礼拝メッセ−ジ
2014年10月26日

創世記　18章18〜26節

　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜ アブラハムの執り成しの祈り ＞


　ソドムとゴモラは神様の天罰によって滅亡した都市です。未だに堕落の象徴として、私たちに警告しています。今の時代にもない堕落、現代の私たちでさえ想像すら出来ない罪がソドムにありました。神様が裁かないとその罪はカナン全地に急激に広がるところでした。神様が裁かなくても、わずか何十年で性的な罪によって、その社会が内部から崩壊するところでした。ですから、ソドムに下った裁きは裁きよりはその周辺の堕落を食い止めるため、アブラハムに与えた土地を堕落から守るための神様の特別措置でした。そんなソドムのためにアブラハムは取り成しの祈りをささげました。


１．イサク誕生とソドム審判の予告
　１８章１節で神様は二つの理由でアブラハムの前に現れました。一つは一年後にはすでにサラがイサクを産んでいることを知らせるためでした。

　今までのただの約束ではなくて、具体的に預言して下さいました。１０節「来年の春・・その時、あなたの妻サラには男の子が生れているでしょう」。アブラハムに取っては嬉しいお知らせです。しかし、その嬉しいお知らせを喜ぶ暇のなく、恐ろしいお知らせが続きました。

　もう一つはソドムを滅ぼすことでした。アブラハムと関係のないソドムを滅ぼすことです。アブラハムには子どもが生まれますが、ソドムの子どもは滅びます。それをアブラハムはどのように受け止めたら良いでしょうか。アブラハムさえ幸せになれば良いことでしょうか。

　私の幸せが隣の人にも幸せにつながることが一番の理想ですが、私は幸せになるのに、隣人は不幸になる時もあります。アブラハムは神の祝福を人々に伝える人にならなければなりません。アブラハムは幸せになるのに、隣人が不幸になることを見ぬふりをしてはいけません。ですから、彼はソドムのために祈りました。


２．アブラハムの祈りの理由：正義と公道とを行う人
１）恩知らずのソドムのために祈る。
　アブラハムがソドムの都市を救出したことがあります。アブラハムは彼らの命の恩人です。創世記１４章を参照。

　14章は、実は神様がソドムの人々に与えた最後の悔い改めのチャンスでした。ソドムの人はアブラハムによって助けられたのにも関わらず、心からの感謝の気持ちを持っていませんでした。アブラハムは主の道を守り、正義と公道とを行う人として、神様の愛を持って困っている隣人を助ける精神だったのに、ソドムの王はお金だけで感謝しようとしました。アブラハムへの感謝の気持ちを心から表していません。

　それでも、アブラハムは彼らのために祈りました。主の道を守り、正義と公道とを行う人らしく、もう一度彼らのために祈りました。主の道を守り、正義と公道とを行う人は、神様に似ていて、恩知らずのソドムのためにも祈ります。個人の感情や欲望ではなく、神様の人として、カナンの責任者として、主の道を守り、正義と公道とを行う意味で祈りました。

２）感謝知らずのロトのために祈る。
　アブラハムとロトは土地のトラブルで別れましたが、それでも唯一の親戚です。アブラハムが関係のないソドムを助けた何よりも大事な理由はロトの家族を助け出すためでした。ロトの家族もソドムの住民と一緒に巻き込まれて捕虜になったからです。

　アブラハムが最初５０人の正しい人がいればソドムを赦して下さいと祈りましたが、ロトによって影響を受けたソドム人が５０人くらいいれば赦して下さいという意味でした。しかし、数えてみても５０人いません。４５人も、４０人も、３０人も、２０人もいません。最後はロトの一番近い家族だけ考えて１０人まで下げましたが、残念なことに１０人もいませんでした。実はロト一人しかいませんでした。しかも神の人として何の影響力もない一人でした。

　ロトはソドムの住民のようにアブラハムに感謝知らずの人でした。アブラハムのおかげで安全にカナン地に住んでいたのに、アブラハムのおかげで、財産も増えたのに、アブラハムのおかげで命拾いしたのに、感謝の気持ちは何も持っていませんでした。

　アブラハムはロトと同じく一人でカナンに住んでいましたが、アブラハムはロトと違って良き影響を与える人でした。信仰が成長していました。神様の目標である主の道を守り、正義と公道とを行う人として成長しました。

　 神様は私たちを信仰によってアブラハムの子孫として召して下さいました。19節によりますとアブラハムの子孫は主の道を守らせ、正義と公道とを行わせるために召して下さいました。ですから私たちもこの世のために、日本のために祈らなければなりません。私たちの祈りの故に彼らを赦して下さいと祈らなければなりません。裁きではなく、彼らの救いために、助けのために祈らなければなりません。そのように祈らせるために私たちを召して下さいました。



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