2016年2月7日

創世記　23章1〜20節

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜ アブラハム家のお墓 ＞


　アブラハム家のお墓はサラが死んでから急に用意されたものです。アブラハムは4節で「わたしの所有として一つの墓地をください」と近所の人に頼みました。アブラハムはお金持ちなのに、なぜ今まで自分の土地がなかったのでしょうか？　愛する妻を葬る小さい土地すら持っていなかったアブラハム。その理由を考えてみましょう。


１．お墓の土地すらないアブラハム
（１）神様が下さらなかったからです。使徒行伝７：５
「そこでは、遺産となるものは何一つ、一歩の幅の土地すらも、与えられなかった」

（２）アブラハムも土地の購入に積極ではなかったからです。
　アブラハムは生活のためにある程度の土地は購入できたはずなのに、彼は土地を持っていませんでした。その理由は何でしょうか？　土地を買う気がなかったからではないかと思います。いくらお金があっても土地を買う気がないと購入しません。アブラハムは4節で彼自身のことを「旅の者で寄留者です」と言っています。いつかは故郷に帰ると考えているような言い方です。

　彼がもしかしてカナンではなく、帰るところがあるとしたらどこでしょうか？　そこは父テラが住んでいるところです。そこはハランです。父テラがすでに死んでいたのであるなら、父テラのお墓があるところがアブラハムの故郷です。アブラハムはもしかして、その理由でカナンの土地を購入しなかった可能性もあります。私たちもこのことに関して良く分かっています。親が住んでいるところが故郷です。親が亡くなると同時に帰る場所も無くなります。新しい故郷を求めるようになります。


２．土地を購入するアブラハム
　土地を購入する意味はそこにずっと住むことを意味します。アブラハムは初めて、カナン地に土地を購入しました。その意味はこれからカナンが彼の故郷になることを意味します。父テラのお墓があるハランに帰ることをやめて、妻サラが葬られているカナンに彼自身も葬られることを決心したことを意味します。アブラハムは結構のお金を払って土地を購入しました。ただでもらうといつかは返さなければならない時が来るかも知れません。

　しかし、購入しましたので、これから永遠にアブラハム家の土地になります。その墓にアブラハムも葬られました。息子のイサク、その妻レベカ、エジプトで死んだヤコブ、ヤコブの妻レア、そして、エジプトで葬られたヨセフは墓地を移転して、このお墓に葬られました。このお墓は信仰の現れです。神がカナンを与えて下さることを信じる人、それを期待する人が入るところです。

　 私たちはアブラハムが言ったように旅人であり、寄留者です。私たちの心の故郷は生きている間、何回か変わります。まず、生まれ育ったところが故郷でした。その後は、親が住んでいるところが故郷でした。その後は、現在住んでいるところが故郷になります。しかし、家族、友達、知り合いがこの世を去っていくとこの地上は故郷ではありません。最後の心の故郷は天国になります。私たちは天国に帰るまでしばらく、元気に、頑張って生きましょう。



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