2015年12月13日
マタイによる福音書 19章1～10節
＜ 救い⑥：人間関係の回復 ＞
ザアカイはイエス様によって救われました。彼の救いはマンモンからの救いであり、それによって人間関係が回復しました。人間関係を回復することがなぜ救いでしょうか？
１．救いが必要なザアカイ
（１）ザアカイという名の人がいた。（2節）
彼の名前の意味は「純潔」です。しかし、彼は名前通りに生活していませんでした。名前と現実の間に天と地の差がありました。本人も辛かったでしょう。
（２）取税人のかしら(2節)
取税人の頭になるまでどれほど悪いことをしたのでしょうか。どれほど多くの人々のお金を搾取したのでしょうか？取税人のかしらはその地域においては一番憎まれている者でした。
（３）金持ち(2節)
取税人は金持ちでしたが、彼らが持っているお金は全部、一般庶民から絞りとったものです。まさに公式に認められた泥棒です。
（４）背が低かった(3節)
ザアカイは村の人から人間扱いをされていないので、群の中に入り込むことが出来ません。仕方なくいちじく桑の木の上に登りました。背は低く、お金しか持っていない、人々との交流がない、人々から憎まれているこの人、この人に救いが必要です。ですから、彼はイエス様に救いを求めました。
２．救いを求めるザアカイ
（１）イエスを見るために(4節)
取税人のような罪人でさえ、受け入れてくださる罪人の友達、人間として受け入れてくださるイエス様に非常に関心がありました。同じ税金取りであったマタイでさえ、弟子にして下さるあのイエス様を彼は一目で見たかったわけです。
（２）前の方に走って行って(4節)
当時の常識で考えると歳を取っている人が走るのは恥ずかしいことです。しかし、彼は救いを求める切実さのあまり、社会の常識も忘れて走りました。
（３）いちじく桑の木に登った。(4節)
いちじく桑の木の上に登りました。どうしてもイエス様に出会うために何でもやりました。
（４）イエスを迎え入れた(6節)
イエス様を心に受け入れ、家に迎え入れました。イエス様を心に受け入れることだからまさに救いです。
３．ザアカイの信仰告白とイエス様の救いの宣言
（１）施します・・・返します（8節）
彼はイエス様に信仰を告白して誓いました。財産の半分を貧民に施します。不正な取立てをしているなら、四倍にして返します。彼を今まで支えて来たのはお金の神でした。ザアカイは真の神を捨ててお金の神、マンモンを信じて来ました。お金の神を手に入れるために、どれほど悪いことをして来たのか分かりません。そのせいで、すべての人間関係が壊れてしまいました。孤独になったザアカイ、人生が空しくなった彼はお金の神を捨てることにしました。そして、真の神に立ち帰って神の子どもになりました。
（２）この人もアブラハムの子なのだ(9節)
その信仰告白を聞いてイエス様は彼に救いを宣言されました。
「きょう、救がこの家にきた。この人もアブラハムの子なのだから。」
ザアカイはお金の神から解放され、救われました。救われた証拠が人々との和解です。人々と和解することは救いの重要な部分です。特に憎しみに溢れている今の時代、和解による救いが必要です。
４．救いのために来られたイエス様
イエス様はザアカイを救われるためにエリコによりました。
１０節「人の子がきたのは、失われたものを尋ね出して救うため」
その理由で、１節「イエスはエリコにはいって、その町をお通りにな」りました。ザアカイが先に救いを求めたよりはイエス様が先に彼を救われるために来られました。イエス様の方が先に、ザアカイを尋ねだし、救うために来られ、招いて下さいました。イエス様がザアカイに心を開いて迎え入れて下さいましたので、ザアカイも心を開いてイエス様を迎え入れました。イエス様がザアカイを受け入れて下さらないとザアカイはイエス様に近づくことすら出来ません。彼はイエス様との出会いなしには人々と和解することも、お金の神から解放されることも出来ません。イエス様が彼を尋ねだして、救って下さり、人々と和解させて下さいました。彼は救われた証拠としてお金を社会に還元し、弁償しました。社会に還元と弁償しましたので、今まで彼を憎んでいた村の人々も彼を受け入れたと思います。まさに救いが完成しました。イエス様の救いはこのように完全なものです。世界には現在何よりも和解の救いが必要です。憎しみが爆発しないように私たちが和解の救いを神に求めましょう。そして、和解を求めている人々がいたら、彼らに私たちが先に手を伸ばしましょう。イエス様が先に和解の手をザアカイと私たちに伸ばして下さったように、今度は私たちが和解の手を人々に伸ばす番です。
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