2018年6月3日

サムエル記上　16章6〜13節

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜ 心を見られる神 ＞


　1節には当時の背景となることが書いてあります。
「さて主はサムエルに言われた、「わたしがすでにサウルを捨てて、イスラエルの王位から退けたのに、あなたはいつまで彼のために悲しむのか。角に油を満たし、それをもって行きなさい。あなたをベツレヘムびとエッサイのもとにつかわします。わたしはその子たちのうちにひとりの王を捜し得たからである」。

　サウロは王様として失格になりましたので、神様は彼を捨てました。それでは、イスラエルの王様になる条件は何でしょうか？　サウロが最初、王になるとき、イスラエル民が求めていた王様の条件はこうでした。
サムエル上８：２０　「われわれも他の国々のようになり、王がわれわれをさばき、われわれを率いて、われわれの戦いにたたかうのである」。

　イスラエル民は彼らを代表して戦争で戦ってくれる王様を求めました。戦場で、先頭に立って、勇敢に戦ってくれる、頼もしい王様、つまり、体も大きくて、身長も高くて、勇気ある王様を求めていました。その意味でサウロはぴったりでした。
サムエル上１０：２３　「・・彼は民の中に立ったが、肩から上は、民のどの人よりも高かった。」
イスラエル民はサウロの身長を見て、満足しました。


　ところで、イスラエル民が人間の王様を求めたのは不信仰の結果です。今まで敵からイスラエルを守られたのは神様でした。しかし、民は目に見えない神よりは身長が高い、頼もしい目に見える王を求めました。サウロは民の目には頼もしい王に見えました。人間の基準にぴったりのように見えました。

　しかし、結果論ですが、戦争で巨人ゴリアテと戦ったのはサウロではなく、ダビデでした。ダビデがゴリアテと戦うとき、言ったように戦いは人間によるものではありません。神の御手の中にあるものです。
サムエル上１７：４７　「・・この戦いは主の戦いであって・・」。

　神は人間の条件をご覧になるのではなく、私たちの心をご覧になります。ダビデを新しい王として任命されるとき、それを明確に教えてくださいました。人間の観点から見るとダビデは新しい王様としての条件を一つも満たしていません。
ベツレヘム出身（１節）：本当に小さい村
次男、三男でもなく、末子。（１１節）
羊飼いであり、軍人ではない（１１節）
彼は血色のよい、目のきれいな、姿の美しい人（12節）

　ダビデは今の時代だったらハンサムで、人気者ですが、当時は弱々しい印象でした。当時の男らしい値のある人のイメージは断然、ゴリアテのように身長も高く、声も大きく、敵に恐れを感じさせる人でした。その意味で、ダビデは最初から失格のように見えました。神の預言者であるサムエルでさえ、間違っていました。サムエルも人間なので、人間の価値観で人を見ていました。

　サムエルは神の命令に従ってベツレヘムのエッサイのところに行きました。エッサイの子どもの中に新しい王様になる人がいると神から聞いたので、７人を見ました。6節に長男のエリアブを見て、「この人こそ、主が油をそそがれる人だ」と思いました。なぜなら、サウロに代わるくらいの人のように見えたからです。サムエルの頭にはどうしても、王様の基準はサウロでした。サムエルの目にはてっきり新しい王は長男だと思ったでしょう。


　しかし、神様の返事はNOでした。7節の終わりを見ると「・・人は外の顔かたちを見、主は心を見る」。神は私たちの心を見ておられます。私たちの心がどのくらい神を愛し、どのくらい神だけを頼りにするのかをご覧になります。ダビデは神だけを頼りにしました。サウロが失格になったのは神より、イスラエル民の方を恐れていたからです。サウロはイスラエル民から人気を失うのを恐れていました。神は二の次、三の次でした。その反面、ダビデは詩篇などを見ると主なる神をとても愛しました。歴代志を見るとダビデは神殿建築のために数え切れないほどの金・銀・鉄を捧げました。神を全財産よりも愛していたからです。

　神を愛することは私の心に神だけがおられることを意味します。私の心に二つが入っているとそれは、愛ではありません。愛は一人だけです。神も恐れ、民も恐れるサウロの心は愛の心ではありません。神も恐れ、民も恐れたサウロに恐れの霊が入り、彼はおかしくしました。ダビデが主なる神だけを愛していたので、神もダビデを愛し、彼の心におられました。


　 私たちの心は毎日、変化しますが、主はそれを毎瞬間、ご覧になります。主だけを愛するのかどうか試されるときもあります。現在、私の心は主だけに注がれていますか？



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