2014年11月30日

創世記　3章1〜8節

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜ 放蕩息子とアダム ＞


　放蕩息子は実存人物ではありませんが、まるで実話のように世界中、誰もが共感できる物語です。誰もが実話のように共感できる理由は、イエス様が聖書のある実話をたとえ話によって語られたからです。そのある実話とはアダムとエバのことです。今日は放蕩息子の物語を創世記2−3章のバージョンで見ましょう。


１．父の家に暮らす
　放蕩息子は父の家に暮らしているときは父の次男であるので、身分も保証されていたし、兄と共に父を助ける仕事もありましたし、いつでも食べられるし、何でも、いくらでも食べられました。彼はお父さんの家で完全に自由でした。彼は完全な自由の中に住んでいましたが、お父さんに縛られていると勘違いしてお父さんから離れてしまいました。 しかし、家を出てしばらく経ってから仕事も、食べものも、自由もない物乞いになりました。

　アダムがまさにそうです。アダムは神様のかたちによって、神様に似ているものとして造られました。神のかたち、神に似ていることは神様の子どもであることです。神様の子どもなので、それに相応しい自由、身分、豊かさ、仕事などがありました。

　アダムは神様の代わりにこの地を支配する仕事と支配出来る地位と身分、権威、能力が与えられました。一つ以外には何でも出来る自由もありました。 しかし、アダムは善悪の知識の木の実を食べられないことは束縛だと思っていました。神様の代わりではなくて、自分自身が神になろうとしました。彼自身が神になることはアダムを造られた神の存在を否定することです。アダムは神様から離れられる自由を使い、神様との関係を終わりにしました。


２．父の家から出て行く
　次男はお父さんにこれ以上、縛られることを拒んで家を出ました。お父さんからもらった財産を浪費しました。しかし、使い果たしたその日、死ぬしかありません。次男はお父さんに縛られるのが嫌でしたが、お父さんの家がどれほど自由の環境だったのか知りませんでした。お父さんの家を離れるとどこに行っても歓迎されません。歓迎のところか、生きることすら危うくなりました。食べ物で豚と競争する、豚よりも価値がない者になりました。

　アダムがまさに次男のように価値ない者になりました。アダムは神様から離れました。神様になろうとしました。アダムは善悪の知識の木の実を食べた瞬間、神様との関係は壊れました。

　アダムは神様から離れた瞬間から死に続けました。神様から離れた瞬間から、生きるために働かなければなりませんでした。しかし、エデンの園のような豊かな生活ではありません。動物のような生活でした。生きるために動物と競争しなければならない存在になりました。

　これ以上、神様のかたちを持って、神様の代わりにこの地を管理する者ではありません。死が確定するまで、人間のあらゆる苦しみと悲しみを味わわなければなりませんでした。 この世の中の何よりも尊い神様のかたちとして造られたのに、豚よりも酷い生活をしているアダムをみて神様は悲しまれたでしょう。

　それでもなお現代の人々は神様に縛られていると思っています。神様から離れ、自由に行動し、自由に考えたがるのです。しかし、心の中から聖書の神様の存在を消すことは自由になるのではなく、自分一人の世界に取り囲まれ、自分一人の世界に縛られることになります。神様から遠く離れれば離れるほど人生の空しさを味わいます。

　なぜなら、人間は神様のかたちによって造られているので、神様から離れると魂が栄養失調になって心が空しくなるからです。生きる理由と目的は人間の中から出てくるのではなくて、神様から出てくるのだから、神様を離れると、なぜ生きているのかさえ分からなくなります。


３．父の家に立ちかえる
　放蕩息子の唯一の希望はお父さんのところに立ちかえることでした。悔い改め、お父さんのところに帰った時、お父さんは待ちに待っていたかのように次男を歓迎しました。次男という身分、地位、生活、人間関係など全部回復しました。アダムから生まれてきた私たちも同じです。

　人間の唯一の希望は神様のところに立ちかえることです。神様は私たちを愛しておられるので、私の弱さを見せてくださり、教えてくださることで、本心に立ちかえるように導いてくださいます。本心に立ちかえった時、神様のところに帰る人はすべてを回復します。しかし、本心にかえっても、神様のところに帰らない人はそのままの状態で終わります。

　 放蕩息子が私たちであり、アダムが私たちです。私たちは本心に立ちかえり、神様のところに立ちかえって、神様の子どもである身分を回復しなければなりません。



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