2017年1月15日

ローマ人への手紙　1章17節

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜ 神の義と人間の義 ＞


　宗教改革500周年の年が始まりました。ですから、私たちの教会もそれに合わせて年間聖句をローマ１章１７節にしました。私たちの信仰がもう一度改革する年となることを期待しています。これからしばらく、ローマ１章１７節の一文字一文字をじっくり吟味しましょう。

　今日は「義」の意味を説明させていただきたいです。人間は神さまによって造られ、神さまの形を持っているので、神さまと同じく正義を求めています。人類は今まで、正義を求め続けました。しかし、人間が求めている正義は聖書から見れば自分勝手なものです。人間の自分勝手な正義は時代、地域、状況、生まれ育った成長過程によって違います。それに比べて神の義は何でしょうか？


１．関係性を強調する神の義
　私たちが言っている正義は倫理に近いです。しかし、ヘブル語の「義」という概念は関係性を強調します。結ばれた関係を保つのが正義で、関係を壊すのは不義です。

放蕩息子の例え
私たちは罪を犯し、神さまとの関係を壊し、離れましたので、それが不義です。しかし、神さまが私たちの罪を赦し、子どもとしてもう一度、受け入れて下さいました。そして、関係を回復して下さいました。これが神の義です。

　関係というものは一回限りのものではなく、継続することに意味があります。関係というものには危機もあります。神さまと私たちとの関係も同じです。従う時もあれば、従わない時もあります。私たちは救われてはいますが、天国はまだ、保留状態なので、この地上で誘惑を受ける時期を過ごしています。イエス様は私たちに目を覚ましていなさいと戒められました。一回義人となったことが終わりではなく、義人であり続けるため、主との毎日の交わりが必要です。


２．契約による神の義
　神さまと私たちの関係は契約に基づいています。互いに契約を守る限り、それは互いの義になります。しかし、一方が契約を破ると破った側が不義となります。破られた側はこれ以上、契約を守る義務がありません。ですから、二人の関係は切れてしまいます。これが人間の義です。

　神さまと私たちも契約によって関係が結ばれました。代表的なものがシナイ山契約です。
「私はあなたの神、あなたは私の民」 　

　その関係をずっと保つのが義です。しかし、イスラエル民は偶像崇拝をしたのでその契約を破りました。ですから、イスラエル民は不義です。民が不義となり、神さまは契約から解除されたので、契約を守らなくても良いです。そうすると、神さまと人間の関係は切れてしまいます。しかし、神さまは愛のお方なので、人間の罪が赦され、もう一度関係が回復できるようにイエス様をこの地に送り、新しい契約を与えて下さいました。これが神の義です。神さまが関係を切らないで、契約を守り続けて下さることによって人間は救われます。
ローマ５：８「まだ罪人であった時、わたしたちのためにキリストが死んで下さった」


　人間は愛がないので、正義を守り続けることは不可能です。相手が不義になると関係を切ります。二人の関係は回復することはありません。けれども、イエス様を信じ、愛を実行する人は神さまの正義を実行します。 そして、壊れた関係を回復できるよう努力します。自己中心の義を主張する時代を住んでいますが、私たちクリスチャンはどうすれば神の義を実行することが出来るのでしょうか？



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