2016年6月19日

マタイによる福音書　7章9〜11節

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜ お父さんの役割 ＞


　6月第三週は社会では父の日で、お父さんに感謝する日です。家族はお父さんに何を感謝するのでしょうか？　お父さんは家族のために何をする人で、その役割は何でしょうか？　聖書は神さまをお父さんと呼んでいます。「天にましますわれらの父よ」
　父なる神さまが私たちのために何をされるのかを見るとお父さんの役割が見えます。


１．子どもを養い、守る人
　今日のみことばを見るとこの世のお父さんと父なる神さまが比較されています。悪いお父さんでさえ、自分の子どもには良いものをあげます。パンを求める子どもにパンを、魚を求める子どもには魚をあげます。それに比べると父なる神さまはなおさら、子どもである私たちに良いものを下さいます。このみ言葉から一つ分かったことはお父さんという存在は子どもを養う人です。日々の食べ物を提供して、子どもを養い、それによって子どもの命を守るのが父親の役割です。そのために今日も世界中のお父さんたちは一生懸命働いています。

　聖書を見ると父なる神さまも私たちを養われるお方です。旧約聖書には神さまをお父さんと呼んでいるところはありません。しかし、その代わりに王様とか羊飼いと呼んでいます。けれども王様、羊飼いが主にやっていることはお父さんの仕事です。王様である神さまは民を養い、外国の危険から民を守ります。羊飼いである神さまは羊を養い、獣の危険から羊を守ります。

（１）王である神さま
民数記11章4-15節
　イスラエル民は荒野でマナ以外には食べ物がなくて、不平不満に満ちていました。対応するモーセも疲れていました。その時、モーセが使うことばが印象的です。

12；わたしがこのすべての民を、はらんだのですか。わたしがこれを生んだのですか。『養い親が乳児を抱くように、彼らをふところに抱いて、あなたが彼らの先祖たちに誓われた地に行け』と言われるのですか。
13；わたしはどこから肉を獲て、このすべての民に与えることができましょうか。
14；わたしひとりでは、このすべての民を負うことができません。それはわたしには重過ぎます。

王である神さまはイスラエル民のために肉を与え、彼らを養いました。

（２）羊飼いである神さま
　詩編23編は羊飼いである神さまを表している代表的な箇所です。
2；主はわたしを緑の牧場に伏させ、いこいのみぎわに伴われる。
4；たといわたしは死の陰の谷を歩むとも、わざわいを恐れません。あなたがわたしと共におられるからです。あなたのむちと、あなたのつえはわたしを慰めます。


２．子どもを赦し、受け入れること
　お父さんの役割の中で一番難しいことが一つあります。それは悪いことをした子どもを赦し、受け入れることです。例えばルカ15章にある放蕩息子のお話しがそれです。放蕩息子が帰ってきたとき、お父さんは彼を赦し、受け入れました。これこそ、お父さんの役割ではないかと思います。この世の中でお父さんしか出来ない役割です。子どもが悔い改める時、何回も何回も受け入れるのがお父さんの役割です。極端に言えば子どもに何回も裏切られる役割、それがお父さんです。この世の中で一人しか出来ない役割、お父さんしか出来ない役割です。父なる神さまが私たちに見せて下さいましたお父さんの役割がこれです。罪深い私たちを何回も何回も赦し、受け入れて下さるのが父なる神さまです。

　赦し、受け入れて下さるだけではありません。天にいますわたしたちのお父さんはなおさら、求めてくる者に一番良いものを下さいます。良いものはルカの福音書を見ると聖霊様です。聖霊様を通して神の子どもに造り変えて下さり、神の子どもに相応しい祝福を与えて下さいます。聖霊様の導きによって、これ以上父なる神さまを裏切ることをしなくなります。父なる神さまを見るとお父さんの役割がどれほど難しいことなのか分かります。親である私たちはどれほど子どもを赦し、受け入れることができるのでしょうか？　この世には完全な父親はいません。神さまだけが完全です。しかし、父なる神さまの愛と赦しを知って、心から感謝するとき、私たちも父なる神さまに似ている人に変わっていきます。



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