2015年4月5日

ヨハネによる福音書　20章19〜29節

　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜ 見ないで信じる者の幸い ＞


イースターおめでとうございます。さて、19節と26節は表現も、状況も非常に似ています。

19節、 その日、すなわち、一週の初めの日の夕方、弟子たちはユダヤ人をおそれて、自分たちのおる所の戸をみなしめていると、イエスがはいってきて、彼らの中に立ち、「安かれ」と言われた。

26節、 八日ののち、イエスの弟子たちはまた家の内におり、トマスも一緒にいた。戸はみな閉ざされていたが、イエスがはいってこられ、中に立って　「安かれ」と言われた。

＊同じところ
（1）戸をみなしめている。
（2）イエスがはいってきて、彼らの中に立ち、「安かれ」と言われた。
（3）イエス様が直接来られるまでは信じていなかった10人の弟子とトマス。

＊違うところ
（1）トマスの有無。
（2）その日と八日ののち。


１．戸をみなしめた（閉ざされた）：復活を期待しない弟子
　イエス様が復活した時、それを否定する人々がいました。彼らはイエス様の復活を否定するために嘘の噂を広めました。例えば、マタイ28章13−15節です。しかし、ヨハネ20章19節の様子を見ると弟子たちがイエス様の体を盗むことは不可能です。なぜ、不可能でしょうか？

　弟子たちは非常に恐れていました。玄関のドアや窓などすべてしめました。戸だけではありません。恐れのあまり、彼らの心の窓も全部しめました。恐れがあるので、外出を控えている状況です。イエス様の復活を聞いて、確認のために実際に墓に行った弟子は二人だけです。戸を閉め、心の戸を閉じ、外出を控え、イエス様の復活を期待すらしない弟子たちがイエス様の体を盗むことは出来ません。期待していない弟子たちが心と戸を開けて、信じたのはイエス様の復活を見たからです。

　26節を見ると「八日ののち、イエスの弟子たちはまた家の内におり、トマスも一緒にいた。」
八日前、10人の弟子はイエス様の復活を見て、信じていましたが、トマスは一人だけ、いなかったので、イエス様の復活を見ていません。しかし、彼がイエス様の復活を期待していたのであれば、10人の証言を信じたでしょう。しかし、彼は期待していなかったので、信じませんでした。そのトマスが、「わが主よ、わが神よ」と素晴らしい信仰を告白したのはイエス様の復活を自分の目で見て、確認したからです。


２．イエス様の復活を信じない弟子
　11人の弟子たちは最初、イエス様の復活を信じていませんでした。ヨハネ20章18節、マルコ16章11−14節参照。

　10人の弟子がイエス様の復活を信じたのは彼らの目で復活されたイエス様を見たからです。ところが、19節、イエス様が表れた時、あいにくトマスはその場にいませんでした。他の10人の弟子が皆、「わたしたちは主にお目にかかった」と証言するのだからトマスも信じてくれれば良いですが、絶対信じませんでした。

　決して信じないと宣言したトマスがなぜ、イエス様の復活を信じたのでしょうか。それは27節で復活されたイエス様を見たからです。最初、イエス様の復活を信じていなかった弟子たちが復活を信じるようになった理由は彼らの目で復活のイエス様を見たからです。


３．見ないで信ずる者は、さいわいである
　29節「イエスは彼に言われた、「あなたはわたしを見たので信じたのか。見ないで信ずる者は、さいわいである」。

　イエス様の復活を見ないで信じる者は幸いですが、しかし、イエス様の近くにいた人々の中で復活された姿を見ないで信じた人は誰一人いません。イエス様を近くで仕えた姉妹たちは臆病の弟子たちとは違って恐れることなく、イエス様の墓まで確認しましたが、彼女たちでさえ、イエス様の復活を信じていませんでした。ルカ23：55−56参照 。

　香料と香油とを用意したことは復活を信じていなかったことです。当時のイエス様の関係者は全員、イエス様の復活を見たので信じました。それなのに、なぜイエス様はトマスに見ないで信ずる者はさいわいとおっしゃるのでしょうか？

　具体的な理由はまだまだ黙想しなければなりませんが、私たちは確かにイエス様の復活を見ないで信じた人々です。なぜ、私たちはイエス様の復活を見ないで信じたのでしょうか？私たちが良い信仰者だからではありません。

　イエス様の約束のように聖霊を頂いたからです。弟子たちのところに復活されたイエス様が来られ、「聖霊を受けよ」言われました。聖霊がこの地に来られ、弟子たちに勇気を与え、安らぎを与え、死を恐れず、福音を伝える力を与えて下さいました。彼らは聖霊により新しい人に生まれ変わりました。聖霊が私たちにも見なくても信じられる信仰を与えて下さいました。

　 イエス様が私たちを復活の証人として立てて下さいました。私たちは弟子たちのようにまだまだ恐れている部分もありますが、しかし、聖霊が助けて下さいます。それを信じて、イエス様の復活を証しする人として生きましょう。



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