礼拝メッセ−ジ
2016年1月10日

出エジプト記　14章10〜14節

　　　　　　　　　　　　　　　　　＜ 二度と帰ってはいけないところ ＞


　１４章１０節から１２節を見ると神が１３章１７節で心配されたことが実際に起こりました。死の恐怖の中、イスラエル民は何とエジプトを安全な場所だとつぶやきました。イスラエル民を襲った恐れの理由、恐れに対する彼らの反応、信仰によって恐れを乗り越えなければならないことに関して考えましょう。


１．恐れに陥った理由
　イスラエル民が非常に恐れを感じた理由は何でしょうか？　「エジプトびとが彼らのあとに進んできているのを見て」から、恐れを感じました。エジプトびとに殺されると思ったからです。死の恐怖です。この世の一番の恐怖です。それではエジプトびとはなぜ、イスラエル民のあとに進んできたのでしょうか？

その理由は以下の通りです。
４節「わたしがパロの心をかたくなにするから」
８節「主がエジプトの王パロの心をかたくなにされたので」
１７節「わたしがエジプトびとの心をかたくなにするから」

　三つの節に書いてある通り、エジプトびとの心がかたくなになったのは神のせいですか？　エジプトびとが襲って来たので、イスラエル民が恐れを感じたから、イスラエル民が恐れを感じたことも神のせいですか？　聖書はまるで神のせいであるかのような表現です。 しかし、エジプトびとの心がかたくなになったのはパロとエジプトびとの罪の故です。

妬みの罪：エジプトの長男は皆死んでいるのに、イスラエルは喜びに満ちている。無視、軽蔑の罪：今までエジプトに仕えたくせに、勝手に出て行くなんて。
欲望の罪：5節「われわれに仕えさせないようにしたのであろう」。

　エジプトびとは罪の故に心がかたくなになって、イスラエル民についてきました。エジプトびとがついて来たので、イスラエル民は恐れを感じました。イスラエル民が恐れを感じたのは不信仰の理由です。もう一つはこのような恐れにまだ慣れてないこともあります。信仰訓練が必要です。私たちに恐れを与えるのは神ではありません。しかし、神は私たちの訓練のために恐れを用いられるときもあります。


２．恐れによる二つの反応
　死の恐怖を感じた時、恐れることは悪いことではありません。死の恐怖でさえ、神が下さった心の感情なので、恐怖は悪いものではありません。逆に身を守るために神が下さった緊急処置だと思います。死の恐怖を感じること自体は悪くありませんが、その反応が問題です。

（１）主に叫ぶ
　イスラエルの人々は主にむかって叫びました。彼らの叫びは信仰の叫びなのか、不信仰の叫びなのかは神がご存知です。恐怖の時、神が私たちに求めておられるのは信仰の反応です。

（２）モーセを恨む
　イスラエル民の中には、主に叫びながら同時にモーセを恨みました。少数ですが、恐怖の時、信仰の反応ではなく、不信仰の反応を表した人がいました。

１１節「エジプトに墓がないので、荒野で死なせるために、わたしたちを携え出したのですか。なぜわたしたちをエジプトから導き出して、こんなにするのですか。」

１２節「わたしたちがエジプトであなたに告げて、『わたしたちを捨てておいて、エジプトびとに仕えさせてください』と言ったのは、このことではありませんか？　荒野で死ぬよりもエジプトびとに仕える方が、わたしたちにはよかったのです」。


３．恐れを克服する：真の解放
　人は最初、恐れを感じますが、最終的には克服しなければなりません。恐れというのは、最初は本当に怖いですが、何回も繰り返すと慣れてきます。恐れに慣れることは恐れを乗り越えることです。モーセは恐れに慣れています。モーセは今までこのような恐怖を何回も何回も乗り越えてきました。モーセは最初神からの召命を受けた時、エジプトに行くのが恐怖でした。パロの前に立つことが恐怖でした。しかし、神の御手による、今までの御わざを見ているうちに恐れを乗り越えました。

「かたく立って、主がきょう、あなたがたのためになされる救を見なさい。」

　イスラエル民は今までエジプトびとを恐れていました。イスラエル民は奴隷になり過ぎて、奴隷から解放されたいと思いながら、最後はエジプトびとを頼りにしてしまいました。奴隷になるのが当たり前で、運命のように受け止めていました。ですから、戦争の見ると不思議にあれほど嫌だったエジプトに帰ろうとしました。

　しかし、エジプトはもう二度と帰ってはいけないところです。これからはエジプトの奴隷ではなく、神の民として自由の生活をしなければなりません。これからはエジプトびとに従うのではなくて、神に従う人にならなければなりません。これからはエジプトびとを頼りにするのではなく、神に助けを求めなければなりません。彼らの運命が奴隷から神の民に変わりました。ですから、過去の縛りをここで断ち切らなければなりません。

　 罪から救われた私たちもこれに似ています。エジプトは救われる以前の状態です。一度救われた人はいかなる状況、試練に直面したとしても救われる以前のところに二度と帰ってはいけません。



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