節：「彼らを恐れてはならない、わたしがあなたと共にいて、あなたを救うからである」
神はエレミヤを励ましてくださいました。

　 神の励ましと約束があれば、歳と現状は関係ありません。主から頂いた使命を果たそうとする心さえあれば用いられます。主は若い中高生を神の働き人として召しておられますが、皆様は答えますか？　主は私たちの子どもを神の働き人として呼んでおられますが、私たちはそれに答えますか？　私たちには主のために生きたいという志があるか、どうか常に問われます。



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