2015年11月8日

マタイによる福音書　9章1〜8節

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜ 救い�@：罪の赦し ＞


　今年の後半は福音そのものに関するメッセージが多いです。先月は主に天国の話をしました。今週からしばらく救いに関して見ましょう。救いは抽象的なことばです。

　「救われた」と聞いても第三者から見れば何を意味するのか良く分かりません。しかし、救われた本人にとってはとても明確なものです。イエス様は抽象的な救いの意味を具体的に見せて下さいました。今日は最初のテーマとして罪の赦しです。罪からの赦しを実感していないと隣の人に伝えることは出来ません。

　「罪が赦された」、普通の人は罪がないと思っているので、罪が赦されることに何も反応しません。しかし、深刻な罪の中で心がゆがんでいる人にとってはまさに、救いの一言です。イエス様の当時のユダヤ人は神殿に行って、律法に基づいて、燔祭をささげることによって罪が赦されると信じていました。しかし、イエス様は今まで誰も知らない形で罪が赦される方法を教えて下さいました。


１．ユダヤ人の反発
　人々が中風の者を床の上に寝かせたままイエス様のところに運んできました。その理由はイエス様に癒して頂く為でした。この中風の人と彼を担いできた人々の関心は、病人が癒されることでした。病人にとって癒されることが唯一の救いでした。しかし、イエス様はまず、彼の罪を赦して下さいました。

　そして「あなたの罪はゆるされたのだ」と宣言されました。それを聞いた律法学者たちは心の中で言いました。「この人は神を汚している」今までの人気が一瞬にしてなくなりました。「あなたの罪が赦された」と宣言することがなぜ、神を汚す罪になるのでしょうか？　その宣言ができるのは神しかいないからです。人間は出来ない宣言です。この宣言をするということは自分自身が神だと宣言することと同じです。律法学者から見ればイエス様の宣言は自分自身が神だと宣言したことと同じなので、神を汚していると思いました。


２．イエス様の意図
　イエス様はわざと罪の赦しを宣言されましたが、それが律法学者たちの反発を受けました。それではなぜ、イエス様はわざと罪の赦しを宣言されたのでしょうか？　その理由はイエス様が単なる人間預言者ではなく、神と同じく罪を赦せる権威を持っておられるお方であることを知らせるためでした。もう一つの理由は中風の人に完全な救いを与えるためでした。中風の人は病さえ癒されれば良いと思ったかもしれません。

　しかし、その病が罪から来ているのであるなら、まず、罪が赦されなければなりません。罪が赦され、救われれば、病も治ります。罪が赦されていないのに、病だけ治っても彼の救いにはなりません。一時的に病は治るかも知れませんが、その罪のせいで、他のところがまた、病気になるでしょう。イエス様の救いは一時的な臨時処置や病状をしばらく和らげる緩和処置ではありません。中風の人にとって救いが二つの側面で同時に現れました。罪が体と心を同時に駄目にしたので、救いは体と心が同時に治らなければなりません。病から立ち上がって体が癒されました。罪から解放されて魂も精神も元気になりました。イエス様の救いは体も心も魂もすべてのものが同時に元気になることです。また、その元気が一時的なものではなくて、長く続くことです。

　これがイエス様による完全な救いです。体も心も、魂もすべての面において完全になる救い、神しか出来ないみわざです。イエス様はこのように罪の赦しによって私たちを完全に救って下さるお方です。


３．罪の赦しを信じない者の愚かさ
　しかし、群衆の目には、イエス様はまだ、人間に過ぎません。当時のイスラエル民はイエス様を救い主として受け入れていなので相変わらず、神殿に行って家畜のいけにえをささげました。イエス様の赦しを知らない現代人は未だに偽りの教えに騙され続けています。罪意識がある人は、罪がなくなる方法を知らないので、自分勝手に決めたことをします。罪意識で何とかして償わせてもらいたくて色々のことをしましたが、それが結局騙され、第二、第三の被害を受けることになります。ある人はイエス様の赦しの恵みを知らないので、自分自身を騙し続けています。


　 私たちはイエス様の十字架の恵みにより、ただで赦して頂いたことに感謝しましょう。そして、救いに相応しい人として生きましょう。



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