2014年12月7日

ルカによる福音書　15章11〜32節

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜ 小さい罪と大きい罪 ＞


　ルカ15章に出てくる二人の兄弟はお父さんに悪いことをしました。二人とも悪いですが、もっと悪いのはどちらでしょうか。今日は次男よりは長男を中心に考えましょう。


１．次男の罪
（１）お父さんの心を傷つけました。12節
　次男は「遺産」を意味する言葉を使ってお父さんの心を傷つけました。

（２）お父さんの顔に泥を塗りました。13節
　「全部とりまとめた」ことは土地も売買したことですが、先祖代々から頂いた土地を勝手に売買してはいけません。地境を動かすことは神様の律法に反することです。

（３）放蕩になり、倫理的に堕落しました。30節


２．長男の罪
　長男は一見罪がないように見えます。「何か年も仕えて」、「一度でも言いつけにそむいたことはない」、「友だちと楽しむために子やぎ一匹」も食べないほど節約した。長男の罪は何でしょうか。

（１）お父さんの顔に泥を塗りました。28節
　村の人、親戚が皆、見ているのに、お父さんが開いた宴会を真っ向から間違いだと反対しました。家族の恥を皆の前で、しかも長男が公に明らかにしました。

（２）彼自身の過ちを知りません。
　32節の例え話が終わるまで長男は家出の状態です。物語は途中で終わります。長男は少しも悪いと思っていません。

（３）命の価値を軽視しています。30節
　家族の一人がいくら悪いことをしても、その命は動物の子牛よりは尊いものです。

（４）何よりも大きい罪は親を親と思っていないことです。29節、30節
　長男の自己認識は子どもではなく、子ヤギ一匹すら食べられない雇い人のです。 「あなたの子」という単語を使いながらお父さんと一線を画いています。


３．二人の中でどちらの罪が大きいと思いますか。
　次男は倫理的には悪いことをたくさんしました。しかし、一度もお父さんをお父さんではないと思ったことはありません。お父さんは優しくて、愛のお方だといつも思っていました。ですから、すべてを失った時、お父さんを思い出して、お父さんのところに帰ろうとしたわけです。

　しかし、長男はお父さんをお父さんだと思ったことがありません。彼自身が一生懸命働いているので、お父さんに感謝する気持ちもありません。お父さんに一切助けを求めることもありません。お父さんと全く心が通じていません。お父さんをお父さんと思わないことが何よりも大きい罪です。お父さんに対してこれほど失礼な、悔しくて、悲しいことはありません。

　ルカ15章1節を見ると次男と長男は誰ですか。次男は取税人や罪人たちです。社会で悪いと言われることは全部犯していて、社会が諦めている、悪い人の代表者です。 長男はパリサイ人や律法学者たちです。 長男であるパリサイ人や律法学者たちは「この人は罪人たちを迎えて一緒に食事をしている」とつぶやきました。そのつぶやきの故に、三つの有名なたとえ話が登場します。

　次男である取税人や罪人たちは確かに倫理的に悪いと言われることは全部しました。 しかし、神様を恐れ、神様を神様として認め、その神様に赦していただきたい心を持っていました。神様の愛を求めました。

　長男であるパリサイ人や律法学者たちは神様の愛と憐れみよりは自分たちの信仰生活の素晴らしさを自慢していました。週二回断食していることやちゃんと献金をささげていることを自慢に思っていました。

　人間が犯してあらゆる罪は神様から見ると、極端に言えばまだ、まだ小さい罪に属します。神様にとって一番大きな罪は天地万物を造られた神様を神様と思わないことです。神様の存在を認めないことこそ、一番大きな罪です。

　神様の御前で大きい罪と小さい罪、罪は同じですが、回復できる罪と回復しにくい罪があります。社会的に如何なる罪でも神様に赦して頂ければ、イエス様の十字架の血によって赦されます。しかし、神様の存在そのものを認めない罪は本当に深刻です。



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