2016年12月4日

マタイによる福音書　2章1〜12節

　　　　　　　　　　　　　　　　　＜ 東からきた博士たちの証言 ＞


　今日の箇所には東からきた博士たちのお話が書いてあります。彼らは東からユダヤに行きました。行くか、行かないかをまず決めるために迷う時間もあったと思います。今まで研究してきたあの星に関して明確な確信がないとあんなに遠い国まで旅することは出来ません。勇気が必要でした。想像できない苦労と危険が待っています。

　行くとしたら覚悟しなければなりません。彼らは行くことを決めてから、色々のことを準備しました。日程はどのくらいかかるのか？　しもべは何人連れていくのか、ラクダは何匹が良いのか？　お金はどのくらい必要なのか？　手土産は何にするのか？等々。

　聖書には書いてないたくさんの準備をしてから彼らは出発しました。そして、ようやく、エルサレムに着きました。それが１節のことです。彼らがエルサレムに着くまで色々のことがありましたが、それは全部省略されています。東からの博士たちがどれほど苦労してエルサレムに来たのか、想像出来ます。


１．博士は何をしに東から来たのか？
　博士たちは星が導くままについていきました。最後の目的地は知らないまま出発しました。目的地が決まってないので、スケジュールも決まっていません。計画もありません。これらのことは大事ではありません。彼らの唯一の関心事は星が導くままに、星に含まれている誰かの誕生でした。彼らは、最後にその星の主人公であるイエス様に出会いました。彼らは結局目的を達成しました。

　私たちの生涯は基本的には旅人です。目的地は一応、天国が決まっていますが、いつ終わるのか、日程は決まっていません。どの道を通るのか、旅路も決まっていません。どこで生涯を終えるのか、終わりも決まっていません。私たちはこれらのことに関して何も怖くありません。いつ終わっても良いです。どの道を通っても良いです。どこで終わっても良いです。私たちはすでに目的地、天国が決まっています。もうしばらく旅を続けますが、天国でイエス様に出会います。


２．博士は東から来て、何をしたのか？
　彼らはただ星の正体を研究するため、たどり着いたところが、エルサレムでしたが、結果としてメシアの誕生を全イスラエルに伝える使命を全うしたことになりました。彼らは純粋に真理を求める生活をしましたが、神さまが彼らを用いて下さいました。救い主イエス様を紹介する人になりました。神さまは最初から彼らを証人として準備されたわけです。神さまは彼らを導きました。彼らが住んでいる国から、最初から導きました。神さまは直接、ベツレヘムに導いても良いのに、あえてエルサレムを通ってからベツレヘムに導きました。彼らがエルサレムを通ることは重要な意味がありました。彼らがエルサレムを通ることで意図したことではありませんが、結果としてメシアの誕生の知らせることになりました。

　しかし、このお知らせは同時に大変な悲劇の始まりでもありました。新たしいイスラエルの王が生まれたという彼らの証言が、ベツレヘムの2歳以下の赤ちゃんが皆死ぬことにつながりました。しかし、このことでさえ、旧約の預言が成就されるためでした。殺された赤ちゃんの運命はまるで、生まれたばかりのメシアの運命を物語っているかのように見えます。新しくお生まれになったイスラエルの王は民の罪のために代わりに死ななければなりません。


３．イエス様の誕生の証人となった異邦人博士
　イエス様の誕生の証人は意外と少ないです。その少ない中、異邦人がイエス様の誕生を全世界に紹介する人となったことは驚きです。異邦人博士がなぜ、イエス様の誕生に登場し、彼らがイエス様の誕生の証人のなったのでしょうか？　その理由はこれからの救いはユダヤ人だけでなく、世界のすべての人に広がることを知らせるためでした。イエス様はユダヤ人だけの救い主ではなく、全民族の救い主です。イエス様は私たち一人一人を差別することなく、愛して下さるお方です。



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