2014年9月14日

創世記　13章1〜13節

　　　　　　　　　　　　　　　 　＜ アブラハムとロトの別れ　：　土地 2＞


　アブラハムとロトは最初、一緒にいました。共にカルデヤのウルから離れ、共にカナン地に来て、共にエジプトに下っていき、共にカナンの地に帰って来ました。13章の前半には「共に」という単語が多いです。

　1節と5節です。慣れていない土地で、アブラハムにも、ロトにも互いに頼りになり、慰めになりました。互いがいるからこそ、安心できました。しかも、アブラハムにも、ロトにも財産がたくさんありました。財産が多いことは神様の祝福です。

　5節までは彼らが共にいることが、互いに良いことでした。互いが共にいることは誰が見ても良いことなのに、不思議なことに一緒にいるからこそ、問題になって、一緒にいられなくなりました。本当に不思議で、おかしいことです。唯一の親戚であるロトの家族と共に暮らせないのはなぜでしょうか。


１．土地がない問題の深刻さ
　神様がアブラハムにカナンの地を下さると約束なさいましたので、直ちに土地を下されば、このような問題は最初から発生しなかったのに、土地がないのが原因です。 そのころカナンびととペリジびとも共にその地に住んでいましたから狭かったでしょう。

　唯一、頼りになれる親戚すら共に暮らせないくらい土地がないこのカナンの地でこれからアブラハムはどうやって暮らせばいいのでしょうか。ロトの家庭と共に暮らせば、心の安心、頼りになるのに、唯一の親戚すらアブラハムから離れてしまうとアブラハムは不安で、どうすれば良いでしょうか。


２．アブラハムの人間的な知恵
　唯一の親戚であるロトと争ってはいけないので、アブラハムはロトに提案しました。二つの家族は共に暮らせる土地がないので、仕方なくて、互いに別れて暮らすことにしました。アブラハムが出来る最善の選択でした。そして、ロトもこの選択を歓迎しました。

　土地も狭いのに、親戚同士が争う必要はないと思いました。土地さえ、早く下さればすべてのことが順調に、皆が幸せに、皆が安心して暮らせるはずだったのに、なぜ、神様はアブラハムとロトに土地を下さらなかったのでしょうか。


３．約束の土地に関する神様の御心
（１）アブラハムに関連して
　親戚を頼りにしないで、人を頼りにしないで、神様だけを頼りにすることを学ばせるためです。アブラハムの信仰訓練のためです。土地も、親戚も、財産も頼りにしないように訓練なさっています。この世が言っている安心、安定を頼よりにしないで、神様だけを頼りにして生きる信仰者と成長するように待っておられます。

（２）ロトと関連して
ロトと関連して私たちは深く考えなければなりません。１２：４「アブラムは主が言われたようにいで立った。ロトも彼と共に行った」。ロトは神様と共に行ったのでしょうか、アブラハムと共に行ったのでしょうか。

　一つは、アブラハムは神様と共に行きましたが、ロトは人間であるアブラハムと共に行ったという観点です。アブラハムは神様から頂いた約束があります。しかし、ロトは神様から頂いた約束がありません。ロトは神様からの約束がないので、もともと神様から頂ける土地がありません。それでも、神様の約束を持っているアブラハムから離れなければ同じく、一定の土地を頂いたでしょう。しかし、離れる瞬間、駄目になります。

　二つは、アブラハムに下さった約束なので、ロトにも同時に下さった約束でもあるという観点です。しかし、ロトが持っている神様の約束はあくまでも、アブラハムを通して下さった約束なので、アブラハムから離れてはいけません。神様がロトに与えた約束ではありません。ですから、ロトはどちらもアブラハムを離れてはいけません。

　しかし、神様からの約束がないロトには、財産が多くて、土地が狭くて、トラブルが多くなり、安全が確保される大きな町が見えるとアブラハムから離れることになっています。神様の約束がない人は、神様の約束の地から離れるようになっています。

　創世記に出てくるロト、イシマエル、エサウ、彼らの共通点は神様からの約束がないので、カナンから離れた人々です。神様が彼らを押し出さなくても、彼らが自分たちの足で出ていた人々です。

　彼らは神様からの約束がないので、この世の価値観、判断基準に基づいて、ものごとを選択します。ですから、土地が狭くて、草も少なく、安全でもないカナンの地を選ぶはずがありません。この世の価値観を持っている人が険しい信仰の道を選ぶはずがありません。 こう考えるとロトは、いつかは結局アブラハムから離れるようになっていました。

　土地が狭くて、財産が多くて、神様が早く土地を与えて下さらなかったのが原因ではなくて、本当の理由は、彼にはカナン地をアブラハムと共に頂ける約束もなく、信仰もありませんでした。神様は私たちを苦しめるために信仰訓練しているのではありません。訓練を通して、私たちはイエス様の忍耐を学びます。信仰が成長するのを待ち望んでおられます。信仰が成長しないと神様の祝福を管理することも、信仰を維持することもできません。神様の祝福を頂く前に、祝福を維持できる信仰の器を持たなければなりません。



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