2014年5月11日

創世記　1章26〜31節

　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜ 神のかたちに造られた人間 ＞


　人間の尊厳、一人の価値を一番高く評価しているのは聖書です。人間は神のかたちに造られたと言っています。一人一人が神のかたちによって造られたので、この世には一人しかいない者、歴史の中でも一人しかいない大事な存在です。社会が厳しくなると一人の存在、一人の価値が軽視されやすくなりますが、私たちは聖書のみことばを信じて、自分自身を含め、一人一人を大切にしたいです。聖書が言っている人間は何か。人間を造られたお方からその答えを見つけましょう。


１．造られた理由
　26節をみると、地のすべてのものを治めさせるために人間は造られました。地のすべてのものを治めるのが人間の仕事でした。治める仕事は王の仕事です。人は地上の一番優れた者、王として造られたと言えます。神は天におられる王であるなら、人間は天におられる王の代わり地上を治める(管理する)王のような者です。人間がこの地を治めなければなりませんので、人間以上に優れている被造物はいません。人間の上に他の被造物をおいてはいけません。それはこの地を治める秩序を壊すことになります。偶像崇拝をしてはいけません。人間より優れている被造物がいないのに、人間が神の知恵を使って、色々のかたちを作って、それを神のように拝むことは創造の秩序を壊すことになります。人間の上には創造主以外には何もおいてはいけません。これが地のすべてのものを治める精神の一つです。


２．神のかたちの意味
　26節「われわれのかたちに、われわれにかたどって」
　27節「神は自分のかたちに人を創造された。・・神のかたちに創造し」
神のかたちって何でしょうか。色々の学者の話がありますが、いくつか申し上げます。

（１）神ににている知恵
　27節には創造、創造、創造と三回創造ということばを強調しています。人間は何から変化したのではなくて、最初から非常に優れたものとして創造されました。アダムは神の知恵を持っていました。その子孫である私たちも色々の物を造れます。

（２）霊的な者
　天使と人間は霊的な存在です。霊的なものなので永遠になくならないものです。死んだら終わりではありません。霊はなくなるものではありません。それは大きな責任を意味します。私たちの歩んできた足跡が永遠に残ることを意味します。

（３）自由意志
　人間は神が言われた文字通りにしか動かないロボットではありません。個人の自由があって自己判断出来るものです。尊重されなければならない個人の自由、人格の尊厳があります。国でさえ勝手にしてはいけない個人の基本権利があります。その自由は無限に近くて、極端に言えば神を離れられる可能性さえ開かれていました。しかし、その自由は使ってはいけないものでした。生きる道は神様から与えられますので、実際神から離れてはいけません。

（４）「神ににるように」：神に依存しなければならないもの
いくら優れてはいるものの、造られているものであることを忘れてはいけません。
原本にそっくりのものです。しかし、原本ではありません。原本であるかのようなふりをしてはいけません。一人で何でも出来ると思ってはいけません。造られているものなので、神に依存するようになっています。私たちは神によって造られた者であることを信じれば非常に謙遜になります。


３．神様との関係
　人間は神から言われたとおりにしか動かないロボットではありません。全く自由がない奴隷でもありません。自分の意思を持って色々のことが出来る無限と言っても良いくらいの自由が与えられました。制限されたのは一つだけです。自由、独創性を持って神と親しく話し合えるものとして造られました。神様は友達ではありませんが、友達のような親しみがあります。神様と親しい関係なので、罪を犯してはいけません。神様は罪あるものとお交わりなさらないからです。


４．生きる手段
　全地にあるすべてのものを与えてくださいました。創世記1章では食べ物が全治に満ち溢れていたので、野菜と果物だけでも十分でした。しかし、罪の後は食べ物が非常に少なくなったので、動物や他のものも食べられるように与えてくだいました。基本的にはこの地にあるすべてのものは食べられます。食べ物以外にも色々の必要なものを人間に与えてくださいました。一番基本的な食べ物を与えてくださった神様がそれ以外も与えてくださいます。神様は人間を造られる前に、事前準備として創世記1章の色々のものを造られました。天地万物が神の栄光を表しますが、その中で何よりも人間が神の栄光を表します。


結論
　私のことを一人の人間として、その価値を正しく認めてもらいたいです。私たちは社会の地位から、家族から、友達から認めてもらおうとしています。しかし、それらのものからは裏切られる時があります。神様が私を価値あるものとしてお造りになりました。 それを信じているといつまでも一人の人間としてのアイデンティティーは揺らぎません。そして、もう一つは神様によって造られているので、神様から離れた瞬間、何もない一握りの土に過ぎない弱いものであることも同時に忘れてはいけません。



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