2015年11月15日

マタイによる福音書　8章1〜4節

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜ 救い�A：病の癒し ＞


　イエス様は今日の箇所の人を癒して下さり、救って下さいました。旧約の時代からこの病にかかった人は絶望的な体の悲劇、神に礼拝をささげることも出来ないこと、社会からも完全に隔離されたことで多くの差別を受けていました。この病気から癒されたことはまさに救いであり、すべての面においての回復です。


１．癒しと信仰（２節）
　イエス様に癒して頂くためには信仰が必要です。この患者はイエス様に信仰を告白しました。2節を見ますと「主よ、みこころでしたら、きよめていただけるのです」とお願いしました。なぜなら、イエス様が癒してあげようと思うだけでも癒されると彼は信じたからです。そして、イエス様は彼の立派な信仰告白を聞いて、その病を癒して下さいました。


２．癒しと再創造（３節）
　イエス様の癒しは創世記1章の創造の回復であり、また再創造です。神は造られたすべてのものをご覧になって、特に人間をご覧になって、はなはだ良かったとおっしゃいました。しかし、神の形によって造られた素晴らしい人間だったのに、堕落して神から離れ、体も心も悲惨な状態になってしまいました。イエス様はこの病を癒して下さることによって、もう一度彼を造り変えて下さいました。この患者に取って癒しは単に肉体が元通りになるのだけではなく、もう一度新しく創造されたわけです。イエス様は創造主としてみ言葉だけで、病を癒されました。「きよくなれ」と宣言すると直ちにきよめられ、新しく造られました。この患者は新しく造られたので、これから健康な体になりました。

　この人は体も心もきよめられたので、これ以上、罪の中に生きるのではなく、主のためにきよい生活をしなければなりません。病から癒されたのに、再び罪の中で生きるのであるなら、癒された意味がありません。キリスト教の癒しは癒しそのものよりはその後の生き方がどうなのかが大事です。神の癒しを悪利用する人になってはいけません。


３．癒しと回復（4節）
　イエス様の癒しは体の回復だけではなく、神との関係の回復、他人との関係の回復にも広がります。この人の体は癒されましたが、それで終わりではありません。体が癒されましたので、それを祭司に見せなければなりません。4節

　その理由はこの病から癒されたことを社会に公表するためです。祭司に体を見せ、ささげものをして、これからは自由に神を礼拝出来ることを公表しなければなりません。また、社会にも復帰できたことを人々に証明しなければなりません。体の癒し、神との関係の回復、社会への復帰、このような手順を通して彼は完全に回復しました。


結論
　イエス様の救いは体だけではなく、すべての回復です。イエス様の癒しは体、心などの全人格的な癒しです。私たちの救いも全面的なものでありますように祈りましょう。



　　　　　　　　このペ−ジのTOPへ　　　　　前週へ　　　　　翌週へ　　　　　一覧表へ戻る