2017年12月10日

ヨハネによる福音書　13章34節

　　　　　　　　　　　　　　　＜ 愛したように愛し、赦されたように赦しなさい ＞


　愛することと赦すことは一見、別々のように見えます。イエス様は「互いに愛し合いなさい」と言われましたが、「互いに赦し合いなさい」とは言われていません。しかし、実は愛することと赦すことは同じことです。なぜ、愛することと赦すことが同じでしょうか？


１．イエス様に愛されたように愛しなさい
　ヨハネ１３章は最後の晩餐です。イエス様が次の日に十字架を背負われますが、その前に弟子たちと最後の晩餐をしながら、新たな戒めを残しました。それが34節の「わたしがあなたがたを愛したように、あなたがたも互に愛し合いなさい」です。イエス様は１３章全体の中で、弟子たちに愛を教えて下さり、見せて下さいました。

（１）イエス様は愛したのに弟子は裏切る
1節：「イエスは・・世にいる自分の者たちを愛して、彼らを最後まで愛し通された」
2節：「悪魔はすでにシモンの子イスカリオテのユダの心にイエスを裏切ろうとする思いを入れていたが」

（２）イエス様は仕えたのに、弟子は偉くなろうとする
4-5節：「夕食の席から立ち上がって上着を脱ぎ、手ぬぐいをとって腰に巻き、それから水をたらいに入れて、弟子たちの足を洗い、腰に巻いた手ぬぐいでふき始められた。」
ルカ22:24：「それから、自分たちの中でだれがいちばん偉いだろうかと言って、争論が彼らの間に、起った。」

（３）イエス様は弟子のために祈っているのに弟子はイエス様を否認する
ルカ22:32：「わたしはあなたの信仰がなくならないようにあなたのために祈った。」
38節：「鶏が鳴く前に、あなたはわたしを三度知らないと言うであろう」。

　イエス様が互いに愛し合いなさいと言われましたが、その相手は私たちが愛する人ではありません。到底、愛することが出来ない人のことです。私を裏切る人、私の競争者、私を捨てて逃げる人、私を呪う人のことです。そのような人を愛することが出来るのでしょうか？　人間はこれらの人を愛することが出来ません。しかし、イエス様に愛されている喜びがあれば彼らも愛することが出来ます。ですからイエス様も「愛されたように愛しなさい」と言っておられます。私たちは現在、イエス様に愛されていますか？


２．イエス様に赦されたように赦しなさい
　イエス様は十二人の弟子たちを最後まで愛されました。愛することを具体的に見せて下さいました。裏切る弟子たち、権力の欲望で心がおかしくなっている弟子たち、逃げる弟子たちを赦して下さいました。彼らを受け入れて下さいました。

　イスカリオテユダは最後の晩餐の前からすでにサタンに支配されていましたが、イエス様は彼を晩餐の席に招きました。彼の足を洗い、イエス様を売ることの警告を伝えました。彼に何回も悔い改められるチャンスを与えました。それでも彼は罪に走りました。

　イエス様は他の弟子たちにももう一度働けるチャンスを与えて下さいました。弟子たちはイエス様に赦されました。ですから、イエス様も弟子たちに赦しなさいと言っておられます。主の祈りを通して毎週私たちに教えています。
「われらに罪を犯すものを我らが赦す如く、我らの罪をも赦したまえ」

　互いに愛し合うことはとても難しいです。なぜなら、その時の互いは私たちの親しい兄弟、姉妹だけではありません。私たちが一番憎んでいる人も入っています。到底、愛することが出来ない人が入っています。互いに愛し合いなさいの戒めの中には互いに赦し合いなさいが含まれています。赦すことは死ぬことよりも難しいです。なぜなら、赦すことはあまりにも長い時間がかかるからです。その長い間、あまりにも苦しいから、その苦しみが死ぬことよりもつらいからです。しかし、十字架による新しい命はこの赦しから生まれます。

　赦しがないと新しい命は生まれません。イエス様が私たちに見せて下さいました奇跡は十字架からの復活です。神しか出来ない力強い御業です。しかし、それに匹敵するくらいのもう一つの奇跡があります。
ルカ２３：３４：「父よ、彼らをおゆるしください。彼らは何をしているのか、わからずにいるのです」。

　 私たちの人生はヨハネ１３：３４の前半で止まっています。「わたしがあなたを愛した」。ここで終わっています。イエス様の愛を分かったら、その後、何をしなければなりませんか？　「ように」をしなければなりません。「ように」が大事です。私があなたがたを愛したことと同じく、あなたがたもしなければならない。イエス様の愛は具体的に何ですか。敵を赦す愛です。「彼らの罪を許して下さい」



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