2014年7月27日
ルツ記 4章1〜22節
＜ あがないによる救い ＞
１．今までのお話
生きるためにベツレヘムを離れましたが、あらゆる苦難に直面したナオミ。偶然と神の導きの中で混乱したナオミ。しかし、個人の選択による結果。神様が下さった落ち着き所を失ってからもう一度回復するナオミ。聖書の中でルツ記の大切さは何でしょうか。神のみことばなので単なるラブストーリではありません。ダビデ王がどのようにして生まれたのかを説明する大事な物語です。
それよりもっと重要なことは私たちの救いに関する旧約の背景になるのがルツ記です。私たちの救いを説明する単語の中で一つが罪からの「贖い」があります。「贖い」。単語の意味。代価を払って買うことです。この単語は経済用語です。イエス様が私たちの罪の代価として十字架の血潮を流されました。その代価により贖われました。この言葉がルツ記４章にたくさん出てきます。４章だけで１０回です。
ルツ記は愛の物語のように見えますが、実は旧約の中で土地の贖いに関する重要な教えが書いてある本です。今日は旧約の土地の贖いに関して学びたいです。
土地は神様が下さるものです。神様が嗣業を与えて下さいます。土地は神様がお造りになったものなので、神様が主人なので、神様が与えて下さるものです。
神様が与えて下さるものなので、お金があるからと言って購入できるものではありません。お金があっても神様が与えて下さるまで待たなければなりません。アブラハムがサラの埋葬のために購入した土地のこと。
反対にお金がないからと言って売ることもできません。土地を売買する取引は主に親戚の間で行われました。そうしなければ神が各部族に下さった地所が変わるからです。神が下さった土地の地境は変わってはいけません。仮に、貧しい人が、土地を売りました。その土地を購入した親戚は長くても５０年以内にその土地を貧しい親戚に返さなければなりません。５０年一回、すべての土地は元の主人に返さなければなりません。レビ記２５：１０「その五十年目を聖別して、国中のすべての住民に自由をふれ示さなければならない。この年はあなたがたにはヨベルの年であって、あなたがたは、おのおのその所有の地に帰り、おのおのその家族に帰らなければならない。」
３節を見るとナオミの土地はそのまま残っていたようです。それを近い親戚に売ろうとしました。なぜなら、男の子孫がいないので、土地を残せる遺族がいません。ですからこの辺で土地を一番近い親戚に売らなければなりません。
ナオミには土地を贖ってくれる一番近い親戚がボアズ以外にもう一人いました。その親戚は最初、ナオミから土地を購入する意思がありました。ナオミとルツには子どもがいなかったから、ナオミから購入する土地は永遠にその親戚の土地になります。その理由で購入しようとしました。
ところが、ルツがいます。ルツが再婚して男の子を産む可能性があります。ルツの子どもが生まれるとその子どもに土地を与えなければなりません。
土地も大事ですが、何々家を継ぐ男も大事です。ナオミ家の問題は男の子がいないことです。ルツ記１章にあるナオミの嘆きの意味がこれです。「12 娘たちよ、帰って行きなさい。わたしは年をとっているので、夫をもつことはできません。たとい、わたしが今夜、夫をもち、また子を産む望みがあるとしても、13
そのためにあなたがたは、子どもの成長するまで待っているつもりなのですか。あなたがたは、そのために夫をもたずにいるつもりなのですか。娘たちよ、それはいけません。」
男がいないと結局土地は親戚のものになります。しかし、男が生まれるとその男の名義で土地は受け継がれます。出来る限り地所を何々家から移さないのが一番の原則です。
ボアズよりも近い親戚は新しい子どもが生まれたら、生まれた子どもの分の土地も与えなければならないので、自分の土地が減ることを嫌がって、一番近い親戚の権利を諦めました。
一番近い親戚がその権利を諦めるときには大勢の人々の前で意思を表さなければなりません。靴を脱ぐことです。
イエス様の贖いの意味にもこれに似ていることがあります。
２．罪ある私たちを贖えるお方は私たちと一番近い親戚でなければなりません。
私たちの一番の親戚は私たちと同じ人間でなければなりません。神は私たちと親戚ではありません。イエス様は私たちと同じ親戚となるために人間になりました。そして、一番近い親戚になって、贖いのために十字架で犠牲になりました。
