2015年12月27日

マタイによる福音書　13章31〜33節

　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜ からし種とパン種のたとえ ＞


　31節「ほかの譬を彼らに示して言われた、「天国は、一粒のからし種のようなものである」
この聖句から三つの質問が出来ると思います。

（１）イエス様はなぜ、たとえ話が多いのか、しかも種のたとえが多いのか？
（２）天国は一粒のからしのように小さいのか？
（３）種から大きく成長するまでどのくらい時間がかかるのか？


１．種のたとえが多い：現実のお話
　イエス様は当時の人々が理解しやすいように生活の中で、毎日見ていることをたとえで教えて下さいました。生活の中で毎日見ているから、それは現在のお話です。現実の生活の中で行われている現実のお話です。イエス様の天国のお話は未来よりは、まず現在のことです。ですから、当時の生活を材料にして教えて下さいました。私たちも天国を考えるとき、現実離れの妄想ではなくて、現実の中で進んでいく天国を考えなければなりません。


２．現実は小さいが未来は大きくなる：未来のお話
　天国は全世界の人々が行くところです。しかし、その始まりは目に見えないくらい小さいからし種のようです。神の国はイエス様お一人で始まりましたので小さいです。イエス様から弟子たちに、弟子たちからユダヤ人に、ユダヤ人から全世界に広がりました。現実は小さくて厳しいですが、しかし未来の天国を待ち望まなければなりません。厳しい現実の中で、希望の未来も同時に待ち望まなければなりません。現実のからし種は小さいですが、未来は必ず大きくなります。現実は厳しい材料ばかりですが、信仰者は厳しい現実ばかり考えてはいけません。なぜなら、私たちには大きく成長する未来があるからです。信仰者には現実と未来のバランス感覚が必要です。現実だけ強調してもいけません。未来のことだけ強調してもいけません。


３．種の中に命があるので成長する
　 余りにも時間がかかるので種が死んだのではないかと疑います。何の変化もないので疑うときさえあります。現在も神の国なのになせ、こんなに酷いことが起きるのか？　天国は時間がかかるので忍耐が必要です。信仰が試されます。パン種が粉を発酵させるのも時間がかかります。最初、パン種を三斗の粉に入れるので、相当の時間がかかります。しかし、パン種には命があるので、時間は相当かかるものの、必ず全部発酵させます。からし種は目に見えないくらい小さいですが、その中には命があるので必ず大きく成長します。イエス様の十字架による命によって神の国は大きく成長します。ですから、私たちも厳しい現実に落ち込まないで、未来の神の国を見つめましょう。



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