2018年4月15日

ヨハネによる福音書　15章5〜15節

　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜ 救いの完成のためのペンテコステ ＞


　三位一体の神が私たちの救いのためにそれぞれ違うお働きをなさいます。父なる神は救いの計画者です。御子イエス・キリストは救いの実行者です。聖霊様は救いの完成者です。イエス様による救いの実行と聖霊様による救いの完成の違いは何でしょうか？　救いの実行と完成の間が私たちの信仰の生涯です。その間に、住んでいるとき、悲しみと喜びを同時に経験する不思議な時間です。救いが実行されたので、天国も味わいますが、同時にまだ、完成ではないので、痛みと悲しみも味わいます。この経験は二度とない、不思議な時間です。


１．弟子たちから離れるイエス様
５節：「今わたしは、わたしをつかわされたかたのところに行こうとしている。」
６節：「わたしがこれらのことを言ったために、あなたがたの心は憂いで満たされている」
７節：「わたしが去って行くことは、あなたがたの益になるのだ。」

　弟子たちはイエス様からこれらのことばを聞くと非常に不安になりました。これらの言葉がなくても、すでに不安になっている弟子たちにイエス様は離れることを三回も続けられました。今まで、イエス様だけを信じて、家族や仕事を全部捨て、従ってきたのに、自分たちのところからイエス様がいなくなるとどうなりますか？　これから誰についていけば良いでしょうか？　イエス様は復活されてから、天に昇らないで、そのまま、地上に残って、弟子たちと共に人々を救いに導けば良いのに、なぜ、愛する弟子たちから離れ、昇天されるのでしょうか？　どうせ、天国で助け主として弟子たちのために働くのであるなら、この地上で同じことをなされば良いのではないでしょうか？


２．救いのプロセスである昇天と聖霊降臨
　私たちの救いの完成のために、昇天はまだ、完成ではなく、プロセスの一つです。聖霊様がこの地に来られるためにはまず、イエス様の十字架と復活、そして、昇天のお働きが終わる必要があります。イエス様が天に昇らないと私たちのところに別の助け主である聖霊様は来られません。イエス様は昇天されてから聖霊様を私たちのところにつかわして下さいました（７節）。救いのプロセスにおいて御子イエスの主な役割から、聖霊の主な役割に代わりました。弟子たちにとってはイエス様がいなくなることなので、しばらく寂しいことですが、しかし、イエス様がおっしゃる通り、聖霊様が来られるのが弟子たちにとって有益です。


３．十字架と復活を伝える聖霊様
　救いのプロセスにおいて、主な役割がイエス様から、聖霊様に代わりました。しかし、変わったとしても聖霊様の単独の働きを展開するのではなく、結局イエス様の働きを続けることです。聖霊様はこの地に来られ、ご自身の働きを展開するのではなく、主イエス様の十字架と復活を世界中、告げ知らせるのが主なお働きです。聖霊様は「自分から語る」ことをなさいません。自分から語ることをしない意味は聖霊ご自身のことを語らないという意味です。弟子たちに聖霊様がご自身の新しい啓示を教えるのではありません（１５節）。聖霊様はイエス様の教えを繰り返すだけです。聖霊による新たな啓示はありません。ある人々は聖霊の賜物を強調します。聖霊の賜物を強調するのは言うまでもなく、良いことです。しかし、強調しすぎて、イエス様の十字架の赦しの範疇を越えてはいけません。私たちに常に必要なのは新たな啓示を聞く、霊的な体験ではなく、イエス様の十字架と復活を深く知ることです。ヨハネ福音書を見ると聖霊様のお働きによってイエス様に栄光が現れます（14節）。聖霊の栄光ではなく、イエス様の栄光です。イエス様の栄光が現れるという意味はイエス様の十字架の赦しが現れることです。私たちに赦せる心が与えられたら、それはまさに、聖霊の働きであり、聖霊の賜物であり、それによってイエス様の栄光が現れます。

　イエス様の教えは赦しと愛です。赦しと愛は同じものです。イエス様は赦しと愛を十字架によって見せてくださいました。いかなる奇跡よりも、イエス様の愛と赦しが現れるのであるなら、最高の奇跡です。愛は最高の奇跡であり、最高の賜物です。赦しが現れるところに神の栄光が現れ、イエス様の栄光が現れます。聖霊様は十字架、つまり赦しを通してイエス様の栄光を現れます。


　 聖霊様はイエス様の救いのみわざを完成させるために今も十字架の愛と復活を伝えるお働きを続けておられます。私たちも聖霊の助けによって十字架と復活の福音を体験して、そして十字架の赦しを伝える働きを続けましょう。



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