2016年3月20日

マルコによる福音書　15章6〜15節

　　　　　　　　　　　　　　　＜ 十字架につけるためにひきわたした ＞


　イエス様が十字架を背負うことになったのは一人、二人のせいではありません。今日のみことばに出て来るすべての人々の罪の故に十字架刑になりました。今日のみことばに出て来る人々の罪を具体的に見てみましょう。


１．ピラト
　ピラトはAD２６年から３６年まで、約１０年間ユダヤとガリラヤ地域などの総督をしていました。彼は在任中、ユダヤ人の宗教を無視することをやりました。一つの例がルカ１３：１−２です。「ちょうどその時、ある人々がきて、ピラトがガリラヤ人たちの血を流し、それを彼らの犠牲の血に混ぜたことを、イエスに知らせた。」

２．バラバ
　彼はユダヤの独立のために働いた人だったようです。しかし、民の救いのためという立派な目標がありましたが、しかし、独断の偏見に過ぎません。目的を果たすためなら、手段を選ばない人です。

３．祭司長
　祭司長は他の祭司と違って、一人しかいません。それなのに、今日の箇所を見ると複数の人がいました。祭司長だけが一年一回、至聖所に入ることが出来ます。祭司長は元々レビ族だけが継承します。しかし、当時は祭司長の職を売買していたので、堕落していました。

４．群衆
　群衆は曖昧な人々です。イエス様がエルサレムに入城するときにはあれほど、歓迎したのに、イエス様を捨てました。群衆は何も考えず、正しい判断力もなく、偽りの教えに煽動され、悪を行う群れです。

５．皆の罪の結果によるイエス様の死
　イエス様は誰一人だけの罪によって十字架に死なれたのではありません。これらの皆の罪の故に死なれました。彼らは互いに憎しみ合う関係なのに、イエス様を死刑にするために、彼らに得だと考えたので、しばらく一致団結しました。


１）ピラトの罪の故に死にました。
　今日の箇所に現れた彼の罪はこうです。
10節：「祭司長たちがイエスを引きわたしたのは、ねたみのためであることが、ピラトにわかっていたからである。」
15節「ピラトは群衆を満足させようと思って」

　彼は今まであれほど軽蔑していたユダヤ人を満足させようとして正義を諦めました。ピラトは罪あるバラバを釈放し、何の悪いこともないイエス様を十字架刑にしました。正義よりはどちらに付くのが得なのかを計算した答えでした。その結果、彼の罪は永遠に消し去ることが出来ません。使徒信条にあるようにイエス様は「ピラトのもとに苦しみを受け」ました。


２）バラバ
　バラバに関して聖書からの情報は7節が全部です。
「ここに、暴動を起し人殺しをしてつながれていた暴徒の中に、バラバという者がいた。」
　暴動と言う単語を使っているのを見ると独立活動をしていたかも知れません。あるいは単に、社会に不満がありまして、現在の秩序を壊したがる人かも知れません。しかし、関係のない人々を殺して来ました。イエス様が彼の代わりに十字架を背負われたので、死刑を免れました。死刑の直前でしたが、非常に運良く、逃れました。今まであれほど憎んでいた、ピラト、祭司長などに感謝するくらいおかしいことになりました。


３）祭司長たちの罪の故に死にました
　祭司長の罪は10節と11節に書いてあります。
「祭司長たちがイエスを引きわたしたのは、ねたみのためである」
「祭司長たちは、バラバの方をゆるしてもらうように、群衆を煽動した」

　祭司長たちがイエス様に関して妬んでいたのは、自分たちの権利を侵害していると思ったからです。彼らは自分たちの権利を侵害する人は誰でも容赦なく処刑する堕落した宗教者でした。そのためにバラバも利用しただけです。イエス様を殺すためにしばらくバラバの罪を見ぬふりをして、ピラトと妥協しました。


４）群衆
　無知な群れ、ただ騙されただけの群れです。しかし、だからと言って責任がないわけではありません。ピラトの罪が彼らの罪になりました。ピラトの彼自身の責任を群衆に転嫁しました。マタイ２７：２４−２５
「その血の責任は、われわれとわれわれの子孫の上にかかってもよい」


　今日の箇所から四人の人々の罪を見ました。しかし、イエス様が十字架を背負われたのは彼らだけの罪ではありません。彼らの罪は結局、私たちの罪です。私たちの中にも彼らの罪があります。ピラトの罪が私たちの中にもあります。バラバの罪が私たちの中にもあります。祭司長の罪が私たちにもあります。群衆の愚かな罪が私たちの中にもあります。

　イエス様を十字架につけた罪が私たちの中にもあることを認めましょう。そして、その罪を悔い改めましょう。 そして、それでも私たちのために代わりに死なれたイエス様に感謝しましょう。



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