2017年12月24日

マタイによる福音書　2章1〜12節

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜ 二人の違う情熱 ＞


　メーリ・クリスマス。今日の箇所には熱情に満ちた人々のお話が書いてあります。イエス様のお誕生と関連して、マタイの福音書に登場するのは東からの博士たちとヘロデ王です。彼らには熱情がありました。しかし、博士たちとヘロデの情熱は種類が違いました。今日は彼らの違う熱情を詳しく見たいと思います。


１．東からの博士たち
（１）博士たちの目標と情熱の理由
　彼らは星を研究する博士です。新しい星が現れると彼らは興味津々になり、元気になって生き生きとします。彼らは仕事に燃えていました。博士たちの目の前に今まで見たことのない輝きの星が現れました。彼らは新しい目標が出来て、元気になりました。彼らの新しい目標はその星の正体を確認することでした。２節：「ユダヤ人の王としてお生れになったかた」を探すことでした。東の方で見たその星の正体を見つけ、拝むのが彼らの新しい目標でした。

（２）博士たちが目標達成のために耐えたもの
　彼らは新しい目標が出来ましたが、それを達成するためには覚悟が要りました。遠い西へ行かなければならないし、険しい地域を通らなければなりません。知らぬところ、危険を伴う旅をしなければなりません。旅のために多くのお金を使いました。新しいことを一つするためには今までの一つを諦めなければなりません。しかし、やりたいことがあると疲れることも気にしません。多くのお金を使うことにも躊躇しません。時間を費やしても気にしません。身の危険もあまり考慮しません。彼らは家から離れ、長旅をする不便も耐えました。

（３）目標達成の喜び
　彼らはいよいよ探し求めていたお方を見つけることが出来ました。今まで耐えた不便は二倍の喜びになって帰ってきます。10節：「彼らはその星を見て、非常な喜びにあふれた」

（４）正しい熱情
　情熱も大事ですが、もっと大事なことは正しい情熱なのかどうかです。博士たちの熱情は人々に喜びを与える良きものでした。彼らの情熱が正しいものであったことは聖霊様の導きによって確認できます。12節

　情熱は何でも良いわけではありません。正しい情熱なのか、正しくない情熱なのかは大事です。正しい情熱は人々に喜びを与え、人々を幸せにしますが、間違った情熱は人々に悲しみを与え、人々の幸せを壊すからです。博士たちに比べるとヘロデ王の情熱は正反対の物でした。


２．ヘロデの熱情
（１）ヘロデの目標、情熱の理由
　王座を守ることが彼の唯一の目標でした。2節を見ると「ユダヤ人の王としてお生れになったかたは、どこにおられますか」という博士たちの言葉に非常に敏感に反応しました。彼の唯一の目標は国民を幸せにすることではなく、何とかしてローマ皇帝から見捨てられないことでした。彼は気がおかしくなるくらい、王座に執着していました。ヘロデ王が持っているのは情熱ではなく、執着です。王位を守ることだけ執着したので、健全な目標はなくなりました。

（２）目標のため、いかなる悪事も犯す
　その理由で、多くの人を平気で殺しました。妻、息子まで殺しました。4節を見るとイエス様が生まれた居場所が分かったら、イエス様を殺すつもりでした。8節では平気で嘘をつきました。王座を守るためであるなら、悪いことは何でもやる人でした。

（３）目標を失敗したときの怒り
　彼の企みが失敗で終わったことを悟るとまるで狂人のようになり、罪なき赤ちゃんをたくさん殺しました。16節

（４）間違った熱情
　熱情というものは何でもいいわけではありません。多くの人々に幸せと祝福をもたらすものでなければなりません。

　人類を罪から救われるためにお生まれになってイエス様の情熱ほど素晴らしいものはありません。罪人を救われるためなら、私たちとまったく同じ人間になられることさえ躊躇しない情熱でした。ピリピ２：６−７
　クリスマスは私が幸せになる日ではなく、隣の人を幸せにする日です。プレゼントをもらって自分が幸せになる日ではなく、プレゼントをあげて他人を幸せにする日です。


　皆様の今までの目標は何でしたか。これからの目標は何でしょうか？　私たちの現在、持っている情熱は本当に情熱でしょうか、執着でしょうか？　私たちの現在の情熱で周辺の人々は喜びますか、傷つきますか？　私たちの目標を聖霊様が導いていますか？　私たちが無理やりに進めていますか？　目標が達成できなくても、主の御手に委ねますか？　怒りが爆発しますか？



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