2015年7月26日

マタイによる福音書　4章8〜11節

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜ ただ神にのみ仕えよ ＞


　サタンの三回目の試みは「もしあなたが神の子であるなら」ではなく、「もしあなたが、ひれ伏してわたしを拝むなら」です。なぜ変わったのでしょうか？ サタンが言っている意味は何でしょうか？


１．「悪魔はイエスを非常に高い山に連れて行き」ました。
　悪魔はなぜ、非常に高い山に連れて行ったのでしょうか？ そして、なぜ、この世のすべての国々とその栄華とを見せたのでしょうか？　旧約のイスラエル民が荒野の旅をそろそろ終えようとした時、高い山に登って、麗しいカナンの地とその周辺の国々を見た人が一人います。その名はモーセです。彼は神の約束の地を見ることは出来ましたが、入ることは許されませんでした。なぜなら、民数記20章の出来事があったからです。けれども彼は神にもう一度切実にカナンに入りたいと願い求めました。（申命記3：25−27参照）

　モーセはどうしもカナンに入りたかったのですが、しかし、神がノーと言われたので、入れませんでした。あのモーセでさえ神がノーと言われたので、入れませんでした。カナンに入る、入れない、この世のすべての国々とその栄華を下さる、下さらないと決められるのは全能の父なら神だけです。サタンはこの世のすべての国々とその栄華をあげると言いながらまるで彼自身が神であるかのように言っています。


２．「もしあなたがひれ伏してわたしを拝むならこれらのものを皆あなたにあげましょう」
　サタンは今まで、イエス様に「神の子であるならば」と言い続けましたが、ここでは彼自身がまるで神であるかのような言い方をしました。サタンは彼自身が神でもないくせに、神であるかのようなふりをしています。神がモーセを高い山に連れて行ったことと同じように、イエス様を連れて高い山に行きました。ひれ伏して拝むべきお方は神しかいないのに、彼自身がまるで神であるかのような言い方をしました。そして、神であるかのような約束までしました。神のふりをしました。


３．「サタンよ、退け」
　イエス様がやっとサタンの正体をここで暴露しました。3節で「試みる者」と書いてあるだけです。まだ、サタンの正体は明確ではありません。一つ目の試みにも、二つ目の試みにも悪魔とは書いてありますが、イエス様はサタンと呼んでいません。しかし、最後の三つ目の試みにはサタンの正体を暴露し、追い出しました。サタンはエデンの園でアダムを騙した以後、その正体を隠して来ました。人間はサタンに騙され続けました。しかし、ここでイエス様がその正体を暴露しましたので、これ以上その正体を隠すことは出来ません。サタンは正体がばれたので、しばらくイエス様から離れることしかありません。（11節）


４．「主なるあなたの神を拝し、ただ神にのみ仕えよ」
　サタンの試みの特徴は3節「もしあなたが神の子であるなら」、6節「もしあなたが神の子であるなら」、9節「もしあなたが、ひれ伏してわたしを拝むなら」
サタン自身が神のふりをしていました。被造物が神のふりをするのが罪の始まりです。すべての罪はここから始まりました。しかし、イエス様の反応は4節「と書いてある」、7節「とまた書いてある」、10節「神を拝し、ただ神にのみ仕えよ」。神のみことばを一番大事にする態度です。神のみ言葉を大事にして仕える姿勢です。

　 私たちの生き方は二つだけで、神に仕えるか、サタンに仕えるかです。神に従うか、サタンに従うか。二つの中で一つです。自分のために生きることは結局、サタンに仕えることになります。主なるわたしたちの神を拝し、ただ神にのみ仕える信者になりましょう。


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