2015年12月20日

ルカによる福音書　2章1〜7節

　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜ 神と人のクリスマス準備 ＞


　メリークリスマス！　今日のみことばを見るとヨセフとマリヤはクリスマスを準備しました。そして、神もクリスマスを準備されました。ヨセフとマリヤは何を準備して、神は何を準備されたのでしょうか？


１．ヨセフとマリヤのクリスマス準備
　マリヤが聖霊によって妊娠した後、二人は出産に関して色々考え、色々心の準備をしていたと思います。ところが、二人は赤ちゃんがナザレで誕生することを想定して準備したのでしょうか？　ベツレヘムを想定して準備したのでしょうか？　二人が描いていた場所はベツレヘムではなく、現在住んでいたナザレだったと思います。

（１）二人が赤ちゃんの誕生場所としてベツレヘムだと想定していない理由は、二人は旧約の預言を律法学者ほど詳しくは知っていないからです。知っていても、ミカ５：２と新しく生まれる赤ちゃんの関係は理解していません。神は赤ちゃんの名を「イエス」と名付けなさいとは命じられましたが、「ベツレヘムで産みなさい」とは言っていません。

（２）現実的に考えても、現在慣れている場所、住んでいるところからわざわざ離れて、産婦マリヤが住み慣れていない地で赤ちゃんを産むことは考えられません。生まれ育ったところで、一生を過ごしたその時代、出産のためにマリヤの知り合いが誰もいないところで赤ちゃんを産もうとしたとは考えにくいです。しかし、ヨセフとマリヤに想定以外のことが次々と起こりました。

（３）全世界の人口調査をせよとの勅令が、皇帝アウグストから出ました（１節）。
クレニオがシリヤの総督であった時に行われた最初の人口調査です。（2節）
登録をするために、それぞれ自分の町へ帰らなければなりません。ヨセフもベツレヘムに行かなければなりません。

（４）マリヤも連れて行かなければなりません。ナザレからベツレヘムまで、約８５マイル離れています。それでも彼らはまさかちゃんがベツレヘムで生まれるとは想定していなかったようです。

（５）しかも、彼らがベツレヘムに滞在している間に、マリヤは月が満ちて（6節）しまいました。滞在という言葉は短い日数ではないようなイメージです。１，２日の意味ではないようです。１、２日の滞在であるなら、もっと理解できないことです。なぜなら、ヨセフとマリヤが出産予定日を１、２日残してベツレヘムに到着したと考えにくいです。ヨセフとマリヤはとってベツレヘムでの滞在は想定外のものでした。

（６）赤ちゃんが生まれるときには予告もありません。いきなり陣痛が始まりました。陣痛が始まるとそれを遅らせる方法はありません。命が生まれる時間は赤ちゃん勝手であり、神様勝手です。親は、予定日は知っていますが、正確には知りません。ですから、少なくても前後2週間くらいは想定して、準備します。二人も準備はしていたと思いますが、多分、ヨセフとマリヤが想定していないタイミングと場所で生まれたようです。6，7節を見るとヨセフとマリヤは何の準備も出来ていない様子です。今でも生まれそうになっているので、それに間に合わせようと慌てている二人の様子が目に浮かびます。

人口調査、ベツレヘム、客間に余地がない、布、馬小屋、飼葉おけ。これらのすべてのことはヨセフとマリヤが予め、準備したことではありません。二人は仕方なく、状況に合わせて、臨機応変に動いただけです。人口調査、ベツレヘム、客間に余地がない、布、馬小屋、飼葉おけは二人が準備していないことであるなら、なぜ、こうなってしまったのでしょうか？　それは神様が予め準備されたからです。


２．神のクリスマス準備
　人口調査をせよとの勅令以前の状況だと、イエス様がベツレヘムで生まれる確率は０％に近いです。ヨセフとマリヤがベツレヘムに上って行った時も実はベツレヘムで生まれる確率はまだ低かったと思います。何しろヨセフとマリヤが望んでいないからです。出産予定日を知っているので、ベツレヘムで出産する計画はなかったと思います。

　客間に余地がない、馬小屋、飼葉おけ、これらのことは誰が見ても可哀想な状況です。これらの状況はすべて神のご計画の中で、神が準備されたことです。なぜなら、メシヤはナザレではなく、必ずベツレヘムで生まれなければならないので、こうなりました。メシヤはこの世の一番低いところに来られましたので、神様は馬小屋と飼葉おけを備えられました。


３．神の準備と人間の準備の差
　ヨセフとマリヤは生まれる赤ちゃんのために良いものを準備したかったのです。馬小屋の飼葉おけのように慌てて、切羽詰まった状況ではなくて、追い込まれる状況でもなく、仕方なく用意されたものでもなく、ゆっくり準備したかったのです。しかし、神様が準備されたものは違うものでした。


　 神は私たちのためにも準備しておられます。私たちが想像しているのは素敵なもの、幸せなこと、自慢できることです。しかし、神の準備は私たちが想定していることと全然違うものもあります。私たちから見れば飼葉おけ、馬小屋などは準備されたものではありません。しかし、神が私のために準備されたことは想定外のこと、良いことではなく、試練かも知れません。それでも私たちは神様が準備されたものを受け入れますか？　私たちはヨセフとマリヤのように黙々と主の導きに従いますか？



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