2016年1月3日

出エジプト記　13章17〜22節

　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜ 昼は雲の柱、夜は火の柱 ＞


　２０１６年、東京教会創立３０年の最初の聖日を迎えました。さて、過ぎ越しの祭りの次の日、イスラエル民はエジプトから解放され、出発しました。目指している目的地はカナンです。目指している行き先はカナンですが、カナンに行ける道はいくつかあります。しかし、神が実際に導かれた道はカナンの方向ではなく、正反対のシナイ山でした。神の導きと民が考えている道は最初から違っていました。


１．「神の導きと人の計算」の違い
　ぺリシテびとの国の道、つまり地中海の海岸の道は一番短いルートです。イスラエル民は出来る限り早くカナン地に到着しなければなりません。なぜなら、食べ物と飲み物がないからです。しかし、神が彼らを海岸の道ではなく、荒野の道に導かれた理由がありました。その理由は18節です。
「民が戦いを見れば悔いてエジプトに帰るであろうと、神は思われたから」です。

　食べ物がない、飲み物がないことと同じくらいの深刻な問題はイスラエル民を待っている戦いです。道のりは楽ですが、戦争が待っている道が良いでしょうか？　荒野なので敵対する人はいませんが、水と食べ物がない道が良いでしょうか？

　彼らが遠回りしているもう一つの理由は、彼らはまだ、エジプトから完全に脱出したわけではないからです。彼らは完全にエジプトから脱出していると思って、油断していますが、しかし次の１４章を見るとまもなく、エジプト兵士が攻めてきました。イスラエル民はそんなことはまだ、全然気付いていません。神は遠い未来まで、すべての状況を総合して私たちを導かれます。しかし、人間は現在の状況だけで判断します。これからさき、何が待っているのかも知らずに現在の状況で最善を尽くして判断しますが、それが失敗になることが多いです。人間はベストを尽くして失敗することがありますが、最初から間違っている道であるならベストを尽くしても失敗するのは当たり前です。人間の努力によるベストではなく、信仰のベストを尽くしましょう。私たちは昼も夜も主の導きに従わなければなりません。主が導いて下さいます。


２．生きている人と死んでいる人
　モーセとイスラエル民はエジプトから出発するとき、300年以上前に死んでいるヨセフの骨を携えてエジプトを出発しました。エジプトを出発するとき、生きている人はイスラエルの民で、死んでいる人は彼らの先祖ヨセフです。しかし、神から見れば正反対です。信仰によって生きている人はヨセフで、死んでいる人はイスラエル民です。ヨセフは死ぬとき、彼自身の遺骸でさえエジプトには残らないと決心していました。

　イスラエル民はいつか、神が約束されたカナン地に行かなければなりません。ヨセフはそれを信じていました。ヨセフの信仰は生きています。ヨセフは死んで骨しか残っていませんが、それでも神はヨセフ骨とヨセフの子孫を約束通り、カナン地に導かれました。

　それに比べると現在のイスラエル民の信仰は死んでいます。彼らは戦いを見れば悔いてエジプトに帰る人々でした。信仰が死んでいます。信仰が死んでいる人はカナン地に入れません。どうすれば良いですか？


３．昼も夜も神の導き
　神は彼らを昼も夜も歩かせました。21節「主は彼らの前に行かれ、昼は雲の柱をもって彼らを導き、夜は火の柱をもって彼らを照し、昼も夜も彼らを進み行かせられた。」

　もうすぐエジプト軍が攻めて来るからです。イスラエル民はまもなく攻めて来るエジプトの存在を知らないので、文句を言ったかも知れません。私たちもイスラエル民のように、これから起こる危機に気づいていません。今年も最初は期待しながら元気にスタートしましたが、直ぐ、厳しい現実にぶつかるでしょう。しかし、大丈夫です。私たちは何も分かっていなくても、信仰が眠っていても、主なる神は昼も夜も私たちを導かれます。私たちがその導きに従うことさえ出来れば心配はありません。私たち周辺で起きている実際の問題よりは、私たちの心の中に起きている不安、心の騒ぎ、不信仰が問題です。

　 神は私たちの東京教会を３０年間導いて下さいました。昼は雲の柱で、夜は火の柱によって導いて下さいました。昼は雲の柱、夜は火の柱によって今まで導いて下さいました神に感謝しましょう。



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