2017年4月16日

マタイによる福音書　28章1〜15節

　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜ 相反する復活の証人たち ＞


　イエス様の復活を最初に目撃した二つのグループがあります。一つのグループはイエス様を信じていた三人の女性たちです。もう一つのグループはイエス様のお墓を守っていた兵士たちです。今日は彼らの証言を聞いて、イエス様の復活は本当か嘘か各自で判断して下さい。


１．恐れ
　二つのグループの人々は同じく恐れを感じました。
（１）女性たちの恐れ
　今日の箇所には「恐れ」という単語が多いです。女性たちは天使をみて、イエス様をみて恐れました。女性たちの恐れは悪い意味での恐れではありません。霊的な存在に接したとき、誰もが自然に感じる心と体の震えです。

（２）兵士たちの恐れ
　イエス様の復活の瞬間を誰よりも早く、誰よりも近くで目撃したのは他ではなく、イエス様のお墓を守っていた兵士たちです。兵士たちはまず大きな地震の揺れを感じ、天使の姿をみて、恐ろしさの余り、震えあがって、死人のようになりました。女性たちの恐れは喜びによるもの、感動による恐れです。しかし、兵士たちの恐れはまさに恐怖です。


２．喜び
　彼らは喜びも同じでした。
（１）女性たちの喜び
　女性たちは天使をみて、イエス様を見て、恐ろしくはなりましたが、しかし、それはあくまでも大きな喜びによるものです。

（２）兵士たちの喜び
　兵士たちは怖くて、その場を去り、恐れながら、祭司長に一部始終を報告しました。彼は見張りをちゃんとしなかったことで叱られると思って、命が危ないと思って恐れていました。それなのに、祭司長が意外とこのように言いました。

　「１４万一このことが総督の耳にはいっても、われわれが総督に説いて、あなたがたに迷惑が掛からないようにしよう」。兵士たちは安心しました。もう一つ、祭司長たちからたくさんのお金をもらいました。命が助かったことだけでも喜びなのに、おまけにたくさんのお金をもらったので、もっと喜びました。


３．従順
　彼らは従うのも同じです。
（１）女性たちの従順
　彼女たちは天使たちに言われたとおりに、イエス様に言われたとおりに従い、弟子たちにイエス様の復活とイエス様の指示を伝えました。

（２）兵士たちの従順
　祭司長たちからたくさんのお金をもらった代わりに、指示された通り嘘をつきました。


４．福音（真実）と噂（偽り）の広がり
　イエス様の復活をめぐって、女性たちの証言と兵士たちの偽りの噂は同時に広がりました。どちらを信じるのかは人々の自由です。この二つの証言を聞いて、どちらの話が本当のように見えますか？　当時は男女差別の時代なので、証言の内容は別として女性の証言よりは男性の証言を信頼する時代でした。当時の女性は証言者になることすらできませんでした。こうして、三人の女性の証言と兵士たちの偽りの噂は同時に広がりました。

　女性たちの証言が弟子たちへ、弟子たちの証言が世界へ、福音はこうして広がりました。女性から聞いた証言をイエス様の弟子たちが聞きました。その後、弟子たちもイエス様に出会いました。イエス様に出会った弟子たちはこれ以上、三人の女性から聞いた間接的な証言ではなく、彼ら自身の証言を人々に伝えました。弟子たちから証言を聞いた人々も同じく、その後、イエス様に出会い、彼ら自身の証言を次の人に伝えました。ですから、彼らは誰から聞いた証言を言葉だけ、繰り返すものではなく、彼ら自身の証言をしました。なぜなら、彼ら自身が直接、復活されたイエス様に出会ったからです。復活の証言は他人からの引用ではなく、自分たちの証言でした。 ですから、確信があります。イエス様の弟子たちの証言が私たちにも伝わりました。

　それに比べると兵士たちは祭司たちから言われたとおりに偽りの知らせを地域に広げました。しかし、彼らの証言は彼らの証言で終わりました。兵士たちの嘘に騙された人はいつも兵士たちの証言に基づいて、イエス様の復活を否定しましたが、説得力が弱いです。なぜなら、彼ら自身の経験に基づいている証言ではないからです。自分自身が体験した証言ではないと人々を説得することはできません。イエス様の復活に関して相反する証言が同じ勢いでエルサレムに広がりました。当時の人々は女性の証言を信じる人と兵士の証言を信じる人に分かれました。イエス様がよみがえられたことは私たち自身が証明しなければなりなせん。どうやって証明できますか？ 主が私たちに生活の中で、現れて下さり、確信を与えて下さいまして、福音通りに生活する時、主が私たちを通してイエス様の復活を証明して下さいます。



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