2017年2月26日

列王記上　18章30〜40節

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜ 天からのしるし ＞


　ユダヤ人がイエス様に天からのしるしを求めたことがあります。マタイ１６：１「パリサイ人とサドカイ人とが近寄ってきて、イエスを試み、天からのしるしを見せてもらいたいと言った。」奇跡の中にも色々の種類がありますが、その中で彼らはなぜ、イエス様に天からのしるしを求めたのでしょうか？　彼らがイエス様に求めた天からのしるしは神さまからのしるしですが、まるで今日の箇所にあることを求めているようです。

　さて、神さまは北イスラエル民にそろそろ雨を下さろうとしています。その前に北イスラエルの信仰を回復させようとしています。ヤウェの神が本当の神か、バアルの神が本当の神か、明らかにしなければなりません。そのことで、エリヤは一つの提案をしました。エリヤ一人とバアル預言者全員が集まって、どちらの神が本物なのかを明らかにする対決です。本物だけ残って、偽りのものは終わりです。


１．エリヤとバアル預言者の対決
　対決の場所はカルメル山で、内容は天から「火をもって答える神を神と」することです。詳しくは二頭の牛を準備し、一頭の牛をバアル預言者が切り裂いて、たきぎの上に載せ、火をつけずに彼らの神の名を呼びます。もう一頭の牛はエリヤが整え、それをたきぎの上に載せ、火をつけずに主の名を呼びます。火をもって答える神が本当の神です。民も「それがよかろう」と賛成してくれました。


２．バアル預言者の先攻
　バアル預言者の人数が多いので、彼らから始めました。彼らは与えられた牛を取って整え、朝から昼までバアルの名を呼んで「バアルよ、答えてください」と叫びましたが、何の声もなく、また答える者もなかったので、彼らは自分たちの造った祭壇のまわりに踊りました。

　けれども、偽りの神であるバアルからは何の返事もなかったので、もっと大きな声で呼びます。それでも、返事がなかったので、もっとおかしい行動を続けました。

　8節「彼らのならわしに従って、刀とやりで身を傷つけ、血をその身に流す」
何をやっても本当の神ではないので、何の返事もありません。


３．エリヤの後攻
（１）礼拝の回復
　30節を見るとエリヤはまず、イスラエル民を神の祭壇のところに集め、主の祭壇を繕いました。イスラエル民が神から離れていたので、彼らの信仰がもう一度回復するためには礼拝をもう一度回復しなければなりません。

（２）信仰の原点である神の約束
　その後、エリヤは31節でイスラエルの信仰の原点を言及しました。「イスラエル」という名は人間がつけたのではなく、神さまが昔、彼らの先祖であるヤコブにつけて下さったものです。その名を下さったのはバアルではなく、エリヤの神です。イスラエル民と神さまは「わが神、我が民」の関係です。この関係に基づいて、神さまはこれから彼らに奇跡を見せて下さいます。これから起こる奇跡はこの約束に基づいています。奇跡そのものが大事ではなく、神さまとイスラエル民の関係が大事です。神の約束がなければ、奇跡は何の意味もありません。神さまとイスラエルの関係が離れているのであるなら、奇跡は何の効果もありません。契約関係に基づいて38節の奇跡を下さいました。

「そのとき主の火が下って燔祭と、たきぎと、石と、ちりとを焼きつくし、またみぞの水をなめつくした。」
　神さまはこの奇跡を通してアブラハムとの契約、イサクとの契約、ヤコブとの契約がまだ有効であることをもう一度確認してくださいました。いまだに「わが神、わが民」の関係は続いたわけです。


　神さまの約束を信じない人、神さまとの人格関係を続けていない人はいかなる奇跡を見せても変わりません。イエス様の時代にも同じでした。彼らは天からのしるしを求めましたが、しかし、イエス様は天からの奇跡を見せるのを拒みました。いかなる奇跡があっても最初から受け入れる気持ちがないので、奇跡があればあるほど、反対されます。

　 イエス様は天からの奇跡を見せて下さる代わり、十字架の奇跡を見せて下さいました。十字架の愛を受け入れない人はいかなる奇跡も受け入れません。それでは、神様と私たちは現在、正しい関係を結んでいるのでしょうか？




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