2016年12月25日

マタイによる福音書　1章21節

　　　　　　　　　　　　　　　　　＜ 一般人イエスと救い主イエス ＞


　この世には私たちと同じ名前を持っている人は何人もいます。しかし、彼らと私たちには明確な違いがあります。

　イエス様と同時代の人々の中に「イエス」という名前を持っている人は何人くらいいたと思いますか。当時、「イエス」という名前は決して珍しい名前ではありませんでした。


１．同じ名前、唯一の人
　マタイ1章には人の名前がたくさんあります。彼らの価値は何でしょうか？

（１）同時代、同じ名前の人がたくさんいる
　彼らが暮らした時代に同じ名前の人がたくさんいました。ですから彼らは特別な人ではありません。目立つ人でもありません。

（２）特別なことのない普通の生活
　彼らは同時代の人と比べて特別なことをしたわけではありません。彼らにも同じ悩み（家庭問題、子育て問題、将来の心配）がありました。同じ試練（飢饉、侵略）がありました。他の人と同じ過ちや失敗もありました。

　しかし、彼らの価値は言葉では語れません。なぜなら、名前が残っているのは彼らだけです。同時代に同じ名前の人があれほどたくさんいたのに、名を残している人は彼らだけです。マタイの福音書１章は旧約聖書の縮小版です。

　旧約のおよそ1300ページをわずか、１ページでまとめました。彼らは神さまの救いの歴史において大事な一人です。イエス様はこの地に人間の体で来られました。そのため、ダビデ家から生まれました。しかし、決して立派な家柄ではありません。世界中、どこにもある、ごく普通の家から生まれました。マタイ1章には倫理的に問題ある人もいれば、不信仰の人もいます。それでも神さまは彼らを通して救い主を送って下さいました。普通の家から救い主が生まれました。


２．一般人イエスと救い主イエス
（１）一般人イエス
　「イエス」という名前は当時、珍しいものではありませんでした。 ローマに支配されている時代だったという背景もありますから、生まれる子どもにイエスと名付ける親が多かったと思います。イエスという名前の人が多いから当時の人々は区別するためにイエス様を呼ぶとき「ガリラヤのイエス」と言って出身地をつけました。ピラトは「キリストというイエス」と呼びました。当時、新しく生まれる子どもにイエスと名付けた親の願いはローマからの独立でした。救いは救いですが、国が自由になるのが親たちの想像していた救いでした。子どもたちがイエスという名前を持って、親の期待に応えたのかは分かりません。単なる親の願いで終わったかも知れません。子どもに特別な使命があるわけでもありません。子どもに救いの責任があるわけでもありません。名前はイエスですが、彼らは一般人でした。一般人イエスはいくらでもいましたが、彼らは人を救い出すことは出来ませんでした。

（２）救い主イエス
　当時の人々にはこのイエスも、あのイエスも全部同じイエスです。しかし、ガリラヤ出身のヨセフの子イエス様は唯一のお方です。人々は彼のことを知りませんでした。家族でさえ、知りませんでした。ヨハネ7：３−５
人々は彼のことを受け入れませんでした。ヨハネ1：９−１１

　ですから、イエス様を無視しました。ガリラヤ出身だと無視、マリヤの子だと無視、大工の息子だと無視しました。一般人として扱われました。しかし、ガリラヤ出身のイエスは、私たちを罪から救われるために来られた神の子です。イエス様は唯一の救い主です。使徒行伝４：１２


　 この日本で皆様と同じ名前の人がたくさんいるのに、神さまはその中から皆様一人だけを選んで救って下さいました。皆様と同じ名前の人は皆、一般人です。しかし、私たちは主イエス・キリストによって救われた唯一の一人です。また、私たちはこれから、主のために用いられる唯一の一人にならなければなりません。



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