2015年2月15日

マタイによる福音書　10章16〜23節

　　　　　　　　　　　　　　　＜ 蛇のように賢く、鳩のように素直に ＞


　今日の箇所によりますと賢さの象徴は蛇です。素直の象徴は鳩です。一般的に考えても蛇と鳩のイメージは相反するものです。聖書が言っている二つの生物のイメージは反対です。鳩は知恵がありません。蛇は素直ではありません。二つの生物が相反することと同じように賢いことと素直なことは相反する概念です。ところが、イエス様は弟子たちに賢さと素直を同時に強調しました。


１．具体的にどんな人
（１）へびのように賢い人
　時代の流れに合わせて、すぐ対応出来る人です。現在を生きるために柔軟な心を持っている人です。しかし、間違ってしまうと何でもずる賢くなって信仰そのものが変質する危険性があります。

（２）ハトのように素直な人
　真面目な人で、なかなか信念を変えなく、神にも人にも真実な人です。しかし、間違ってしまうと時代の変化にはまったく合わせない頑固な人になる危険性があります。

　この二つはそれぞれ良い面も、悪い面もあります。ですから、イエス様は私達に蛇のように賢く、同時に鳩のように素直になりなさいと言われました。


２．二つを同時に強調する難しさ
　私達は歳と共にこの世の知恵を強調するようになります。しかし、あまりにも知恵ばかり強調するとずる賢い人になります。この世の人々は蛇のような賢さばかり求めます。賢さと素直のジレンマの中で葛藤することはありません。

　しかし、鳩のような素直と蛇の賢さが同時に求められる信仰者には毎日が葛藤です。信仰者には知恵と素直が同時に要求される時が多いです。私達がおかれている状況がどれほど、難しい状況なのかイエス様もご存じです。私たちはオオカミの中に住んでいることと同じです。

「わたしがあなたがたをつかわすのは、羊をおおかみの中に送るようなものである」。


３．聖霊の導きに委ねる
　今日のみことばから私達が考えなければならない事は、私達は知恵なのか、素直なのか、あまりにも簡単に二つの中で一つだけ選んでしまうことです。私たちは絶えず悩みながら、いつも神に祈らなければなりません。キリスト教は決まっている律法を守る宗教ではありません。その都度、いくつかの選択肢の中で聖霊が導いて下さる信仰です。その場、その瞬間、聖霊が教えて下さることが多いです。私達が事前に知恵の道を選ぼうか、素直の道を選ぼうかを決めておかなくても聖霊が答えを与えて下さいます。ですから私達は選びの瞬間が来るまで知恵と素直を同時に求めようとする忍耐と努力が必要です。

　教会には素直な人が必要です。素直な人が教会の正しい歩むべき道を示します。素直な人がいるからこそ教会はきよいところです。 教会には知恵ある人が必要です。知恵ある人が悪の知恵に満ちているこの世から教会を守ります。素直な心を持っている方と知恵を持っている方が、それぞれの部分で用いられますように祈ります。



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