2016年11月06日

ダニエル書　3章13〜18節

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜ そうでなくてもの信仰 ＞


　今日のみことばにはまるで神のように権力を振るって、偶像崇拝を強要している古代君主とそれに命をかけて抵抗している三人の信仰者が出てきます。


１．ネブカデネザル王は誰なのか？
　今日のみことばに出てくる王様の名前は「ネブカデネザル」です。彼は歴代志下３６章を見ると南王国ユダを滅ぼした人です。彼の名前はダニエル１章にも出てきますが、彼の命令により、ダニエルと三人の友達をバビロンに連れて行きました。彼は周辺の国を次々と征服しました。怖いものがない権力者です。彼の一言で一人を生かすこともできるし、殺すこともできるし、まるで神のような権力を持っていました。その彼がある日突然、金の偶像を造って国の官僚を集め、無理やりに拝めさせようとしました。


２．王が造った金の像とその理由
（１）金の像の大きさ：高さは六十キュビト、その幅は六キュビト 。
（２）立っている場所：バビロン州のドラ平野に立てました。中央の高官から地方公務員まで全部集めて偶像崇拝をさせました。
（３）時期：金の像の落成式
（４）目的：宗教の力を借りて国の官僚を一つに団結させるため。


３．王が立てた金の像に拝まない三人のユダヤ人
　ダニエルには三人の友達がいました。彼らの名前は「シャデラク、メシャク、アベデネゴ」です。（１：１３節）

　この三人は優秀な貴族出身だったので、バビロン王国の官僚になりました。彼らも他の官僚と同じく脅かされました。（6節）

　この命令に従わないと今日が彼らの最後です。しかし、彼らは死んでも良いと思って最後まで信仰を守ろうとしました。彼らにとって信仰は命よりも大事なものだったわけです。彼らから私たちは二つのことを学びたいです。

（１）命をかけなければならない時があります。
　私たちの弱点は神さまより、隣の人を気にしてしまうことです。神さまはあまり怖くないようです。「神は愛なり」に慣れてしまいました。三人のユダヤ人は神さまの怖さを生々しく経験しました。彼らは国が神さまのさばきによって滅びるとき、すべてを失い、すべてを奪われた経験がありました。国、家族、故郷、礼拝する場所、名前、青春、未来まで失いました。残っているのは神さまを信じている信仰と命だけです。私たちは二つの中で一つだけ選びなさいと迫れる（せまれる）時がたくさんあります。私たちは信仰を守るために命をかけなければならない時があります。この世が私たちにイエス様か、この世か、二つの中で一つだけ選びなさいと脅かします。その脅かしに皆様はどちらを選びますか。私たちは信仰を守るために犠牲を覚悟しなければならない時があります。

（２）信仰は「そうではなくても」の覚悟が要ります。
　三人のユダヤ人は彼らが信じている神さまが必ず助けて下さると信じました。(１７節)
　もちろん、助けて下さらなくても彼らは神さまを捨てることはしません。(１８節)

　 彼らには先に「そうではなくても」という覚悟があったからこそ、神さまが助けて下さるという信仰がありました。例えば、彼らの心に「そうではなくても」という覚悟がなかったら、怖くて、ネブカドネザル王の前で神さまが助けて下さると信仰を告白することは出来ません。信仰というのは「神さまが必ず助けて下さることを信じる」ことです。しかし、それに先立って「神さまが助けて下さらなくても従う」覚悟が必要です。私たちに「そうではなくても」という信仰が必要です。



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