2017年11月19日

エゼキエル書　18章25〜32節

　　　　　　　　　　　　　　　　＜ 親からの二つのもの：遺産・遺伝 ＞


　私たちは親から二つのものをもらいました。一つは遺産です。もう一つは遺伝です。遺産は文字通りに親が残した財産をもらうことです。親からプラス財産はもらいたいですが、借金はもらいたくないです。

　遺伝は文字通りに親から遺伝子をもらうことです。健康な遺伝子は感謝ですが、病気になる遺伝子は嫌です。遺伝子は遺産と違いまして、「受け継ぐか、受け継がないか」を自分で決められるものではありません。

　私たちは親からもらった遺産と遺伝によって暮らしています。そして、この地から離れる時、子孫に残します。遺産と遺伝は区別しやすいものもあれば、区別しにくいものもあります。例えば、奴隷は遺産ですか、遺伝ですか？　罪は遺産でしょうか。遺伝でしょうか？　信仰は遺産でしょうか？　遺伝でしょうか？

　今日の箇所に戻りましょう。エゼキエル書は国が滅びた時から始まります。国が滅びたことは一番、最悪の負の遺産です。当時の人々は国が滅びた責任は全部、先祖の罪による結果だと考えました。先祖が犯した罪の責任を子孫が受けていると思いました。ですから、昔から伝わってきた諺が流行りました。エゼキエル１８：２『父たちが酢っぱいぶどうを食べたので子供たちの歯がうく』

お父さんが犯した罪なのに、子どもが代価を受ける意味です。彼らがこのことわざを信じ込んだ理由は出エジプト20：5です。
「それにひれ伏してはならない。それに仕えてはならない。あなたの神、主であるわたしはねたむ神であるから、わたしを憎むものは、父の罪を子に報いて、三四代に及ぼし」

　神がこのように定められてしまったので、運命から離れることは出来ないと絶望しました。その理由で、エゼキエル時代の人々は先祖を恨みました。彼らは同時に神も恨んだと思います。このように他人を恨んでいたので、自分たちの罪を悟ることができませんでした。

　しかし、神様は今日の箇所を通して他人の罪のせいで死ぬことは決してないと宣言されました。人が罰せられる理由は本人の罪のせいです。本人が信仰によって正しく生きるのであるなら、死ぬことはないと宣言されました。それを説明するために三世代の違う例えを取り上げました。


１．正義を行った一世代（5−9節）
9節：「わたしの定めに歩み、わたしのおきてを忠実に守るならば、彼は正しい人である。彼は必ず生きることができると、主なる神は言われる。」


２．親を見ていたのに、罪ばかり犯した二世代（10−13）
　10節：しかし彼が子を生み、その子が荒い者で、人の血を流し、これらの義務の一つをも行わず
　13節：利息や高利をとって貸すならば、その子は生きるであろうか。彼は生きることはできな。彼はこれらの憎むべき事をしたので、必ず死に、その血は彼自身に帰する。


３．親の罪から離れ、義を行う三世代（14−18）
14節：「しかし彼が子を生みその子が父の行ったすべての罪を見て、恐れ、そのようなことを行わず」
17節：「その手をひいて悪を行わず、利息や高利をとらず、わたしのおきてを行い、わたしの定めに歩むならば、彼はその父の悪のために死なず、必ず生きる」

　子ども達は普通、親から学びます。親を真似します。信仰も親から学びます。親の信仰生活を真似します。良き信仰も、悪い信仰も親を真似したものです。

　普通は親と同じ信仰、同じ性格になるケースが多いです。しかし、反対になるケースもたくさんあります。必ず、親のようになるのではありません。

　良き信仰者になることも、悪い信仰者になることも、いつも親と同じくなるのではありません。信仰は遺伝のようにも見えるし、遺産のようにも見えますが、必ずそうなるのではありません。なぜなら、全部、本人次第だからです。あくまでも本人の責任です。

　本人の責任を神様のせいにしてはいけません。なぜなら、神様の最終目的は遺伝、遺産による裁きではなく、救いだからです。親から本当に罪の遺産や罪の遺伝をもらったとしても、神様は私たちをその束縛から救い出すお方です。エゼキエル１８章が強調しているのは先祖のせいにしている民を何とかして救われることです。3節、23節、32節を参照

　それでも、人々はなぜ、悪いことが起こる度に、根拠もなく、これは親のせいだ、神のせいだと考えるのでしょうか？　その理由は耐えられないからです。誰かのせいにしないと耐えられないからです。誰かのせいにすると少しは気持ちが楽になります。しかし、気持ちは楽になっても、問題解決には何の助けにもなりません。大事なのは変えられないように見える遺伝でも、遺産でも変えることです。霊的な流れを変えること、親の世代からの間違っている運命の流れを変えることです。エゼキエル時代の滅亡の流れはダニエルが変えました。変えられる方法は神様のみ言葉を信じることです。32節

　出20：5のみことばも32節に基づいて解釈しなければなりません。偶像崇拝をすると事実、先祖の罪が3−4代に渡って、罰の形で現れます。しかし、必ず現れるのではありません。18章のみことばに基づいて考えてみると3−4世代の子孫の生き方次第です。どのように生きるかによって現れることもあるし、現れないこともあります。

　親の信仰が悪かった、性格が悪かった、体質が悪かったと親のせいにするのをやめて、これから流れを変えましょう。親から悪いものをもらったとしても、これから祈って、神様から約束のみ言葉を一つ頂ければ流れは変わります。私の人生を変えられるみことばをくださいと祈れば神様がくださいます。 そのみことばが私たちの人生を正しく変えます。



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