2014年9月28日

創世記　16章1〜16節

　　　　　　　　　　　　　　 　＜ イシマエルの誕生と家庭の悩み　：　子孫 1＞


　神様はアブラハムの信仰が成長するように訓練しました。子どもが生まれることを待つことは大変な忍耐が必要でした。アブラハムとサラには、財産はたくさんありましたが、子どもがいません。ですから、いくら財産と土地があっても受け継ぐ子孫がいないと無用です。土地はアブラハムが死んだ後でも方法はありますが、子孫はアブラハムが死んだ後は不可能です。アブラハムとサラの体が生きていても子どもを産むのはタイムリミットがあります。男性と違って女性は制限があります。サラは彼女自身のことだから女性として、もう駄目だと分かっていました。今日のお話は、サラが子どもを産める確率がゼロに近い時のことです。


１．問題の始まり
　アブラハムの歳は85歳、サラは10歳年下なので75歳です。アブラハムとサラは今まで何とか神様の約束だけを信じて待ち続けました。しかし、それでも子どもが生まれなかったので、焦りました。サラは自分自身の体のことだから絶望を感じていたでしょう。サラはこれ以上、神様のタイミングまで待てなくなりました。

　サラが下した結論は彼女自身からは子どもを産めないことでした。こうなるとサラが出来ることは一つしかありません。子どもが生まれないと神様の約束はどうなるのでしょうか。


２．人間の方法
　サラは人間の方法で何とかしようとしました。サラが子どもを産めないので、これから出来る方法は他の女性を通して産んでもらうしかありません。サラがアブラハムに提案しました。焦り始めたのはサラです。彼女自身のことだから良く分かったのでしょう。

　アブラムはサラの提案を受け入れました(2節)。しかし、これが問題の始まりでした。人間の力だけで問題を解決しようとすると最初はうまくいくかのように見えます。しかし、時間が経つとそれは解決ではなくて、もっと問題が大きくなり、複雑になり、深刻になっていくケースが多いです。

　4節を見ると別の女性から子どもは出来ましたが、アブラハムの家庭の秩序が乱れました。女奴隷のハガルが妊娠したことを気づいてサラを見下げるようになったからです。5節にはアブラハムとサラの夫婦の間にも問題が発生しました。子どもがいない辛さよりも、もっと辛い状況になりました。人間の解決はこのように、根本的な解決ではなく、逆に複雑になっていくだけです。


３．神様の解決
　問題を根本的に解決するのはアブラハムとサラから子どもが生まれることですが、しかし、神様はその前にすでに起きたばかりの問題を解決して下さいました。今までなかった家族との間に色々の問題が同時に起こりましたので、アブラハムには解決の方法もなく、お手上げの状態だったので、神様が解決して下さるしかありませんでした。神様はまず、ハガルに現れました。そして、アブラハム家の秩序を回復されました。

　ハガルは奴隷なので行くところも、生活する方法もありません。元のところに戻らなければなりません。そのためには謙遜になってサラに仕えなければなりません。
「サライのつかえめハガルよ」と呼ばれました。ハガルの身分をもう一度認識させました。問題の解決はまず、家庭の秩序を回復することでしたので、神様はそれをなさいました。

　10−12節を見るとハガルも悔しい被害者なので、彼女に約束を与えて下さいました。
「わたしは大いにあなたの子孫を増して、数えきれないほどに多くしましょう」。
「あなたは男の子を産むでしょう。名をイシマエルと名づけなさい」。

　神様は子どものことでアブラハムとサラを訓練しました。その訓練は厳しいものでした。なぜなら、人間ができるタイムリミットを超えたからです。

　 私たちもアブラハムとサラのように厳しい時があります。その時は信仰の訓練だと思って忍耐して、神様の解決を待ち望みましょう。



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