2014年10月5日

出エジプト記　2章1〜10節

　　　　　　　　　　　　　　　　 　＜ 水から救われた人、モーセ ＞


　神様はアブラハムに土地を与えて下さると約束しました。しかし、実際与えられるまでは400年以上かかります。その間、アブラハムからイサクが生まれ、イサクからヤコブ、ヤコブから12人の子どもが生まれました。12人の子どもから70人以上の子孫が生まれました。その70人以上の子孫たちは神様の預言通りにエジプトに行き、そこで彼らは奴隷になってしまいました。そのとき、モーセという人が生まれました。


１．モーセは生まれた瞬間から命が危ないところで生まれました。
　モーセは生まれたらすぐ殺される危ないところで生まれました。人間は生まれる国、生まれる家庭を選ぶことは出来ません。自分で選んだ人は誰一人いません。モーセも自分で選んだのではありません。自分で選べられるものなら、エジプトの奴隷になるところに生まれる人は誰一人いないでしょう。

　モーセは、生まれた直後は死を免れましたが、エジプトの人にばれたら直ちに川に投げられ、殺されます。3か月間は何とかして隠しましたが、これ以上は隠しきれなくなったので、親は決断しました。3節を見ると「パピルスで編んだかごを取り、それにアスファルトと樹脂とを塗って、子をその中に入れ、これをナイル川の岸の葦の中においた」のです。

　親は悲しかったでしょうね。しかし、仕方ありません。ばれたら赤ちゃんの命はもちろん、家族も皆大変なことになります。モーセの命を神様の御手にゆだねました。 親は子どもの命と安全を守ろうと頑張ります。親が代わりに命をささげても、子どもの命を守ろうと努力します。しかし、それでも親も子どもと同じく弱い人間なので、守り切れない時が多いです。その時は神様の御手に委ねています。本当の親である天の父なる神様が子どもたちの命を守って下さると信じて、委ねます。

　モーセの両親もモーセの命を神様の御手に委ねました。命を与えて下さった方も神であり、早めに息を引き取ることも、長く生きることも神の御手にあります。神様はモーセを長く生かしておくことにされました。その理由で助け手を備えておきました。何とパロの娘、エジプトのお姫様でした。 その後、モーセの姉の紹介でモーセの実の母の手によって赤ちゃんは安全に育てられました。


２．モーセは実の母の愛により、一番安全な環境で、育てられました。
　公式にはパロの娘の子どもなので、エジプトの人であり、王子ですが、しかし、モーセは子どもの時、実の母によって育てられたので、信仰教育を受けたでしょう。また、神様がアブラハムに与えて下さった約束のみ言葉が彼の心に刻まれたでしょう。

　ですから、彼がいくらエジプトの教育を受けても、エジプトの王子であっても、いつかは王子の身分を捨てて、神様の民と苦労しながら、約束の地を目指す人になるでしょう。

　へブル１１章２４−２５節を見ますと「信仰によって、モーセは、成人したとき、パロの娘の子と言われることを拒み、罪のはかない歓楽にふけるよりは、むしろ神の民と共に虐待されることを選び」ました。


３．救われた人が救いに導く
　モーセは水から救われた人です。ナイル川から助け出された人です。ナイル川で死ぬべき運命の人が神様の御手により救われました。モーセは死から救われ、パロから救われました。そして、彼が成長した時には死の絶望に落ちこぼれているイスラエルを救い出しました。

　人は皆、平和の中で生まれ、平和の中で暮らしたい願いがあります。戦争中、生まれたいと思っている人は誰もいません。ところが、不思議なことは平和の時には偉大なリーダーは生まれません。大変な時、偉大な指導者が生まれます。正確には生まれるよりは、厳しい環境が人を偉大な人物に作り上げると言った方が正しいでしょう。　モーセが生まれたときには悲劇がありました、しかし、そのような環境で生まれ、育ったからこそ、人々を救い出す偉大なリーダーになったことも事実です。

　子どもの皆様の将来はいかがでしょうか。これからの未来は誰も分かりません。牧師である私も良く分かりません。願わくは、皆様が偉大な指導者はならなくても良いから、平和が続きますように祈ります。しかし、もしかして、私たちが住んでいるところに平和がなくなる悲しい時代になったとしても、その時には皆様が人々に平和をもたらす偉大な指導者になって下さい。 平和の時には神様の平和を楽しむ人になってください。 平和がなくなったときには平和を作り出す人になって下さい。



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