2016年7月3日

サムエル記下　19章1〜4節

　　　　　　　　　　　　　　　　　＜ 回復されないまま終わった親子 ＞


　先週に引き続き、心と心の話し合いの大切さをダビデ親子から見ましょう。お父さんダビデと三男のアブサロムの間に悲しい出来事が起こりました。二人は１１年間、色々の出来事の中、だんだん心が離れ、回復することもなく終わりました。その１１年間をいくつかの出来事に分けてみましょう。


１．不祥事から満二年
　ダビデの三男の名はアブサロムでした。アブサロムには美しい妹がいました。アブサロムと妹は同じ母から生まれました。ところで、ダビデの長男はアブサロムの妹のことが好きでした。

　お母さんが違うので結婚しても大丈夫だったようです。問題は長男がアブサロムの妹と正式に結婚したのではなく、単に悪を犯しただけです。しかも、お父さんダビデを利用して、アブサロムの妹に悪いことをしました。ダビデも怒ったことは怒りましたが、他の措置は何もしませんでした。アブサロムは赦せない気持ちで心がいっぱいでした。悪いことをした長男を赦せない、同時に何もしてくれない父ダビデも赦せない。アブサロムは憎しみを保ったまま、ただ時間だけが過ぎて、満二年が経ちました。


２．復讐から三年
　満二年後、アブサロムはとんでもない罪を犯しました。満二年の間、憎しみはますます、アップしてアブサロムは赦すところが、長男を殺してしまいました。アブサロムはやられた通りに復讐しました。食事に招いて殺しました。アブサロムも同じく父ダビデを利用しました。ダビデは悲しみと後悔に陥りました。満二年間、心と心の話をして何とか家族関係を回復させなければなりませんでしたが、何もしなかった後悔です。アブサロムは罪を犯したので、逃げました。そして、また三年という時間が流れました。


３．エルサレムに戻ってから満二年
　ダビデはアブサロムのことが心配でした。それに気づいた一人の部下が動き出して、アブサロムをもう一度、エルサレムに連れてきました。ようやく、アブサロムが三年ぶりにエルサレムに戻りましたが、ここで、ダビデがとった態度が理解できません。あれほど、アブサロムを待っていて、心配して、アブサロムと心と心で話し合わなければならなかったのに、心から話していなかったことを後悔していたのに、実際アブサロムが帰ってきたとき、冷たい態度でした。

ＩＩサムエル１４：２４
　王は言った、「彼を自分の家に引きこもらせるがよい。わたしの顔を見てはならない」。こうしてアブサロムは自分の家に引きこもり、王の顔を見なかった」
アブサロムが自分の家に引きこもってから、また満二年が過ぎました。

　二年後、アブサロムはようやく、ダビデの前に立ちました。そして、和解の口づけをしました。しかし、もうすでに手遅れであることを父ダビデは知りませんでした。口づけは和解の象徴です。しかし、もう一つは永遠の別れの象徴でもあります。この親子は心と心で話し合って和解したわけではありません。本当に和解したのであるなら、１５章からの悲劇は起こらなかったはずです。


４．反逆陰謀から四年
　アブサロムはお父さんダビデと口づけした後から、反逆を始めました。少しずつイスラエル民の心を奪いました。四年後、反逆を起こし、父ダビデをエルサレムから追い出しましたが、結局は戦いに負け、死ぬことになりました。アブサロムが死んだお知らせを聞いたダビデは大声で泣きました。

１９：４「王は顔をおおった。そして王は大声に叫んで、「わが子アブサロムよ。アブサロム、わが子よ、わが子よ」と言った。

　父親としてもう少し早く、心を開いて心と心の話をすればよかったのにという後悔の涙だったと思います。アブサロムももう少し、心を開いて父ダビデの本当の心を知ることが出来たらこんな悲劇はなかったでしょう。二人は心を開いて今までのことを話し合って和解しなかったため、最後まで和解できないまま終わってしまいました。

　 父なる神さまは私たちを救われるために、先に和解の手を差し伸べて下さいました。父なる神がまず先に和解の手を差し伸べて下さいましたので、私たちは父なる神と和解できたわけです。父なる神、主なるイエス様、聖霊なる神、三位一体の神さまに感謝しましょう。



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