2016年1月17日
出エジプト記 15章22〜26節
＜ メラの水を癒す神 ＞
エジプトから完全に解放され、自由になりました。しかし、試練が終わったわけではありません。逆にこれから試練が始まります。エジプト人の迫害はありませんが、人間が生きるための一番基本的な試練が始まりました。
１．酷い環境の連続
イスラエルを紅海から旅立たせた
旅立つことと、旅立たせることは違います。イスラエル民が自ら旅立つことであるなら、旅の準備をしたのでしょう。旅のために必要なもの、旅の期間を計算して、旅のルートを選択したでしょう。ソウルに行くときの準備。しかし、彼らが旅立ったのではなくて、モーセが、神がイスラエルを旅立たせることなので、彼らはひたすら従わざるを得ません。雲の柱、火の柱が動いているままに従わざるを得ません。
イスラエル民は正直、この旅が長くなるとは考えていませんでした。過ぎ越しの祭りの夜、長い旅を準備する時間もありませんでした。彼らが考えたのはエジプトの国境線を超えたら、すぐカナンに直行すると思いました。ですから、水も食べ物もわずか何日分しか準備していません。長い旅は想定していなかったので、わずか、三日で彼らが持っていた物が無くなりました。特に水が三日間ですぐ、無くなりました。
（１）シュルの荒野に入る
エジプトとカナンの間にあるのがシュルの荒野です。荒野は食べ物も飲み物も何もないところです。出来る限り早く通過しなければならないところです。荒野は何もない所なので、持ち物を使うだけの所です。持ち物がなくなる所です。カナンは土地があるので、収穫する物があります。収穫があると蓄えることも出来ます。蓄えがあると心配なく使えます。しかし、荒野はただ使うだけです。エジプトでは蓄えることは出来ませんでしたが、現状維持は出来ます。
エジプト人が量は少ないものの、継続して補充してくれました。しかし、荒野は得ることも、蓄えること出来なく、ただ持ち物がゼロになるところです。使うだけの生活になると人間は非常に恐れを感じます。持ち物がどんどんなくなることは恐怖です。イスラエル民はエジプトとは違う試練が待っているところに入りました。
（２）三日のあいだ荒野を歩いた
三日のあいだ荒野を歩きましたが、荒野で水も食べ物も得ることは出来ませんでした。荒野で水と食べ物を得ることが出来ないので、残りの水を全部飲み干してしまいました。神様が新しい飲み物を与えて下さらない限り、わずか三日しか持てないのがイスラエルの現実でした。
しかし、この現実は私たちも実は同じです。収入無しに現在持っている財産だけで生活するなら、どのくらい持てますか？ 何年間持てますか？ 何か月、何日持てますか？ 主の祈りによりますと一日しか持てません。神からの日々の糧が必要です。イスラエル民はエジプトから解放されてから、わずか三日間、荒野を歩いただけで持っていた水が無くなりました。
（３）水を得なかった
水は無くなったのに、荒野で水を確保することは出来ませんでした。本当に大変なことになりました。これも一つの死の危機です。エジプトの兵士が後ろに攻めて来たときは本当に死の恐怖でしたが、ただの水がないことで死の危機に直面しました。
彼らは荒野で何とかして水を確保しようと探し求めました。必死に努力しました。自分たちのすべての能力を活用して水を探しました。水を先に見つける人は水を飲めます。しかし、荒野は今までの生き方では生き延びることが出来ません。荒野は人間の能力で生きる、競争に勝って生きる生き方がまったく通じないところです。いくら努力しても何も得る物がありません。
メラの水
「メラの水は苦くて飲むことができなかった。」
イスラエル民は必死に水を探し求めました。三日間、探し求めた人間の努力の結果が何の役にも立たないメラの水でした。今までの人間の能力と努力がまったく通じない環境にいます。どうすればいいでしょうか。何をすればいいでしょうか？
２．生き方の変化
イスラエル民は重要なターニングポイントに立っています。人生のターニングポイントです。人間は最初生まれた時から、競争を学びます。どうすれば勝つのかを集中的に学びます。勝つときもあれば、負けるときもあります。勝つ者は生き残り、負ける者は去っていきます。