イエス様は私たちの兄貴です。へブル２：１７「そこで、イエスは、神のみまえにあわれみ深い忠実な大祭司となって、民の罪をあがなうために、あらゆる点において兄弟たちと同じようにならねばならなかった」 イエス様が私たちの兄貴だから、神は私たちの父になります。
アダムは最初、神様からこの地球全体を管理する人として、この地を頂きました。しかし、サタンに騙され、神が私たちに与えて下さった土地を失ってしまいました。罪の結果です。土地を失ってしまいましたので、一番近い親戚であるイエス様が代わりに贖ってくださり、天国の嗣業を与えて下さいました。
東京教会にも土地が必要です。いつかは神様が私たちに嗣業を与えて下さるでしょう。私たちは祈りながらその日を待っています。祈りと信仰告白によって頂けます。祈りますと信仰が与えられます。信仰を告白すると賞を与えて下さいます。その賞が土地です。信仰がある人だけがカナン地に入って土地を頂きました。それと同じく私たちも信仰の大きさが土地の大きさを決めます。
ヨシュアが素晴らしい信仰告白したのでヨセフの二つの部族に大きな土地が与えられた。カレブが偉大な信仰者だったので、ユダ部族に大きな土地が与えられた。ルツに確実な信仰があったので神様は彼女に土地を与えて下さいました。イエス様が私たちを贖って下さって、私たちに嗣業を与えて下さいました。
私たちの教会もいつか頂きたいです。家賃の生活が当たり前ではありません。神の子どもは父なら神から嗣業を頂くのが当たり前です。神様が与えて下さる嗣業は、私たちが神の子どもである証拠です。皆様に祈って、信仰告白して下さい。神様が与えて下さいます。
まだ現実は厳しいですが、希望はあります。今まで２８年間の祈りが蓄積されています。課題もあります。皆様の一人一人の霊的な力が弱いです。弱い理由はなかなか難しい人生の課題を抱えているからです。互いに祈り合いながら皆様の課題が解決されますように祈りましょう。解決されれば、それが力になり、教会も成長するでしょう。
３．贖いの行為を結婚と結びつけることも似ています。
ボアズがルツを贖いますが、そのフィナーレが結婚でした。イエス様が私たちを贖いましたが、そのフィナーレが天上においての子羊の結婚です。ヨハネの黙示録に神の子羊と信者の結婚の様子が書いてあります。一番幸せの様子を表すために結婚のことばを使っていると思います。
４．ボアズの家計図が４章の最後に書いてあります。
ボアズの母もルツのように異邦人の女です。ボアズの母はエリコの人、ラハブです。ラハブは遊女だとヨシュア書に書いてあります。
私たちにとっては衝撃ですね。
ボアズは母も異邦人、新しい奥さんも異邦人です。しかし、ラハブに信仰があったので、神様がラハブに嗣業を与えて下さいました。倫理的には堕落していた人でした。しかし、それは過去のことです。ラハブは徹底的に悔い改めて、神の民として新しく生まれ変わりました。人間の過去は皆、ラハブのように堕落しています。しかし、現在は悔い改め、神の民となりました。ですから、神様が嗣業を与えて下さいました。
ラハブの息子であるボアズも信仰の人でしたので神様から嗣業を頂きました。ルツも異邦人でしたが信仰の故に神様から嗣業を頂きました。
ボアズの家系から生まれたのがダビデです。ルツ記４章の家系図とマタイ１章の家系図が同じです。これを見ると聖書はイスラエルの歴史でありながら、イスラエルの歴史ではないです。
イスラエルの純粋な系図ではないので、イスラエルの歴史ではありません。しかし、イスラエルの信仰の系図が書いてあるので、イスラエルの信仰の歴史です。人間の汚い歴史がそのまま書いてあるマタイ１章の系図はまさに神のみことばですね。私たちの歴史です。
過去にどんな生き方で暮らしたのかは何の問題にもなりません。どこの出身なのかも何の問題になりません。
イエス様が贖って下さって、現在清く生きているのであれば、神の民です。イエス様はいかなる罪人も受け入れて下さいます。そして、信じる人は誰でも神の子どもに生まれ変わります。神の子どもなので、子どもに相応しい嗣業を与えて下さいます。それが、天国です。天国だけではなくて、この地上においてもいくつかのものをいただきます。
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