2016年10月2日

ヨハネによる福音書　11章17〜27節

　　　　　　　　　　　　　　　　　＜ よみがえりの主、命の主 ＞


　今日の箇所を見るとナザロ家族に悲しい出来事がありました。兄であるナザロが死んだので、妹たちのマルタとマリアはとても悲しんでいました。ナザロ、マルタ、マリアの三人はとても信仰の良い人々なのに、それでも死の悲しみが訪れました。この三人は特にイエス様に愛された家族です。イエス様とこの三人の関係を2−3節はこのように言っています。
２　このマリヤは主に香油をぬり、自分の髪の毛で、主の足をふいた女であって、
３　「主よ、ただ今、あなたが愛しておられる者が病気をしています」と言わせた。

　イエス様が大切に思っていた家族にも死の悲しみが訪れました。信仰がこんなに良いのに、それでも兄のナザロが死んだので、マルタがイエス様につぶやきました。21節マルタはイエスに言った、「主よ、もしあなたがここにいて下さったなら、わたしの兄弟は死ななかったでしょう。」


１．マルタの望み：死なない
　マルタの考えはこうです。イエス様が一緒におられたら兄は死ななかった。イエス様が一緒におられなかったので兄は死んだ。マルタの妹であるマリアも同じ考えを持っていました。
32節「主よ、もしあなたがここにいて下さったなら、わたしの兄弟は死ななかったでしょう」。

　マルタ、マリアだけではなくて、私たちも同じく考える人が非常に多いです。イエス様が私のそばに共におられるのであるなら、悲しみも、死も、孤独もないだろうと無意識のうち、期待しています。悲しみが全くないことは期待しなくても、せいぜい、半分になることは期待します。しかし、この地上で悲しんでいる私たちのためにイエス様がなさることは悲しみを無くすことではなくて、共に泣いて下さり、慰めて下さることです。イエス様は慰め主です。イエス様は私たちの悲しみを無くしてくださることよりは耐えられるように慰めて下さいます。


２．イエス様の答え
　イエス様は23節でマルタを慰めて下さいました。
２３節　イエスはマルタに言われた、「あなたの兄弟はよみがえるであろう」。

　しかし、マルタはこの言葉だけでは慰めにならなかったようです。しかし、彼女はまもなく、喜びに満ちて、復活を100％信じる人に変わります。なぜなら、イエス様が兄であるラザロをよみがえらせたのを見たからです。聖書には書いてありませんが、よみがえたナザロもいつか歳をとってまた死んだでしょう。しかし、これ以上、マルタ、マリア、ナザロ家族には死による悲しみは無くなりました。

　私たちの永遠の望みはこの世になってはいけません。私たちの望みは生きることではなくて、再び生きることです。死なないことではなくて、永遠に死なないことです。イエス様が死んで、復活したので、そのイエス様を信じている私たちも死んで、再び生き、永遠に死にません。私たちはこの地に生きている間に、しばらくイエス様と共に苦しみを受け、しばらく共に痛みを感じ、しばらく共に孤独になって、最後はしばらく死ななければなりません。そうしないと再び生きることは出来ません。しばらくの時間ではありますが、この世は相当つらいです。相当つらいのでイエス様がそばで共にいて下さり、慰めて下さり、泣いて下さいます。イエス様がそばにおられると大きな励みになります。

　この世はしばらく辛いことはありますが、慰め主であるイエス様を信じて日々歩みましょう。



　　　　　　　　このペ−ジのTOPへ　　　　　前週へ　　　　　翌週へ　　　　　一覧表へ戻る