しかし、荒野で競争は何の意味もありません。競争出来る環境ではありません。競争と言うものは限られているものを多数の人が先取りしようとするとき、起こります。しかし、物が満ち溢れているところとか、全くないところでは競争そのものがありません。荒野で競争すら出来ないところではどのように生きたらいいでしょうか？
イスラエル民はこれからの生き方を変えなければなりません。今までは必要なものをエジプトびとに求めました。
水が足りなければ水を下さい。食べ物が無くなれば食べ物を補充して下さい。他人よりも素早く求める人が多く獲得する競争社会でした。しかし、これからは神に求めなければなりません。神に求め、それによって生きる方法を学ばなければなりません。イスラエル民は荒野で、生き方の変化を強いられました。
彼らは神に求めました。
24節「民はモーセにつぶやいて言った、「わたしたちは何を飲むのですか」。
25節 モーセは主に叫んだ」。
そして、主は答え、問題を解決して下さいました。これから荒野で問題を解決する方法です。
モーセが神とイスラエル民の間の仲介者でした。民はモーセに求め、モーセは神に求めました。神はモーセに答え、モーセが民に答えました。モーセの役割はイエス・キリストの働きに似ています。私たちも父なる神に求めるとき、イエス様の御名によって祈り、求めます。私たちも生き方を変えなければなりません。競争に勝つ方法を学ぶのではなく、神に祈って頂ける信仰の訓練をしなければなりません。
３．試みられる神様
イスラエル民は現在、エジプトでもなく、カナンでもない荒野にいます。荒野で信仰の訓練を受けています。訓練の目標はエジプトから救い出して下さった神が彼らの唯一の神であることを信じて従うことです。
訓練の目標
あなたの神。
エジプトから救い出して下さったその方を彼らの唯一の神と受け入れることです。
唯一の神だからその声に聞き従い。
その目に正しいと見られることを行い。
その戒めに耳を傾く。
すべての定めを守る。
その学びのために水がないつらい経験をしています。
この神は以前、ナイル川をさばいて、飲める水を血に変えて、飲めないようにされたことがあります。（出7：20，21）
なぜ、神は第一の災いをナイル川にされたのでしょうか？ ナイル川の長さは6,650KM 長さだけでは世界一です。アフリカのタンザニアから始まります。10の国に流れています。エジプトの川よりはアフリカ大陸の川です。ナイル川はエジプトの命の源です。エジプトが崇拝する偶像です。ナイル川はエジプトの神です。ですから、主なる神が偽りの神であるナイルをさばかれました。ナイルの水をさばいて、血に変え、飲めないようにされました。飲めないナイル川はこれ以上、エジプトの神ではありません。唯一の神はそのナイルを造られた、真の神です。
その神がイスラエル民にはメラの水、苦くて、飲んだらお腹を壊して、吐いてしまう酷い水です。まったく人間が飲めない水を神は飲めるようにされました。ですから、主なる神は癒しの神です。飲めない水を飲めるようにされる癒しの神です。神は癒す神であって裁きの神ではありません。イスラエルだけ愛し、エジプトを憎む偏見の神でもありません。
メラの水を癒して飲めるようにされました神が、ナイル川をさばいて、エジプト人に正しい神は誰なのかを正しく教えられた神です。ナイル川のさばきも実はエジプトびとのための癒しです。血に変わった川を再び水に変えて下さったからです。ナイル川は神ではなく、真の神によって管理されていることを悟りましたので、魂が癒されたと言えます。
神は創造主であり、癒し主であることを学ばせるため、エジプトびとには裁きの痛い経験を与えました。神は救い主であり、癒し主であることを学ばせるため、イスラエルびとには三日間、水がない荒野を歩かせました。私たちも実は主なる神を本当の私の神として明確に認識するために長い時間がかかっています。あるときは痛い目にあうときもあります。しかし、時間がかかっても、少々痛い目にあっても、主なる神を私の唯一の神として正しく信じるのであるなら、その方がましです。
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