2017年4月30日

ヨハネの第一の手紙　4章7〜11節

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜ 壊れている自我の回復 ＞


　自我は「自分」ともいえます。英語では「パーソナリティ」です。個人の認識では「自分は何者なのか」、「生きる存在価値」だと思っています。先週、木曜日と金曜日に里親認定前研修を家内と一緒に受けました。里子の自我は深刻なダメージを受けています。彼らの将来はどうなるのでしょうか？　自我に問題があるのは里子だけではありません。実は私たち皆が同じ問題を抱えています。深刻さの違い、個人の違いがあるだけです。すべての人が実は壊れたままの「自我」を持っています。その証拠として、私たちは人から認められることで、幸せと満足を感じます。認められないと不安になります。

　ですから、大人は仕事が一人前になることで周辺の人から認められようとします。学生は成績が優秀であることで友達から認められようとします。しかし、人から認められようとする本能が逆に私たちを不幸にすることが多いです。例えば、仕事が上手で、人から認められると傲慢になります。傲慢になると仕事できない人を無視します。反対に仕事が下手で、周辺から認められないと生きる理由が無くなって極端な選択をしてしまいます。


　私たちはなぜ、こうなってしまったのでしょうか？　神様がアダムをご覧になって、「はなはだ良かった」と感動されたのに、私たちの自我は罪によって壊れてしまいました。壊れてしまった「自我」は修理できるレベルではありません。新しく造り変えなければならないくらい壊れてしまいました。新しく造り変えなければならないのに、私たちは何とかして修理しようとします。私たちの壊れた自我は少し修理することではなく、新しく生まれなければなりません。

　創世記２：１７　「しかし、善悪を知る木からは取って食べてはならない。それを取って食べると、きっと死ぬであろう」

　私たちの自我は罪によってすでに死んでしまいました。ですから、新しく生まれなければなりません。新しく生まれる意味は主イエス・キリストの十字架の血潮により、新しく生まれることです。新しく生まれ変わって神の子どもとなる時、自分の本当の存在価値が分かります。神様に愛されていることが分かると人々からも愛されていることが分かります。聖書のみことばによって、自我を正常に回復しないといつまでも、自分は不幸な人生だと思い込みます。私の人生は不幸だと思い込んでいると隣の家族も辛いです。自我が正常ではないといつも被害意識があります。


　私たちの壊れてしまった自我を回復する方法が今日の箇所に書いてあります。それは神の愛です。愛は神から来ます。しかし、怒りと憎しみはサタンから来ます。自我が壊れている人には怒りと憎しみがあります。憎しみはすべてを破壊します。他人を壊し、自分自身も壊します。しかし、神の愛は壊れた自我を回復することが出来ます。神の愛は怒りと憎しみよりも強いものです。神の愛が私たちの壊れた自我を回復します。神の愛はイエス様の十字架を通してきました。その十字架は信仰によって受け入れることが出来ます。十字架の信仰があれば、自我は回復します。

　壊れた自我を回復するため、神の愛を素直に受け入れられる信仰が必要です。壊れた自我を回復するためには愛と信仰が同時に必要です。壊れた自我がなかなか回復されない方の特徴は信仰が弱いです。信仰の良い人はイエス様の十字架による神の愛を素直に受け入れます。そして、壊れている自我も早いうちに回復します。その反面、壊れた自我をなかなか回復しない人の特徴はなかなかイエス様の十字架を自分の物として受け入れません。


　 壊れた自我を回復するのに時間がかかる方やイエス様の十字架の愛を素直に受け入れるのに時間がかかる方はどうすればいいでしょうか？　その答えはとなりの方の助けが必要です。先にイエス様の愛を知って、先に自我を回復した人が助けなければなりません。その弱さを一緒に担い合わなければなりません。一緒に担うので、一緒に辛いです。しかし、それが互いに愛し合うことです。互いに愛し合うことは難しいことですが、意味ある素晴らしいことなので、私たちは互いに愛し続けましょう。



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